山形を相手にシュート7本で3-0の快勝
ジェフとしては今年ここまでにおける、ベストゲームだったのではないでしょうか。
山形に元気がなかった印象もありましたが、それを差し引いてもジェフは伸び伸びとプレーできていたと思います。
これで山形に一昨年の借りを返した…と言いたいところですが、それに関しては昇格を果たした時に言いたいところですね。
■ジェフが早い時間に2ゴール
ジェフは近藤がベンチ外で、大久保がCBとしてスタメン。
町田がベンチに回って前節不在だった井出がスタメンとなり、オナイウがメンバーから外れています。
この日は山本がボランチで、2列目に右から井出、長澤、船山が入りました。
対する山形は、サブも含めて前節と同じメンバー。
石崎監督はチームをじっくり熟成させていくスタイルだと思うので、なるべくメンバーは変えない方針なのかもしれません。
ただ、この試合に関しては連戦の影響もあってか、試合を通じて山形の選手たちの動きが重かった印象でした。
立ち上がり、両チーム共に前からチェックに激しくいく展開。
ジェフはそこから縦に、素早く仕掛けていく形。
山形はじっくり繋いで、攻撃を狙っていく形。
中盤のプレスの掛け合いから、一進一退の展開となっていきます。
6分には山形がカウンターで、汰木から伊東へつないでミドルシュート。
11分にも山形が中盤で奪って、ディエゴがミドルシュート。
どちらも決まりませんでしたが、山形は積極的にシュートを打っていきました。
しかし、先制したのはジェフ。
12分、高い位置でエウトンが、アルセウにプレス。
中盤のスペースにボールがこぼれて、井出が拾いそのまま持ち上がると、最後はエウトンが足元で受けてゴール。
この試合でも早い時間に、高い位置でのプレスからゴールが生まれました。
アルセウは立ち上りから狭いエリアでボールを捌きたがっていましたが、ジェフは前からボールを奪う形を狙っていた。
このシーンでのアルセウの判断は、軽率だったと思います。
続いて20分、阿部が大外から長い距離のクロス。
エウトンが競り合うと、高く上がったこぼれ球を自ら拾ってダイレクトシュート。
難しい体勢でしたが、これを決めて2-0とリードします。
このプレーの前に肩を痛めていたエウトンですが、ここでは1人でゴールを決めたような展開でした。
対面した田代は12分にも井出に釣られて、この場面でもクロスを跳ね返し切れなかったですね。
2点が動いて山形が、裏へのボールを増やしていきました。
ジェフのラインを下げることと、プレスを避けてのことではないかと思います。
一方のジェフも、2得点目以降はシュートにいけない時間帯に。
前節も2点目を先に取りながらそこから2失点をしているため、2点を取って守備を重視していったのでしょうか。
40分には、山形が決定的なチャンス。
山形が右サイドでのパスワークから、伊東がスルスルと中に入っていきゴール前へパス。
これを汰木が受けて持ち込みシュートを放つも、バー直撃で終わります。
■町田の追加点もあり3-0の勝利
後半に入ってからも、ジェフの選手たちの動きが良く縦への勢いを感じる展開。
山形の選手たちは運動量が上がらず、パスミスも多かったように思います。
55分、山形の攻撃。
右サイドから長めのFK。
伊東が蹴ってアルセウがヘディングが合わせますが、GK佐藤が正面でキャッチ。
ジェフは徐々に間延びしていって、山形に攻め込まれる展開が増えていきます。
57分、ジェフは山本を下げて町田を投入し、長澤をボランチに下げました。
町田を投入し、前からのプレスを強めようという狙いだったのではないでしょうか。
65分には山形が選手交代。
伊東に代えて大黒を投入。
大黒が前線に入り、ディエゴが右SHに回りました。
70分、ジェフが2枚目のカード。
エウトンに代えて、吉田を起用。
71分には山形が汰木に代えて、佐藤優平を投入します。
パスワークで崩しを狙う山形と、カウンターで追加点を目指すジェフ。
