バタバタした展開で山口に2-4の敗戦

 何とか月曜に更新することが出来ました。
 ここから連戦でもあるし、今の時代はどんどん消化しないと後れを取ってしまう印象もあり、何より自分自身が試合を見たら出来るだけ早く感想を出し切ってところがあります。
 今回はなるべくスコアを見ずにいたのですが、スマホをいじっていたらついスコアを見てしまいました。
 簡単に様々な情報を入手できる便利な世の中ですが、そういった悩みもありますね。
 ようは使い方次第なのでしょうが。
■ミスもあって前半だけで3失点
 前節町田戦では終了間際に得点を決め、1-1で引き分けたジェフ。
 今節も同じスタメンで、ベンチ入りメンバーも変わらず。
 しかし、前半は船山の1トップで、2列目が右から吉田、長澤、井出となる布陣を取っていました。
 山口もスタメンは、前節徳島戦と同じ11人となりました。


 キックオフ直後、ジェフのチャンス。
 左サイドからのCKを長澤が蹴り、こぼれたところを船山が受けてフリーでシュートを放ちましたが、山口GK一森がセーブ。
 しかし、金沢はセットプレーからの失点が多く、ここでも後方で船山をフリーにしていました。



 立ち上がりは均衡状態。
 山口はショートパスで、ジェフの守備をはがして攻撃を組み立てる展開。
 ジェフはロングボールも織り交えながら、チャンスを狙っていく。


 11分には山口の攻撃
 山口が右サイド後方からパスをつないでいくと、ジェフは船山、井出、アランダ、富澤が同サイドに釣られてしまいます。
 すると中盤中央がぽっかり空いてそこにパスを通され、最後はFW中山が長めのミドルシュート
 しかし、GK佐藤の正面で終ります。



 13分、ジェフの決定機。
 左サイドからパスをつなぐも崩せずに一度戻して、右サイドの井出が仕掛けて早いタイミングでクロス。
 船山が頭で合わせますが、GK一森の正面。


 その直後、今度は山口の決定機。
 後方から左SB香川の縦パスを左SH星が落として、庄司が受けると駆け上がっていった香川に展開。
 そのまま素早く香川がクロスを上げると、中山がDFラインの裏を取ってトラップしますが、コントロールしきれず。
 しかし、完全にフリーな状況でした。



 20分、ジェフにアクシデント。
 アランダが足を痛めたとのことで、勇人に交代します。
 22分には山口の崩し。
 後方中央の三幸から縦パス。
 福満が中盤のワンタッチパスでダブルボランチをかわし、中山もワンタッチで繋ぐことで近藤も交わし、星がイの前で受けてドリブル。
 そのまま放ったシュートは、ゴール左隅を逸れます。


 試合が動いたのは25分。
 山口がCBユンから縦パス。
 中盤の島屋が落として右SB小池が受け中山が落とすと、ボランチの三幸が中盤で前を向きます。
 右サイドの小池に悠々と展開されると、クロスを上げられ大外の島屋がフリーに。
 そこで決められて0-1に。


 島屋の前方で左SH星が外から中央に入ったため、多々良が星に釣られて本来右SHの島屋が逆サイド大外に周りそこがフリーになってしまいました。
 状況からすれば最終ラインまで吉田が戻るか、多々良が星のマークを捨てて島屋を見るべきだったかもしれません。
 しかし、多々良は絞ることが基本となるため、あれが通常の動きとなるでしょう。
 そうなると吉田が最終ラインまで戻るのかとなりますが、そうなれば全体が押し込まれることになります。


 また島屋、小池、中山の3連続ワンタッチでパスをつながれたことでバイタルエリアを完全に攻略され、三幸が中盤の高い位置でフリーになっていた。
 それによって、自由にクロスを上げられ、島屋のマークも見失ったとも言えると思います。
 最後はクロスからの展開ではありますが、ワンタッチでのパスコースを遅らせられなかったことから、守備で後手に回ってしまいました。



 それでも28分には、ジェフが同点。
 後方でボールを奪った佐藤勇人が、大きく左サイドに展開。
 井出が長い距離を走って受けボールをキープして、走り込んできた富澤に繋ぐと富澤が思い切ってミドルシュート
 このシュートが決まって1-1になります。
 金沢戦を思い出すような富澤の豪快なシュートでした。


