Jリーグの運営、クラブライセンス制度などについて
朝日新聞の元旦に、Jリーグの今後の運営に関しての記事が書かれていたようです。
2011年にJ1、J2あわせて38クラブになるJリーグが、リーグの構成や収益の分配など、運営方法の抜本的な見直しに動き出す。近く新しい組織をリーグ内に設けることが31日までにわかった。
すでに実行委員会で承認され、2月の総会で正式に決まる。「マーケティング委員会」の名称で4月にも本格的に活動を始める見通しだ。関係者の話を総合すると、検討課題としては2ステージ制の復活、参加基準の高い新たなリーグ設置や3部制の導入、話題性や収益性を重視した新たなカップ戦の創設、リーグ開幕・閉幕の時期などがあがりそうだ。(朝日)
また、読売新聞にも同じく元旦に「2013年からクラブライセンス制度を導入。3年間赤字が続いたJ1クラブは降格。ユース各年代は大会に出場できるレベルを要求。固定練習場の確保」といった内容の記事が出ていました(無理やり要約)。
朝日の方の記事がアイディア的な内容なら、読売の記事は凄く現実的。
けれども、2つが全く関係のない記事なのかというと、タイミング的にそうも思えない気がします。
読売の記事に関しては、最終赤字をしても増資をすることによって、債務超過にならないように努めているところもありますし、そのあたりへのけん制という意味があるのかなと思います。
もちろん単純に「より経営面を厳しく見て行く」という意味も強いのでしょうけど。
こういった規制をするとそれだけで反発されてしまうことも多いですが、ロシアの例や東京V、大分などのケースを考えるとおかしいことではないのかなぁと。
西欧のクラブですらも、厳しい経営を余儀なくされているわけですしね。
クラブ消滅となる前に、身の丈に合った経営を求めていくというのが狙いのなのかなぁと思います。
Jリーグで一番怖いのは親会社に依存した経営をしていって、急に梯子を外されるパターンではないでしょうか。
東京Vもそれに近い状況だった思いますし、アムカル・ペルミもどうもスポンサーを持っていた会長の辞任の影響が大きいような感があります。
そして、ますます難しいのはその親会社の出向なり会長なりが実権を握っている場合が多いため、多少の無理も許されてしまうということ(実際、アムカルの会長には批判的な意見も多いようです)。
このあたりはジェフにも言えるのことなのかもしれませんが。
ならば、リーグ側が何らかの規制を作り、無理な経営を避けるようにしていくしかない…ということでしょうか。
ただ、詳細が分からないので何とも言えませんが、赤字面(読売のいう赤字とは最終赤字のことでしょうか?)だけを規制してクラブ側の経営面の強化となるのかどうかは難しいところ。
粉飾決済まがいのことも起こりうるかもしれませんし、増資の前段階で赤字補てんをするクラブも出てくるかもしれません。
しかし、細かくキャッシュフローなどの中身から判断するというのも簡単ではないのでしょうし、最終的にはクラブ側の努力が何よりも重要になるはずです。
今回の件はそういった努力を促すための導入という意味合いが強いのかなぁとも思います。
一方で朝日に書かれている内容に関しては大きな変化を伴うもの。
観客動員数もACL等での結果も停滞しており、現状を打開しようという意図を感じる内容ですね。
急激な変化には不安もありますが、まずは活発な意見交換が重要なのではないかと思います。
多くの人が関わっているJリーグですから、結論を急がずしっかりとした話し合いを持ってから、意思決定をしていってほしいところです。