しかし、山形はパスで崩そうという意図は感じるのですが、前半から大事なパスがずれることが多くジェフを崩し切れなかった。
大黒が入った以降もうまく大黒を活かせず、後半途中からはお互いにシュートシーンの少ない展開でした。
77分には山形が林に代えて、ディエコ・ローザを起用します。
ジェフもチャンスは少なかったですが、79分に追加点。
左サイドでのスローインから、町田がワンタッチで後方の吉田にパス。
吉田が左サイドにパスを出し、船山が裏に飛び出しクロス。
ファーサイドにうまくポジショニングした町田がフリーになって、ダイレクトシュート。
これを決め3-0にします。
85分、ジェフの選手交代。
阿部に代わって乾を投入。
乾は公式戦初出場となりました。
ここ最近の阿部は疲れも見えていたので、休ませたということでしょうか。
その後もジェフの選手たちが積極的にチェックに行き、試合をリードする展開。
後半アディショナルタイムにも、乾からのクロスに吉田が合わせるも決めきれず。
そのまま3-0で、ジェフの勝利となりました。
■ジェフはシュート7本で3ゴール
ジェフはシュート数7本で3点を上げる、効率の良い攻撃となりました。
一方で山形は13本を打ちながらも、枠内シュートは1本のみで無得点。
山形は強引にミドルシュートを打つ展開が目立ち、ジェフとしては助かったシーンも多かったと思います。
中央をパスで崩す意図は感じたのですが、あのサッカーをやるなら淡白な攻撃をしていては厳しいのではないでしょうか。
前節札幌戦でも話したように、ジェフは早い時間帯に前からのプレスでゴールを奪う展開をうまく作れるようになったと思います。
選手たちが動けており、攻守の切り替えが早い。
セカンドボールも拾えるので、中盤で優位に持ち込めることが出来ているように思います。
まだ1試合ではありますが、この試合を見ると大久保が入った方がラインを上げやすいというところもあるのでしょうか。
特にエウトンが今季序盤から見せていた強さを攻守に活用できるようになり、ゴールも奪えるようになったのは大きいと思います。
1点目もエウトンがボールを奪ったところから、受け直してゴール。
2点目もエウトンが阿部からのクロスに競り合って、高く上がったボールを自ら拾ってゴール。
2得点ともゴールだけでなく、シュートまでの展開にもエウトンの強さを発揮していることになります。
中盤ではアランダがバランスを取りながら攻守に貢献。
アランダは負傷前よりも運動量が増え、積極的なプレーも増した印象です。
外国人選手2人が日本のサッカーにも慣れ、前線と中盤の中央で存在感を見せ始めたことによって、良い流れになりつつあるようにも思います。
しかし、それでもシュート数は7本のみ。
前半得点後にあった後方でボールを持つ展開では良い攻撃を作れていませんでしたし、遅攻時のビルドアップに関する課題は起きく変わっていないのではないかと思います。
そのため、シュート数自体は少ない結果となった。
けれど、先制してからも守備でしっかりと粘ることが出来たことが、この試合での大きな変化だったと思います。
先にリードして無失点で進めば、相手も焦って前に出てくるようになる。
実際、後半途中からは相手が前に出て戻りも遅くなったことにより、何度か攻撃を作れるようになっていきました。
山形が攻撃に焦る意識も強まったこともあって、追加点も生まれたのではないでしょうか。
効率の良い攻撃となった要因は、守備にもあるように思います。
2点を先に取って守備に重点を置きすぎる展開も心配しましたが、しっかり前から守備に行くことで大きく押し込まれることもありませんでした。
山形はこのところ得点力不足に課題が見られ、この試合でもラストプレーの質は大きな課題だったように思います。
攻守において、運動量やキレももう1つでしたね。
とはいえ、ジェフはこの試合のような内容が続けば、もっと勝点を稼いでいけるのではないでしょうか。
これを長く続けていけるかどうか。
そして、ハーフカウンター対策を取られた時にどう対処するかが、今後のテーマとなっていくのでしょうか。