コラボ企画 "ズッ友・京都"と6つの回答

 前回のコラボ企画発表、多くの反響いただきましてありがとうございます。
 特にいつもブログを見ていただいている方達とは、異なる方達から多くの反応をいただいた印象です。
 純粋なサッカーネタというのは、なかなか外に広がっていかないところがあるので嬉しく思います。
 サポーターに関するブログが盛んになっている印象もありますが、もっとサッカーを語るブログが盛り上がっていくといいなぁと思うのですけどね。


 さて、京都系ブログ『Brandnew Dawn』とのコラボ企画。
 当ブログへの質問を含む、一回目のエントリーがこちらになります。
 加藤好男さんのご子息が京都の分析担当をしているという情報は、知らなかった方も多いのではないでしょうか。
 また祖母井さんつながりで、池上コーチも京都の普及育成部長を務められているはずだと思います。


 勇人が京都退団時に「ビジョンがない」と言うコメントを残したのは、ジェフサポの中でも戸惑う意見が多かった記憶があります。
 もともとジェフ退団時も同様のコメントをしていただけでなく、何より当時のジェフはJ2降格直後で江尻監督任せの運営だった印象で、こちらもビジョンが見えなかった。
 実際その後の顛末を考えてみても、やはりビジョンらしきビジョンはなかったのでしょう。
 勇人は昔から男気があるキャラではありますが、コメントが浅いところもあるのでそのあたりで評価も分かれているところもあるように思います。
 昨夜には私の質問に答えたエントリーも先にアップされましたので、ぜひ明日の試合に向けての参考にしてください。



 さて、6つの質問に関する回答編。
 なかなか突っ込んだ質問をいただきましたので、頑張って答えていきたいと思います。
1、ぶっちゃけオシムさんのことどう思ってる?
−現在はオシム監督の影響力は限定的
 一問目にして、一番悩む質問(笑)
 オシム監督全般に関して話すとかなり長くなってしまうので、オシム監督の影響について限定して考えてみたいと思います。


 私は早くから「オシム信者」と呼ばれていたほど、大きな影響を受けていたと思います。
 …というか、当時のファンやサポ、ジェフ関係者で影響を受けなかったという方は極めて稀でしょう。
 私の場合はあえて先に試合の感想をブログに書き込んでから、試合後のオシム監督のコメントを読んで答え合わせをする。
 そんな形でサッカーを学んでいったところがあります。


 オシム監督の場合、ジェフ時代の戦術はマンマークや前が空いたら必ず出ていくなど、特殊な面もあったかもしれません。
 しかし、ロジックや考え方に関しては基礎的なものが多く、今思えばいかに基礎が重要であるかを教えるのが得意な監督だったようにも思います。
 「走る」ことに関しては良く言われていますが、「判断力」や「1つ前のプレー」の重要性など様々なことが勉強になる監督でした。
 だからこそ、世界中のサッカー関係者に影響を与えたのでしょうし、私自身も基礎的な見方として応用できている部分が多々あると思っております。



 ただ、今のジェフにおいて、どれだけの影響力があるのかというと微妙なところです。
 オシム監督がジェフを退任して、あと2か月でちょうど丸10年。
 特にジェフの場合、フクアリの移転、オシム監督による代表大量選出、祖母井GM退団による方向性の転換、J2降格などによって、サポが大きく入れ替わった時期だと思います。
 ネット上でもオシム監督時代を知らないサポが増えているようですし、クラブの主導権も古河からJRに入れ替わりフロントの顔ぶれも変わってきました。


 特に影響力が落ち着いているように感じるのは、次期監督の話になっても欧州人監督を推す声は少なく日本人監督の候補ばかりが話に上ること。
 外国人監督だと想像しにくいという点もあるのかもしれませんが、オシム監督から外国人監督で失敗しているので"第二のオシム監督"を期待するような声は少ないように思います。
 祖母井GMがいないと、良い外国人監督を招聘できないといった意見も多い印象です。


 オシム監督退任当初は、確かに影響力も強く残っていたと思います。
 アマル監督が少しでも違うことをすれば疑問の声が上がったし、逆に批判の声が多かったアマル監督が退任して以降は「オシム監督と比べてはダメだ」という意見が強くなった。
 そういった経緯もあって、それ以降は良くも悪くもオシム監督の影響力は小さくなっていたように思います。



