ジェフが浦項FWラザル獲得との報道も浦項は否定
先週16日、ジェフがKリーグの浦項FWラザル・ヴェセリノヴィッチをレンタルで獲得すると、韓国のメディアが報じていました。
8月で30歳になるセルビア人選手で、186cmの長身FWとのこと。
しかし、動画などで見ると強力なヘディンガーといった印象はなく、足元の技術があるテクニカルなタイプに見えました。
Wikipediaによると多くのセルビアクラブを渡り歩いているようですが、目立った実績はあまりないのかなと思います。
今回のニュースを報じた中央日報によると昨年浦項に加入したラザルですが、昨シーズンは16試合無得点。
今年は7試合に出場し、5月8日のFCソウル戦でようやく浦項での初ゴールを上げたそうです。
先週の段階で「来週日本に渡り28日からチームに合流する見込み」とかなり具体的な情報が書かれており、浦項は新たな外国人選手も補強したとのこと。
しかし、こちらの韓国メディアによると、浦項関係者は報道を否定。
ACLで浦和と対戦した際にいくつか日本のクラブがラザルに関心を示しており、その中にジェフがあったことは認めているようです。
けれども、現在もチームで練習しており、具体的な話はないと書かれているようです。
これが真実なのか発表前なので誤魔化しているだけなのかは、まだわからないですね。
実際にジェフが獲得するのか否かはわかりませんが、「興味を示していた」ということはジェフが補強ポイントとして考えている可能性はあるのかもしれません。
しかし、ジェフの現状を考えると、補強ポイント…というか、戦力的に厳しいのは後方ではないかと多います。
右SBは極端に絞ることが求められる難しいタスクではあるとはいえ攻守に目立った活躍は出来ていない印象ですし、左SBの阿部もスピードには課題があり体力面でも5月頃から失速。
CBもクロスへの対応や左右への揺さぶりなどに、不安があるように思います。
ただ、連携が求められ途中出場も少ない守備陣は、夏の補強が難しい。
昨年の富澤も加入直後にいきなり試合に出場したため、連携面で大いに苦しんでいました。
あの起用方法は、結果的に富澤の評価を下げることにも繋がったのではないでしょうか。
SBに関しては高橋峻希や山中、幸野のように、活きの良い若い日本人選手などの補強はありかもしれません。
しかし、右サイドには多々良、比嘉、大久保、北爪など人数はいるわけで、若い選手なら北爪を育てるべきではないかと思います。
また左SBには阿部がいるわけで、武者修行で良い左SBをジェフに出してくれるクラブはあまりいないかもしれません。
そう考えていくと、2列目やFWのアタッカーの方が補強はしやすいといった面はあるのでしょう。
途中出場から連携を深めていってもいいし、チーム作りという意味でも前の選手たちは比較的取り替えやすい。
スタメンとして活躍できなくても、スーパーサブとして計算できれば戦力的なプラスにつながる。
特に外国人選手の補強となればそれなりにお金も動くでしょうから、最低限は活躍してもらわなければ困ると思います。
今回は長身FWということですが、確かに今年のジェフは小柄な選手が多い。
それによって攻守にセットプレーで強さを発揮できていない印象ですし、クロスからヘディングでゴールといった場面も少ない。
Wikipediaの韓国ページによると浦項ではCFですが、浦項の前に所属したヴォイヴォディナではCFだけでなくウイングでもプレーしていたそうですので、ペチュニクに近い動きも期待できるのかもしれません。
しかし、昨日も話したように、5月からのジェフは前からのプレスとハーフカウンターで形を作ってきた。
それだけに、長身のテクニカルなFWがはまるのかといった点には、不安が残るところではないでしょうか。
あくまでも動画を見る限りではありますが、スピードやアジリティがあるタイプには見えないし、そもそも東欧の長身FWにそのあたりを求めてるのか…といった疑問があります。
全体のバランスを見れば高さも欲しいところなのかもしれませんが、「足りないものを埋める」という発想ばかりでは、チームの強みを作るのは難しいと思います。
関塚監督は就任当初に自身が早い展開を狙っていくと「もっとパスを繋げるようにならないと」と話したり、最近では早い時間にパワー不足で町田を下げたりと、平均的なチームを目指しがちな印象を受けます。
それぞれ間違った分析ではないのかもしれませんが、それによってチームの大事な特徴を失ってしまっては方向性を見失いかねないと思います。
重要なのは、どのようなチームを目指していくのか。
夏場になってプレスをかけ続けるのも難しくなってくるかもしれないし、補強の動きも出てくるかもしれない。
特にシーズン中の補強は、チームの幅を広げることよりもピンポイントで必要な選手を獲得したいところではないでしょうか。
そのためにも、まずは「ここだけはぶれずにやりきる」といった方針を打ち立てなければいけない。
そこが確立されなければ、チームとしての成長も積み重ねも難しいように思います。