 しかし、32分に勿体ない形で失点します。
 ジェフのCKの展開から後方でパスをつないでいると、島屋に奪われてそのまま持ち込まれゴール。
 このシーンでは勇人が足を滑らせてボールを奪われますが、それよりも勇人に島屋のプレスが来ているにも関わらずパスを出した阿部のミスだったように思います。
 どちらにせよ、ベテラン2人の関係でこれをやられると苦しいですね。


 そこからのキックオフからの流れで、続けざまにゴールを奪われます。
 多々良が縦パスを奪われると、島屋が中盤でボールを受け、星が左サイドを飛び出して受けてセンタリング。
 これに対して中山が近藤と阿部の間を取って、足元で合わせて1-3に。
 得点直後の失点ということもあって、気持ちも切れていたのでしょうか。
 パスミスも残念ですが、裏を簡単にとられ過ぎていた印象もあります。



 そこからもジェフは元気のない状況が続き、38分にも山口の攻撃。
 右サイド高い位置からのスローインから、中山が落として星が受けてミドルシュート
 GK佐藤の正面でしたが、山口の攻撃は前の選手が落として、中盤の選手が受けるという関係性がはっきりしていました。
 このシーンでも、星のサポートが非常に早かったです。


 40分にも、山口の攻撃。
 島屋が中盤で拾って、福満が受けるとふわっとした裏へのボール。
 中山が裏を取りかけますが、最後はGK佐藤がセーブ。
■システムを変更するも反撃及ばず
 ジェフは反撃のきっかけをつかめず、1-3のまま後半へ。
 後半から吉田を前に上げて、4-4-2になっていました。
 しかし、後半早々にまたも失点してしまいます。


 右サイドの島屋からのクロスを完全にクリアできずにいると、中山が拾って中央へつなぎます。
 これを福満が足元で合わせてシュート。
 これが決まって、1-4にされてしまいます。


 失点を受けてジェフは50分、多々良に代えて町田を投入。
 阿部を含めたDF3枚で3バックに。
 船山を1トップに、長澤と町田を2シャドーにした3-6-1になりました。



 50分にはジェフの攻撃。
 長澤が粘って、町田が飛び出しシュートを放ちますが、大きく枠を逸れます。
 逆に53分には山口の攻撃。
 左サイドで香川がイを抜き去り、マイナスのクロスを星が受けてシュートを放ちますが、こちらも枠外。


 54分にも山口の攻撃。
 前方からのプレスで山口がボールを奪うと、福満がシュートを放ちますが、GK佐藤がセーブ。
 しかし、この時間帯、システムの変更によって、ジェフは後方でのパスワークに混乱が生じていたように思えます。


 60分にはジェフの井出が左サイドから仕掛けていってシュートを放ちますが、相手DFにあたって得点ならず。
 逆に61分には山口が右サイドからパスをつないでいくと、ジェフの守備陣が同サイドに寄って中央がぽっかりと空き、そこに展開されます。
 福満がそこで受けてシュートを放ちますが、枠には飛ばず。



 60分あたりから山口も動きが重くなっていった印象で、守備にスペースが出来始めていたように思います。
 ジェフは64分に選手交代。
 途中投入された勇人を下げて、エウトンを投入。
 エウトンと船山の2トップにして、町田をボランチに入りました。
 また右が井出、左が吉田に入れ替わりました。


 65分にはジェフの決定機。
 長澤が中盤で受けると、町田が後方から裏へ飛び出します。
 町田から船山にセンタリングが上がると、船山がシュートを放ちますが、GK一森がセーブ。


 67分にもジェフのチャンス。
 左サイドの裏を取った吉田から、ファーサイドへクロス。
 これを井出が足元で受けてシュートを放つものの、ゴール右隅を逸れました。



 68分には山口が1枚目の選手交代。
 島屋に代えて黒木を投入。
 そのまま右SHに入りました。


 74分には山口のチャンス。
 右サイドのCKでショートコーナーから、ニアにグラウンダーのクロス。
 これを福満が合わせると、バー直撃のシュートに。



 80分には山口が選手交代。
 福満を下げて、平林を起用。
 エウトンを投入した直後は勢いがあったジェフですが、70分あたりからは相手も対応に慣れたのか試合が落ち着いてしまいます。


