大会を通じての変化を感じる

 いろいろ審判のことも騒がれていますが、そのあたりは置いておくとして(笑)
 ただ、審判も国際大会となると、プレッシャーがかかったりするんでしょうか。
 そう考えると、西村主審は良く頑張ってるよなぁ…なんてことも思うのですが。



 スタメンはヨルダン戦と同じメンバーでしたね。
 攻撃に関してはこれから作り上げるつもりで、入れ替えも十分あり得るのかな…と思っていたのですが、ザッケローニ監督の中では意外とあのメンバーにこだわりがあったのでしょうか。
 実際、ヨルダン戦よりも2列目の選手が積極的に動き回ることで、停滞感は薄れていましたね。
 一番変わったのはメンタル面なのかな?とも思いますが。


 特に内田などSBを上手く使うことが出来ていた印象です。
 中盤中央でパスをつないでタメを作っているうちに、スッと内田や長谷部がタッチライン際を出て行く動きも何度か見られ、中と外、両方を使おうという意図が感じられました。
 ヨルダン戦では松井が前にいてなかなかそういった形も作れませんでしたし、この短期間でそのあたりを修正できるというのは素直に凄いことですよね。
 監督の手腕なのか、選手の力なのか、もしかしたら両方なのかもしれませんけど、さすがだなぁと。


 また、1人少なくなってからは相手にスペースも出来て、こちらの選手の球離れも良くなり、スピーディな攻撃が出来ていましたね。
 この時間帯での本田はさすがですね。
 1点目のドリブルもそうでしたし、やはりカウンター時に強さを発揮できる選手なのかなぁと。 


 チーム全体としては、サイドの深い位置までは攻略出来ていたと思うのですけど、最後が合わなかったですね。
 この課題によってなかなか2点目が生まれず、あの失点シーンに…という展開になってしまったかなと。
 ただ、サイドを崩すところまではできていましたし、あとは連携というか、最後のコミュニケーションの問題なのかなと思います。
 そこに関しては、時間をかけて練習して行けば向上して行くのではないでしょうか。 



 それよりも意外だったのが、守備ブロックに課題が見られていたことですね。
 少なくともアルゼンチン戦ではバランスは保たれていた印象だったのですが(一対一の守備に関してはともかく)、シリア戦ではボールのあるエリアに選手達が引っ張られ過ぎて、綺麗なボックスが保てなくなっていた印象でした。
 これが選手個々の問題なのか、積極的に攻撃に出たことの代償なのか、あるいはその他のファクターが影響したのかはわかりませんが、なかなか興味深い現象だなぁと思います。
 個人的にはW杯の頃のチームと比較してそこまで大きな向上は感じなかったアルゼンチン戦ではありますが、それでもあの試合では良い守備組織ができていたはずだと思うので、そこまでは心配する必要もないのかなぁとも思うのですが…。
 少なくとも現段階では。
 


 しかし、この試合で何よりも驚いたのは、PKで1失点し1人少なくなった後の選手達の落ち着きぶりだったかなと思います。
 勝ち方を知っているチームというか、チームとしての強さを感じました。
 ヨルダン戦ではむしろ焦りすらも見えたように感じたので、これまた意外というか面白いですね。


 良くも悪くもチームの変化を感じながら大会が進んでいますので、今後も楽しみです。
 この続きを見るためにも、ぜひきっちりとグループリーグを突破してほしいですね。