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愛媛戦、折り返し前に今後の方針が見つかるか

JEF

 最近は4-4-2がトレンドとなっているのではないかという話をしてきて、実際にJ2でも増えてきていると思うのですが、今週末対戦する愛媛は数少ない3バックのチームです。
 サッカー界にトレンドというものがある理由は、それなりの経緯やメリットがあるからだと思います。
 先日も話した通り4×4だけではパスワークを止められず、パスの出所を抑える方法として有効であったり。
 攻撃時も引いて守ってカウンターとなると、ターゲットの増える2トップが効果的であったり。
 その時代に応じた戦術がトレンドとなっていくということなのかもしれません。


 また、単純に同じシステムの方が、がっぷり四つに組みやすいという点もあると思います。
 欧州では4バックが主流となっていた2000年代前半ですが、Jリーグは3バックが主流で「世界から遅れている」という意見が少なくありませんでした。
 しかし、国内では3バックがトレンドだったため、ミスマッチも起こらず問題なく実施することが出来ていた。
 日本でも2000年代中頃から一気に4バックが増えていくと、3バックのチームは苦労する面が増えていった印象です。


 あえてトレンドから外れたサッカーをするという考え方もあるでしょう。
 しかし、それをするにしても守備時はミスマッチを消して、逆に攻撃時はミスマッチを起こすような状態にしなければならない。
 どちらにせよトレンドをしっかり理解しなければならないわけで、だからオシム監督はよく「世界のトレンドを学べ」と話していたのでしょうね。
 もちろんトレンドを学ぶだけでなく、自分たちの強みを作り上げながら現在のサッカーに順応していかなければいけないのだと思いますが。



 現在の愛媛は3-4-3で戦っています。
 攻守の切り替えから素早いボール奪取を狙いつつ、リトリート時は後方の3×4で守るスタイル。
 2シャドーが開いて守る形ではありますが、出来るだけ前方の3人は攻め残る方針なのだろうと思います。


 攻撃時はプレスからのカウンターがメイン。
 3-4-3のメリットとしてトライアングルを作りやすいというところがあると思うのですが、愛媛も1トップの阪野を囮にしつつ2シャドーが前へ飛び込む狙いを持っていると思います。
 2シャドーに瀬沼を置いているところから考えても、シャドーに得点を期待しているのだと思います。



 遅攻時は後方やサイドの低い位置から積極的にロングボールを蹴り、前線の3人やウイングバックを裏へ走らせるスタイル。
 しかし、緻密なビルドアップは作れておらず、アバウトな攻撃になりがちな印象です。
 これが愛媛の大きな課題でしょう。


 実際、愛媛の総得点は13で、J2でダントツの最下位。
 昨年はダークホース的な立ち位置だったため相手に警戒されることも少なくカウンターで得点を奪えましたが、今年は追われる立場となって遅攻も求められ苦戦しているのではないでしょうか。
 相手に警戒され遅攻を求められて苦しむといった点は、ジェフでの木山監督も同様の傾向がありましたね。


 また昨年から木山監督が就任してアグレッシブなサッカーをしている愛媛ですが、ジェフでは兵働や山口智などを補強して低い重心で戦っていただけに意外な印象もあります。
 やはりジェフでは当初パスサッカーを目指していたけれど、そこまではパスワークを作れず苦戦していったということでしょうか。
 予算や戦力が豊富だったために目移りをして、軸が作れなかったという面も大きかったのだろうと思いますが。
 これは江尻監督にも近いものを感じ、若い監督によく見られる課題でもあるのかもしれません。



 しかし、現在のジェフも、徐々に方針に迷いが見え始めてきた印象です。
 特にここ数試合、プレスからのカウンターが効かない試合が増えて苦戦し始めたように思います。
 木山監督退任直後に関塚監督の噂が出た時にも話しましたが、やはり2人の監督は似ているところがあるように思います。


 気になるのは、関塚監督がプレスからのカウンターを自ら諦めかけているようにも感じるところ。
 エウトンが不在時に守備が得意ではないオナイウをスタメン起用したことからも、縦に推進力のある井出をスタメンから外していることからも推測できます。
 昨年もそうでしたが、関塚監督は戦術的にも選手起用においても、かなり見切りが早いところがあるように思います。



 確かに夏場に向かって、選手たちがプレスをかけ続けるというのは難しくなっているかもしれません。
 加えて東京V戦では、プレスからのカウンター対策を取られて苦労した印象もあります。
 だから、山本や長澤などを起用し低い位置からのビルドアップを期待し、オナイウの爆発力に期待したということなのでしょうか。


 昨年もハイプレスが効かなくなると、すぐに町田を起用して方針転換をしたように見えました。
 ようするに、"強みを活かそう・伸ばそう"という発想ではなく、"駄目なら次へ"という考えの方が強いのではないかと。
 選手に関しても、初年度は兵働や大塚を、昨年は谷澤を、今年は小池を…と、我慢して使うのではなく、積極的に次へと移りかえていく印象です。
 そうなってくると、どうしても膨大な物量が必要になってくるし、じっくりと育てるという点では期待しにくいのかなとも思います。



 戦術面においても引き出しが多いタイプではないでしょうから、頻繁に切り替えていくとどうしても手詰まりになってしまう不安が出てきます。
 今季は5月中頃からプレスが効き始めたことによって、守備の穴が消せていた面は大きかったと思います。
 攻撃に関してもハーフカウンターが機能していたから、遅攻時の課題が目立ちにくかったところがあるでしょう。
 昨年も開幕時のハイプレス時はうまく活きましたが、それ以降は次の手が繰り出せず苦労していきました。


 それだけに今季もプレスを諦め他のスタイルを目指していくということになると、次がうまくいくのか疑問が生まれます。
 もちろん気温が上がれば90分間のプレスは難しくなるでしょうが、山形戦のようにうまく引いて守る時間を作りながら、プレスを使い分けていけば継続は可能かもしれない。
 しかし、プレスに関しても、そこまでの自信はないということなのかもしれません。



 シーズン折り返し地点を前に、ジェフは今季の岐路に立っているのかもしれません。
 相手は現在は13位の愛媛で、ここ4試合の成績も1勝2敗1分と、あまり調子は良くありません。
 加えて相手は3バックということで、ミスマッチが起こりやすい。
 そうなれば、ここ数試合とは違った展開になりえるかもしれません。


 とはいえ、北九州戦後半のように、無策な放り込みが目立つ展開ではチームの将来は期待しにくい。
 勝敗ももちろん大事ではありますが、今後チームとしてどのように戦っていくのか。
 プレスを諦めるのか。
 諦めたとして、次にどんなスタイルを描いていくのか。
 個人的には、そのあたりが気になるところです。
 ここで何とか踏ん張ってほしいですね。