 ジェフに監督交代が多いのは、単純に良い監督を呼べていないという点も大きいと思います。
 江尻監督は新人監督だったし、ミラー監督、ドワイト監督、木山監督などは最終的に選手からの信頼を失っていたという話もあります。
 しかし、それ以上にチームとしてビジョンがないこと、基盤が作れていないことが問題ではないかと思います。
 その上で早期の結果を求めるために、運営が混乱しているところもあるのではないでしょうか。


 オシム監督時代も、ちょうどジェフユースの黄金期が花開いたころでした。
 それをしっかりとものにしてタイトルにまで導いたのはオシム監督の手腕でしょうが、そのベースを築き上げたのはそれまでのチームの力だったと思います。
 ただ、鈴木監督にブーイングが出ていたように、やたらと監督への目が厳しい時期があるのは、オシム監督の影響が残っている可能性もそれなりにあるのかもしれません。
 とはいえ、"オシム"という単語を目にすることもほとんどなくなりましたし、最近はもっぱら私のような古いサポを煽る時に使うことの方が多いのではないかなと思います(笑)
2、思い出に残る選手は誰?
巻誠一郎阿部勇樹

 基本的には特別に好きな選手はいませんが、思い出に残る選手ということで巻と阿部にします。
 阿部に関しては、先ほども話したジェフユース黄金世代のエースといった印象です。
 ジェフは90年代後半、成績不振で残留争いをしていました。
 その中でも当時のサポ仲間と、「阿部や佐藤兄弟などユースの子たちが上がってくれば強くなるから今は我慢しよう」と話していたことを覚えています。


 それが実際に成功して、ナビスコ2連覇に繋がっていきます。
 ジェフ後期の阿部は獅子奮迅の活躍を見せ、攻守にゲームを作るだけでなく得点まで奪って1人で試合を決めていたこともありました。
 周りの選手も決してレベルが低いわけでもないにもかかわらず、阿部は1人抜けていた印象です。



 巻はW杯にも選出され知名度を高めていきますが、正直当時は巻よりも阿部の方がチームの柱として重要な存在だったと思います。
 しかし、阿部は浦和に移籍。
 そして、巻は他選手が大量流出する中でも、ジェフに残ってくれた。
 その後、ロシアに移籍することになりますが、それも巻が望んだことではないのではないかという話もありました。
 プレー以上にそういった姿勢に関して、強く感銘を受けた選手でもあります。


 実際、熊本の地震においては、ピッチの外でも活躍しています。
 自身も被災を受ける中、被災地を回って物資を届けるだけでなく、サッカー教室や他クラブの選手のサポート役にも回っているそうです。
 サッカー選手として以上に、人として素晴らしい人間であることが改めて伝わってきましたし、こういう時ではありますが応援してきてよかったと思っています。

 
 特定の選手以外で言うと、以前は運動量が豊富で小回りの利く選手が好きでしたが、最近では賢い選手が好みになっているのかもしれません。
 阿部や巻もサッカーに関しては、非常に賢いプレーヤーだと思います。
3、京都から一人獲得するなら誰が欲しい?
−本命ダニエル・ロビーニョ、対抗イ・ヨンジュ、大穴で石櫃

 関塚監督のチームに組み込むならという前提で考えると、現在のジェフは前線のパワー不足と得点力不足が1つの課題となっています。
 ダニエル・ロビーニョは馬力があって前への推進力があり、ドリブルでの突破やキープも出来る選手。
 個人の打開力にかかるところが大きい現在のチーム状況を考え、そこからの得点にも期待したいところです。
 また、イ・ヨンジェは高さもあって前へも持ち込める選手ということで、ロングボールやクロスのターゲットとして期待できるのではないでしょうか。
 実用性という意味では、イ・ヨンジェの方が期待できるのかもしれません。


 ただ、FW補強となれば船山の相方になるCFが第一候補となるでしょうが、関塚監督はオールマイティなCFを好む印象があります。
 足元でのシンプルなポストプレーや守備や高さなど、CFへ求めるものは多岐にわたります。
 そのためケンペスやアン・ビョンジュンより、森本や吉田、エウトンといった様々な仕事をこなせるCFが求められたのだと思います。
 それによって得点力や前への強さに特化したFWを、使えない状況になっているのではないかとも思います。
 しかし、FWを補強した場合は途中投入で計算しやすい部分もあるので、そういった点も込みで2人をあげました。


