開幕から約2か月、今年のジェフの特徴を振り返る
熊本での震災の影響が心配で、遠い関東地方で日常生活を送っていてもつい気になってしまいます。
熊本所属の巻は震災支援のために知人の伝手を使って、福岡で物資を集めて被災地に届けたり、募金を集めたりといった活動を行っているようです。
日刊によると巻自身もトラックにに乗り込んで、直接物資の運搬を行っているようです。
ジェフもクラブとして支援物資を送ったそうですが、それとは別に20日、21日には一般から支援物資を募集し福岡に送ったそうです。
これも巻ルートで被災地に送られるそうですが、BLOGOLAによると大津校出身のGK藤嶋が先輩にあたる巻と直接連絡を取って実現したそうです。
ジェフの選手たちも頑張っていますね。
巻による支援活動の詳細は、今回開設されたHP『YOUR ACTION KUMAMOTO』にて。
このサイトでは義援金を送ることが出来るだけでなく、現在被災地で必要な支援物資をAmazonリストから選んで、そのまま被災地に送ってもらえるシステムが出来あがっています。
被災地からの要望が直接わかる形になっているはずですし、何を送ればいいのか迷っている方もこれを利用すれば迷うことなく支援することが出来ますね。
巻は自身が運営するフットサルセンターで無償でシューズなどを貸し出し、施設の無料開放も行っているそうです。
また多くのメディアで取り上げられている通り、巻らロアッソの選手たちは子供たちを集めてサッカー教室を開いているようです。
JFAのサイトによると、巻は「多くの人がストレスを抱える中で、自分たちのできるサッカーで少しでも絵がをの時間を長く作りたい」と話しています。
以前から話してきましたが、「サッカーで貢献する」、「サッカーで恩返しする」ということが、サッカークラブや選手にとってとても重要なことだと思います。
それをこの緊急時にもしっかりと実現して、周りに希望を与えてるというのは素晴らしいことだと思います。
巻だけに限ったことではないですが、自身も被災に合いながら熊本に残ってこれだけの支援活動をしているというのは胸を打たれる思いですね。
体に気を付けて、なんとか乗り越えてほしいと思います。
一方でロアッソに関しては、5月7日の札幌戦までの5試合の延期が決定しました。
このままいけば、アウェイでのジェフ戦が再開後の初戦となる方向で進んでいるようです。
無事ジェフ戦が実施できるかどうかはまだわかりませんが、1チームだけ延期となれば熊本だけがシーズン後半に過密日程となってしまうでしょうし、平日開催が増えれば経営面にも影響が出てしまうでしょう。
それを考えるといつまでも延期すればいいというわけにもいかないでしょうから、判断が難しい状況になっていきそうですね…。
試合の延期決定後、熊本の選手、スタッフや原Jリーグ副チェアマンなどの会見が行われました。
池田社長と原氏の会見では、開催延期とジェフ戦での再開を目指すに至った経緯が、詳しく説明されています。
また、巻のコメントからは現状への戸惑いと、今後にかける熱い思いも感じ取ることが出来ます。
サッカーに限らずどんな状況でも全力で戦い、周囲のために懸命に努力する巻の姿勢は、サッカー選手としてだけでなく、1人の人間として尊敬することが出来ますね。
だからこそ、今でも多くのジェフ関係者に愛されているのでしょう。
さて、話は変わって、今年のJ2も開幕から約2か月となりました。
今年のジェフの戦い方も、よりはっきりとしてきたと言っていいのではないでしょうか。
改めて今年の特徴を、まとめてみたいと思います。
守備に関しては、昨年途中からのやり方と基本的には変わっていないように思います。
攻撃から守備に移ったら、後方に素早く戻ってそこから守備をスタートする。
昨シーズン序盤のように高い位置からプレスをかけて、ボールを奪いに行くスタイルとは大きく異なると言えるでしょう。
個人的には昨年序盤のハイプレスは継続的に実施するには無理があるスタイルだったと思いますので、身の丈に合った守り方となった印象です。
開幕から1ヶ月もすると体力的な問題も出ていた印象でしたし、関塚監督のサッカーも基本的には引いて守るスタイルの方があっていると思います。
イ、近藤など今年のDFラインの選手やGK佐藤も、ラインを高く上げる守備より待ち構えて対応する方が得意なのではないかと思います。
