2010年反省会 その4 GK&DF編

 今日からは選手個々に関して取り上げていきたいと思います。
 主な選手のみで、和田、池田、金沢鎌田などに関しては既に話しているので省略。
ゴールキーパー
岡本昌弘
 08年はリーグ戦21試合に出場、09年は23試合に出場、今期は17戦出場ということで、ここ2年より出場試合数が減ってしまいました。
 一番の要因は江尻監督が先輩である櫛野を好んで起用していたところにあるのでしょうが、飛び出しや至近距離からのシュートへの反応などには課題も見られたかなと思います。
 ファインセーブでチームを救った試合もありますが、もう1つ伸び悩んだ印象でした。
 岡本の場合はもっと自信を持ってプレーすることが重要なのかなぁとも思います。
 来季は監督が代わることがよい転機になってほしいですね。 


櫛野亮 
 昨年江尻監督が就任して直後に起用されるなど、江尻監督が好んで使った選手だったと思います。
 主にメンタル面やコーチングなどを重視たのかなと思うのですが、今シーズン前半はミドルシュートへの反応にかなり苦戦していた印象があります。
 失点にはつながらないファンブルなども目立ちましたし、そういったあたりも考えて大久保を獲得したのかなと。
 大久保の獲得が2人にとっても良い刺激になることを期待したいと思います。 
ディフェンダー
マーク・ミリガン
 加入当初は日本人選手の細かな動きに若干の戸惑いがあったのか、ミスも多く粘りがない印象もありましたが、徐々に日本のサッカーに慣れていったのではないかと思います。
 積極的にラインを上げる分裏を取られるようなこともありましたが、茶野・ミリガンのCBコンビだとしっかりと押し上げることが出来ていたのがこう印象でした。
 パスセンスも感じ縦パスをズバッと出して走りだすプレーも1,2度ありましたし、夏頃には高精度のロングボールをサイドの裏に散らす技術も見せていました。
 守備に関してもスライディングでのカバーなどはさすがだと思いますし、大黒とのマッチアップはなかなかのハイレベルな戦いでした。
 しかし、怪我のため8月8日鳥栖戦以降の出場はなし。
 いくらポテンシャルの高い選手であっても、さすがにこれだけ長引くと辛いですね。
 契約がどのようになっているかはわかりませんが、怪我の状況も見据えながら今後を考えなければいけないのかなぁとも思います。


福元洋平
 今期はスピードの面での課題が目立って出てしまった印象があります。
 ミラー監督の頃までは引いて守って跳ね返す守備が主流だったのでさほど目立ちはしませんでしたが、今年は積極的にラインを上げる傾向にあった上カウンター対策が求められたことによって、問題がはっきりと表れてしまったのかなと。
 単純な縦へのスピードもそうだし、左右へのステップや守備範囲に関しても気になるところがありました。
 身体的なスピードに関してはどうしようもない部分もありますから、読みの部分を鍛えていくことがもう一皮むける上で必要なのかなぁと。
 ジェフの若手ではしっかりと声を出せる数少ない選手ですし、今後の成長に期待したいと思います。


渡邊圭二
 シーズン序盤はスタメンの座を確保。
 積極的でタイミングのいいスピーディなオーバラップで、攻撃における重要なアクセントになっていました。
 渡邊のオーバラップによってサイドを広く使えていた上、左ウイングの倉田のマークを外す効果も出せていました。
 オシム監督が以前「メッシが活躍しているのも運動量豊富なダニエウ・アウベスのおかげ」というようなことを言っていましたが、まさにそんな感じだったのではないでしょうか。
 しかし、渡邊も5月5日の富山戦以降戦列を離れ、怪我に悩まされたシーズンでした。
 元々怪我は多い選手のようですが…。


青木良太
 今期初出場は14節と遅かったですが、その後はほぼレギュラーとして活躍。
 右SBからの高質なアーリークロスは1つの武器になる可能性があるものだったと思いますし、福岡戦での強烈なロングシュートも驚愕でした。
 縦への突破はないですが守備でも期待できましたし全てをSBに求めるというのは無理な話ですから、監督がどこを重視するかの問題だと思います。
 一方、CBとしては福元同様にスピードに難があり(そのあたりで竹内獲得なのかな…とも)、ラインを上げづらい状況になってしまった部分もあったかなと思います。
 ただ、読みの部分に関しては福元より上だったと思いますし、良太にとって難しかったのは良太がCBの場合は両サイドに守備に難のある選手(鎌田・アレックス)が起用される場合が多かったことではないでしょうか。


茶野隆行
 09年の磐田での茶野はあまり安定した守備が出来ていない印象があったので、今期のプレーぶりには驚きでした。
 ジェフに復帰したことが転機になったのか、自分の印象が間違っていたのか…。
 パスもしっかりと丁寧に出していましたし、DFラインもコントロールし、何よりも守備で“強かった”ですね。
 相手FWが下がってボールを受けようとしてもしっかりと付いて行って、ボールを受けた瞬間を狙って潰しにかかる。
 オシム監督時代のマンマークを見ているようでした。
 ただ、残念なのが怪我の多かったことですね。
 それがなければ、今期MVPなのかな…と思うのですが。
 怪我が年齢によるものなのであれば、そのあたりもしっかりと考えた育成・補強をしていかなければいけないでしょうね。