 大穴として考えたのが石櫃。
 こちらは右サイドからの攻撃がもう1つと言うことで、石櫃からのチャンスメイクを期待して。
 特に今年は両SBの攻撃参加が控えめなので、アーリークロスも狙える石櫃が入れば攻撃面でのメリットは大きそう。


 ただ、関塚監督は川崎時代から、片方のSBにCBもこなせる選手を置くのがセオリー。
 京都でもうまく左SB本多がバランスを取っている印象もありますし、守備やサイズ面が心配かもしれません。
 でも、それくらいの大きな変化を期待しないと、今のジェフは改善が難しいかな…とも思います。


 位置からチームを作るということを考えると、山瀬や菅野も頼りになる選手ですね。
 健太郎もC大阪戦で攻守に効いていたと思います。
4、 これまでの京都戦で印象に残っていることは何ですか?
−2002年最終節(2-3)、2006年第15節(2-0)、2007年第12節(1-0)、2014年第18節(3-0)

 京都に関しては正直90年代後半はあまり印象がなく、印象に残っているのはやはり2000年代前半の黒部、松井、朴の頃から。
 特に2002年最終戦は2-3で敗れていて、この3人に1点ずつ決められています。
 この年のジェフは終盤に結果を残していて、来年も期待できそうと思っていたのですが、最後に敗れてしまった。
 このあたりの詰めの甘さがジェフらしく、逆に京都に勢いを感じました。


 その後ベングロシュ監督が退任し、もう次に良い指導者は来ないだろうと思っていたのですがオシム監督が就任。
 逆に勢いを感じた京都は、翌年J2に降格してしまうのだからわからないですね。
 ちなみに、この試合での2得点はチェ・ヨンスで後に京都に移籍し、黒部は後にジェフに加入しています。


 続いて、へー様も上げていた2006年第15節の試合。
 巻のループとヘッドで、2-0で勝利した試合で、アマル監督が就任してリーグ戦3試合目でした。
 この年のJ1は4-5-1が増えてシーズン前半を指揮したオシム監督は相手のトップの数にDFラインを合わせるやり方だったので、2バックが多くなっていました。
 しかし、アマル監督は阿部をCBとして起用した3バックを採用。
 また、前半戦ではどちらかが負傷することが多かったハースとクルプニが同時に復帰し、この試合でも1ボランチの3-5-2だったと記憶しています。


 2バックはサポの間でも批判の声が少なくなく、より安定感のある3バック採用だったはずです。
 しかし、実際には"オシム監督と違う"といった理由で、違和感を持って受け取られてしまっていた印象でした。
 このあたりから、すでにアマル監督への不満の声が出ていたように感じ、翌年には試合前からブーイングが出るような状況になってしまいます。
 そして、2007年末にアマル監督が解任され、大量流出へとつながっていきます。


 翌2007年のジェフは11試合勝ち星なしでスタートし、クゼ監督が解任されます。
 大量流出があったから仕方がないという意見もあり、確かにそういった面もあったとは思いますが、第12節の京都戦から澤入監督代行が指揮を執ると2連勝。
 クゼ監督は頻繁に選手とシステムを変え、ベースがない状況のチームにおいては厳しい展開でした。
 しかし、澤入監督代行が指揮を執り、斉藤大輔をボランチに起用しシンプルな4-4-2にして守備のベースを構築すると状況は改善され、そこからの残留劇に繋がります。
 なお、澤入さんは現在富山のGMで、クゼ監督は2013年に亡くなられています。
 改めてご冥福をお祈りいたします。


 最後は記憶に新しい2014年第18節。
 当時の京都はバドゥ監督で、うまくいっていない状況でしたが3-0で快勝。
 ケンペスと兵働のゴールで勝利した試合で、相手に押し込まれた状況でもしっかり凌いでの完封勝利でした。
 続く北九州戦は0-1で敗戦しましたが、内容は悪くなかったと思います。
 この3-0での勝利もあったのでこれからかと思っていたのですが、そこで鈴木監督は解任。
 関塚監督が就任することになります。



 こうやって振り返ってみると、意外と節目での試合が多いようにも思います。
 明日の試合も何かの節目になるのでしょうか。 
 お互いに良い方向に進む節目となればいいのですが。
5、どうやったら桐谷美玲さんがサポーターになってくれますか?
−そのうちいい人が現れるよ