その分前線の選手たちの守るエリアが広くなっている印象があり、現在は吉田などの運動量に助けられている部分があるようにも見えます。
また深く守るためボランチ前のエリアが空きがちな場面もあるので、そのあたりが今後どのように影響していくのか。
加えて全体のポジショニングがどうしても後方になりがちなので、その分攻撃面に移りにくいといった課題もあるように思います。
そこがロースコアの試合が多くなっている、1つの要因にもなっているのではないでしょうか。
攻撃面においては、船山の動き出しや仕掛けが軸となっている印象です。
船山個人のアイディアとキレで、チャンスを作ってゴールを狙う。
あるいは井出や小池のドリブルなどもポイントとなる場合もありますが、いずれにせよドリブラーによる前への仕掛けがカギとなっているように見えます。
長澤のタメやアーリークロスなどもありましたが、ここ最近は目立たなくなってきました。
それだけチームとしては、時間が経つにつれて船山の仕掛け中心となってきたところがあるのではないでしょうか。
その分、タイプは異なるものの同じく前に仕掛けられる井出が、目立ってきたのではないかとも思います。
後方に引いて高さのある選手が跳ね返し、前方のドリブラーが仕掛けてゴールを狙う。
これは過去に関塚監督が率いたチームの特徴と、かなり近いものがあります。
それだけ今年の選手構成は、関塚監督の意向に沿ったチームになっているとも言えるのでしょう。
大量に選手が流出して再構築したチーム事情を考えれば、関塚監督の好む選手が集まったのも当然とも言えるのかもしれません。
また、開幕から約2か月がたってよりそのサッカーが鮮明になってきたことは、それだけチームがまとまり始めているとも言えるのかもしれません。
しかし、一方でチーム全体としての幅や可能性は狭まっているように見えなくもなく、特に攻撃がワンパターンになりがちな印象も受けます。
そこが特に攻撃面の大きな課題と、言えるのではないでしょうか。
昨年もちょうど今頃、関塚監督が「攻撃のバリエーション不足」を話していました。
そして、そこから新たなバリエーションを作れず、低迷していったことになります。
今季も縦への仕掛けを止められ時にどうするのかが、今後の重要なテーマとなっていくのでしょうか。
今週末のジェフは、山口と対戦。
昨年J3を圧倒的な攻撃力で制した山口は、J2に昇格してからも自分達のスタイルを貫いている印象です。
特に注目は細かなパスワークからの崩しが特徴です。
1つのパスに数多くの選手が絡み、縦にパスを出して、落として、受けてといった動きを連続で素早く展開していき、相手を突破していく。
特に中央突破が特徴で前節対戦した徳島は山口対策として、3バック+1ボランチで中央を固めるほどでした。
ジェフもこのパスワークをどのように遮断するかが、守備のポイントとなるのではないでしょうか。
パスワークのカギを握るのが、10番を背負うボランチの庄司ではないかと思います。
庄司は選手大出身で、町田、長澤、栗山、北爪などとプレーし、ジェフ入りの噂もあった選手です。
状況に応じて庄司が縦にパスを出すところから、山口の攻撃がスタートしている印象です。
またジェフつながりでは、ユース出身の鳥養祐矢も在籍しています。
パスワークといった点ではJ2でも有数のレベルではないかと思う山口ですが、守備に関しては課題も多い印象です。
単純にサイズの面で不安があるため、1対1で苦戦することが多いように思います。
そのため特にセットプレーからの失点が、多い状況となっているようです。
4-4-2でコンパクトに戦いカウンターを狙うチームが増えているJ2の中で、4-5-1でパスサッカーを演じる山形は目立つ存在と言えると思います。
これも偶然ではなくJ2では多くのチームが上位チームに対して金星を狙うような形でリアクションサッカーを取っていますが、山口はJ3を勝ち抜くために攻撃的なパスサッカーを展開してきたということなのではないでしょうか。
ジェフとしてはそんな山口を相手に、どのように対策を取って攻略していくのか。
ジェフの対応力が問われる試合となるのかもしれませんね。
なお、次の更新は未定です。
遅ければ、火曜日の朝になるかもしれません。