2010年反省会 その1 チーム&監督編1

 さて、ようやくという感じになりますが、毎年恒例になったような気もする反省会を今年も始めたいと思います。
 ただ、ここまで何回か感想的な物は書いてきましたし(こことかこことかこことか?)、今年はコメント欄でも非常に有意義な議論ができましたので重複してしまう部分もあると思いますし、さっくりと振り返る形にしようかなと思います。
ちばぎんカップで可能性を見せるも
 今振り返ってみても、ちばぎんカップでみせたサッカーというのは、非常にアグレッシブで可能性を感じる内容だったと思います。
 トップ下の工藤、勇人が右サイドに流れて、右SBの坂本とトライアングルを形成してサイドでタメを作る。
 そこからクロスやスルーパスなど、ラストパスを狙っていく。
 前線では巻が走りまわってクロスを狙いながらもスペースを作り、巻の動きで空いたCBとボランチの間に左ウイングからアレックスが入っていきゴールを狙う。
 そして、右ウイングの深井はどんどん縦に走り込んでいく。
 中盤の守備の問題などもあったとは思いましたが、細かいパスワークに関してもサイドでタメを作るという狙いが見えていたし、逆サイドからアレックスが入ってくる攻撃の形も(江尻監督のいう「間を狙う」動き)、そのために巻が前線で動き回るプレーも、深井が縦を狙ってアクセントをつける動きも、全てが意味をなしていてチームとしてやりたいことが見えていたサッカーだったと思います。


 しかし、残念ながらシーズン中にはそういったサッカーはできず、あの時が一番良かったようにも思えてしまいます。
 この形とは別ですが、昨年江尻監督がやっていた中後が縦にズバッとパスを出して、FWが落として、SHが受ける…というパターンも、今期は一度も見られませんでしたね。
 それを上回る形が作れたのなら納得ですが、シーズン中は迷走した感が強かったですし昨年の展開も悪くなかったと思っていただけに、あの半年間は何だったのかなぁ…と悩んでしまいます。
 選手も大きく切り替わって、(攻撃に関わらず全体的な)戦い方も変わって、せっかくの半年間のマージンが有効に活かせなかった気がしますね。
■次第に個人での突破力に頼るサッカーに
 監督の発言からしてパスサッカーを目指していたはずだったジェフですが、シーズン序盤はボールを繋いでも最終的にはロングボールを蹴り込む時間帯が増えてしまい、チームの狙いが見えなくなっていきます。
 序盤3試合で勝点4と苦しんだせいか、次第にネットや倉田など、個人での突破力のある選手に頼るサッカーに。
 初めはそれが良い方向に出ていた部分もあったと思うのですが、少しずつ他チームもネットや倉田のプレーも研究されていき、スペースを消すことで対策を打たれてしまいました。
 それでもプレッシング(ただ、そこからハーフカウンターとはなかなかいかなかったけど)や戦力差を存分に活用した選手交代で勝点を稼いでいきましたが、季節が進むにつれてそのあたりにも行き詰りを感じるようになっていきます。
 その停滞した状況に変化を加えたのがW杯中断2試合前の巻と米倉の2トップで、2人ががむしゃらに体をぶつけていったことで連敗を阻止した試合だったのですが、その次の甲府戦で敗れてしまったせいか、巻は放出という形に…。
 確かにそれまでの巻は活躍していませんでしたが、この試合にチームの現状を打破する可能性を感じていた直後だっただけに、私にはちょっと理解しづらい決断でした。
 このあたりも含めて、チームのチグハグ感が如実に表れていってしまったのではないかと思います。



 ここまでがシーズン前半の簡単な流れ。
 後半は次回ということにいたします。


 少し話が逸れてしまいますが、試合外で気になったのが練習に関して。
 江尻監督は「練習を見てほしい」と練習内容に自信を持っていたようですが、自分が観に行った練習は開幕直前にもかかわらず非常に雰囲気が緩いといった印象を受けてしまいました(内容に関してもDFを置かないシュート練習が多いなど、個人的にはうーん…と悩んでしまいました。何度も観に行ったわけではないので、あまり強くは言えませんが…)。
 江尻監督が就任して一部選手は「雰囲気はいい」と話していた一方で、巻などは昨年から「厳しさが足りない」と言っていたのですが、指摘したかったのはそういうことなのだろうなと。
 特にオシム監督の時などは、毎回遅れてくるオシム監督がピッチに立った途端、ピリッと空気が一変するのが常でしたので、ますます当時を知る巻はあの状況に疑問を感じていたところがあったのではないでしょうか。
 そのあたりも含めて中途半端だったというか、来季に向けての反省点の1つなのではないかなぁと私は感じました。