 慰めるように。
 私もフクアリ初期にモデルのようなスタイルでミニスカートを履いたきれいな女性を見たことがあるので、あれが桐谷さんだったのかもしれません。
 フクアリが出来て新しいスタジアムを得て、より都心部に近くなっておしゃれな人が増えたから…という話なら分かりやすいのですが、桐谷さんは臨海時代にも観戦経験があるとか。
 ご家族もジェフサポだという話ですし、ご家族の影響でサポになったパターンなのかもしれませんね。
 現在G大阪の米倉もそうでしたが、親子二代にわたってサポーターという話を聞くと、歴史を感じます。
 

 ジェフを応援している芸能人となると、古くは寺田農さん、山寺宏一さん、小島瑠璃子さんなどが有名だと思います。
 寺田さんは古河時代からサポーターだったはずで、現場でジェフグッズを身に付けていたというエピソードもあります。
 山寺さんと小島さんと12年の昇格プレーオフに来てくれていたとか。
 山寺さんの場合はラジオの応援番組がきっかけだったはずですが、番組が終わっても応援してくれるというのはありがたい話です。
 先日降板されたおはスタでも、巻のW杯メンバー入りが決まった時に「巻おめでとう!」と叫んでくれました。


 サポではないですが、ジェフ下部組織出身者には著名な歌手や建築家、カリスマ美容師などになられた方もいるとか。
 地道にやっていけば、こういったことも起こりうるということかもしえませんね。
6、関塚さんのメガネ割りたい?
−私もメガネなのでダメ!絶対!

 「関塚監督のめがね割りたい」というネタは、五輪チームで本番まで不甲斐ない試合が多く、一般的にはその頃が有名でしょうか。
 しかし、古いジェフサポにとっては川崎時代に荒れた試合が多かったので、その頃の方が印象が強いかもしれません。
 特に荒れたのは2006年ナビスコ杯準々決勝で、今でも印象深く残っているサポは多いと思います。


 当時の川崎はやんちゃな印象が強く、ジェフ戦以外でもそういった試合は多かったと思います。
 昨年序盤のジェフはフィジカル要素が強く激しい試合が多かったので、関塚監督時代の川崎を思い出したこともあります。
 ただ、その激しさも序盤だけで終わってしまいましたが。



 関塚監督の印象は、今週もこちらで話した通り。
 以前からの印象と変わらず、基本的には選手を並べるタイプで、コツコツとチームを作るタイプではないと思います。
 就任後に印象が感じた部分と言えば、思ったよりFWの前への勢いを活かすような監督ではなく、パスを繋ぐような部分も求めるところ。


 しかし、先日も話しましたが、結果的にチーム作りに"志"を感じず強みのないチームになりがちな印象です。
 祖母井GMが日本人指導者は勉強熱心だけど、特徴のない同じようなチームになってしまうと話していたはずですけど、まさにそのようなところがあるのかもしれません。
 強いて言えば、うまく配置がはまれば一時的に勢いをつけるのは得意な監督とも言えるのかもしれません。



 ただ、今監督を解任すればすべてが解決するとも思いません。
 個人的には今年もアランダや船山には可能性を感じますが、昨年の中村、キム、大岩、金井などの方がスケール感は大きかったようにも思います。
 今年の戦力は関塚監督好みで選んだ選手が多いのかもしれませんが、それによってチームの幅は狭まった印象もあります。


 そういった状況で次にバトンタッチしても、大きく変わるかどうか。
 変えるのであればすぐに結果を求めるのではなくて、長期的な視野で来年以降も考えた監督交代でなければ、また同じことを繰り返しかねないのかもしれません。
 オフに社長やGMが代わったジェフですが、新たなビジョンはまだ提示できていないと思っています。
 今のところ監督だけでなくフロントにも"特徴"や"志"を感じませんし、長期的な視野で話をするのであればまずはそこから…となってくるように思います。



 長くなってしまいましたが、こんな感じでよろしいでしょうか。
 質問の意図とは異なる答えもあるかもしれませんがご了承を。
 あと、千葉県と言えば落花生と思われるかもしれないけど、そんなことないですからね!
 魚介も有名だし、野菜や果物などの生産も盛んです。


 伊勢海老の漁獲量は三重県を上回り、21世紀梨は鳥取ではなく千葉県で生まれ、房州びわも非常に有名です。
 まず海鮮丼を食べて、梨とびわをデザートにして、落花生でしめれば完璧ですね。
 ぜひ千葉県へのご旅行をお待ちしております。