 しかし、89分にジェフのゴールが生まれます。
 中盤でのボールの拾い合いから、船山がキープして縦パス。
 今度は長澤がキープしてそのままシュート。
 これは相手選手にあたって大きくバウンドしますが、GK一森と吉田が競る形で吉田が頭で合わせてゴール。
 吉田が良く競ったゴールとも言えますが、一森の中途半端な対応による失点だったと思います。


 後半アディショナルタイムには、山口が香川を下げジェフ下部組織出身の鳥養を投入。
 山口がそのまま4-2で逃げ切りました。
■山口のパスワークを止め切れず
 非常にバタバタとした試合でした。
 試合の流れで言えば、ミスからうまれた2失点目と、その直後の3失点目が大きかったようにも思います。
 また、アランダの負傷交代も痛手だったと思いますし、幾度かあったチャンスも決めきれませんでした。


 しかし、そういった面を跳ね返す力がなかったのもまた事実でしょう。
 結果的にシステム交代によって、さらに落ち着きのない試合になったような印象も受けました。
 変更後のシステムにも良さはあったとは思いますが、かといって課題解決への決定打でもなかったと思います。



 個人的にはやはり山口のパスワークを止められなかったことが、一番大きかったのではないかと思います。
 先日も話した通り、今年のJ2は4-4-2でカウンターのチームが多い。
 中位以下のチームだけでなく、C大阪、清水、あるいはジェフも、堅実というか保守的な監督が就任したため、良くも悪くもカウンターサッカーばかりになっているように思います。


 その中で今年のジェフは、素早く戻る守備でここまで大崩れすることなく戦えた。
 これによって後方のスペースを消すことができているわけで、カウンターのチーム対策としては適しているのではないかと思います。
 もしかしたら今年のJ2を戦う上では、理にかなった守備なのかもしれない。


 しかし、その分中盤のスペースが空きがちになる試合が多かった。 
 これまでのチームはそこをつくことが出来ないことが多かったですが、山口は中盤のスペースをうまく使ってパスワークを構築することでチャンスを作るチーム。
 この試合でのジェフは、そこを突かれて攻撃を作られることが多かった。



 選手がサイドに密集し過ぎて、コースを消し切れなかったり。
 全体的なラインが低い状況でボランチが低い位置から前に出て行って対応するため、そこからバイタルエリアを取られてしまったり。
 中盤を取られることが多いため、結果的にCBが前に出ていかなければならず、裏を取られてしまったり…。
 また、今年のジェフの最終ラインは開幕時からクロスに対する対応に課題があり、左右に揺さぶられてマークを失うシーンも多かったように思います。


 もちろんJ2で山口のようなパスサッカーが出来るチームが、他にどれほどいるのかは疑問です。
 致命的なミスはあったものの試合トータルで言えば、ここまでの試合と大きく変わらない出来だったようにも思えますし、相手のサッカーの違いによって苦戦した試合とも言えるかもしれません。
 様々な理由でバタバタしてしまったのも事実ですし、この一試合だけで大きく慌てるのも違うのかなと思います。



 ただ、チームというのは1つの綻びが生まれると、そこから崩れる可能性があるように思います。
 特に守備に関しては出来る限り穴を少なくして、全体をバランス良く管理したいところ。
 中盤が空いて遅れて埋めに行けば別のところが空くように、連鎖的に穴が増えていく可能性もあるでしょう。


 特に今季ここまでのジェフは攻撃より守備で戦ってきた印象が強いだけに、守備での不安要素はチーム全体に響く可能性があると思います。
 堅守のサッカーを貫き通すのであれば守備の穴を埋められるかどうかが、今後の大きな課題となるのではないでしょうか。
 ここから連戦ですし、この試合で大きく動揺しないように。
 荒れた試合をしてしまったあとなだけに、再びチームを引き締め直せるかが、次の試合での注目点となりますね。