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先制し試合をクローズして1-0の勝利

 4月に入って、徐々に気温も高まってきましたね。
 ここまでは勢い先行で戦ってこれたチームも、ここからは状況か少し変わってくるのかもしれません。
 気温が上がって運動量が落ちてくるチームも出てくるでしょうし、夏に向けていかに賢く戦えるかが要求されるようになっていくのでしょうか。


 ここ数戦は中盤で起用されてきた金沢のアンですが、ジェフ戦ではベンチからも外れてしまいました。
 他のメディアでもスタメン予想となっていましたし、直前に負傷してしまったのでしょうか。
 昨年ジェフに所属したアンのプレーは、純粋に楽しみにしていたところがあるので残念です。
 これだから試合のプレビューは難しい…とも感じるところですが、アンがいる状況をベースとしてそこから何が変わったかを考えていくのも試合の見方の1つですね。
■攻めあぐねる展開も前半終了間際に先制
 ジェフは事前の報道の通り、小池に代わって井出がスタメン出場。
 前節負傷交代となった山本に代わって富澤が、エウトンに代わって吉田がスタメン。
 ベンチには大久保が入りました。
 ここまで大きな怪我人の少ないジェフですが、大久保は開幕前から戦線を離脱していました。
 完全にコンディションが戻った状況で、どこまでやれるのか注目の選手ですね。


 金沢は先ほども話した通り、前節ゴールを決めているアンが欠場。
 代わりに、負傷していた辻尾がスタメンに復帰して右WBに。
 前節横浜FC戦で右WBだった古田が、インサイドに入りました。
 金沢はアンが不在で、1ボランチ気味のシンプルな3-5-2でしたね。



 12分、金沢のチャンス。
 CKを辻尾がけるとGK佐藤がパンチングしますが、大きくはじき出せず。
 金沢の選手のところに落ちてゴール前でシュートを放たれるも、ジェフの選手にあたって枠を逸れます。
 続くCKでもGKをめがけたボールになりますが、ここはGK佐藤がしっかりクリア。
 しかし、どのチームもGK佐藤を狙ったCKが多いですね。


 その直後には、ジェフの決定的なチャンス。
 GK佐藤からのロングボールからセカンドボールの対応で馬渡が足を滑らせたことにより、船山がフリーでボールを拾います。
 そのままシュートを放ちますが、バー直撃でゴールならず。



 序盤はパスミスも多く流れの良くなかったジェフですが、この場面から変わっていきます。
 金沢は前節もそうだったように、最終ラインのマークが怪しい。
 それを狙って立ち上がりは積極的に船山をめがけたボールをけっていきましたが、それによってミスが増えリズムが悪くなっていたところがあったと思います。


 しかし、このチャンスから、落ち着いてボールをつなげるようになっていきました。
 序盤こそ前からプレスに行けてラインも高く守れていた金沢ですが、ここからラインが下がっていったことも大きかったように思います。
 金沢はボールを奪った後のパスミスも、目立っていましたね。
 一方でジェフはこの時間から積極的に前へプレスをかけていき、金沢のビルドアップを防いでいました。



 18分にも、ジェフの決定機。
 中盤で奪ったところから、右サイドに流れた吉田、井出とつないでセンタリング。
 ゴール前でうまく船山がフリーになってシュートを放ちますが、ゴール左を逸れます。


 攻め込むジェフですが、この試合でもそこからなかなかシュートチャンスを作れず。
 30分には、セットプレーからジェフの攻撃。
 右サイドのCKを阿部がけると近藤が頭で合わせますが、GK原田がセーブ。



 流れからのチャンスが作れない時間が続くと、金沢の守備も落ち着きを取り戻していきます。
 中盤でもプレスに行けるようになり、全体のラインもある程度の位置でキープ。
 逆にジェフは、前からプレスに行けなくなっていきます。

 
 34分には、金沢のカウンター。
 中盤で奪ったところから、馬渡が左サイドを持ち上がります。
 素早く中央へクロスを上げると、古田がシュートを放ちますがGK佐藤の正面。



 金沢がボールを持つ機会も増え、このまま前半終了かと思われた44分。
 右サイドのアランダからのクロスは跳ね返さますが、長澤が拾ってシュート。
 これも長澤が拾いなおしてためを作り、富澤につなぐと豪快なミドルシュートが決まって1-0に。



 長澤の一瞬のキープと富澤の見事なシュートが目立った展開でしたが、金沢としてはシュートまでに何度も跳ね返すチャンスのあったと思います。
 攻撃のスタートとなった場面でも、GK佐藤のキックミスを先に拾ったのは金沢の選手でしたが、そこからアランダへプレゼントパス。
 アランダからの大きな展開を受けた井出のクロスも合わず、右サイドでも何度かクリアのチャンスがあったと思いますが、その度にジェフに拾われる展開でした。
 このあたりのイージーなミスが多いことが、勝利から遠い原因の1つなのでしょうか。
■追加点を奪えなかったものの1-0で勝利
 1点ビハインドとなった金沢は、前半よりも積極的に前に出ていきます。
 しかし、ジェフは落ち着いて対応すると、56分にはジェフの攻撃。
 アランダからの縦パスから井出、船山、吉田とつなぎ、最後は井出がシュートを放つもののGK原田の正面。


 流れを変えたい金沢は、58分に選手交代。
 辻尾に代わって星野を投入。
 古田が右WBに移り、星野が中盤に入りました。
 


 60分には、ジェフの決定機。
 右サイドの吉田からのパスを船山がスルー。
 井出が裏にパスを出して、船山が受けなおすとループシュートを放ちますが、枠をとらえきれず。
 

 63分にも、ジェフのカウンター。
 金沢のCKをしのいだところから、船山がキープして長澤へ。
 長澤のワンタッチから船山が受けなおして、井出が最後はシュートを放ちますが、GK正面に終わります。



 後半のジェフは、しっかり守ってカウンターという意識が強かったように思います。
 チャンスもあったので、これだけ決めきれないと嫌な流れになるかな…とも思ったのですが、金沢も攻撃に怖さがなく。
 前半同様に足元でのミスが多く、流れをつかみきれない印象でした。


 68分、金沢の攻撃。
 最終ラインからパスをつないでいき、星野がジェフのFW横のスペースでうまく受けてそこから縦パス。
 バイタルエリアで熊谷がキープして、水永の落としを受けた星野が左サイドへ展開。
 馬渡が受けてシュートを放つも、ジェフの選手にあたってしまいます。
 しかし、金沢らしい攻撃で、この時間帯のジェフは前からの守備に甘さが出ていました。



 この頃からジェフは攻め込む回数が減っていった印象で、金沢は星野が攻撃のアクセントになっていきました。
 72分には、金沢が2枚目のカード。
 古田が負傷交代し投入された玉城が中盤に入り、右SWに馬渡、左SWに大槻が移りました。


 75分、ジェフが選手交代。
 吉田が足を痛めたようで、オナイウが投入されます。
 77分には金沢の大槻が下がり、嶺岸が入ります。
 太田を1列前に上げて、4バックに変えていきました。



 80分には金沢のチャンス。
 GK原田からのロングボールを拾って、中央でショートパスをつないでから、左サイドに展開。
 山藤が素早くクロスを上げ、水永がうまくDFラインの間に入ってゴールを狙いますが、シュートは枠の外。


 85分、ジェフの選手交代。
 船山に代わって、町田を投入。
 オナイウと町田の前線のコンビになりました。



 後半アディショナルタイムは、金沢がCKからのチャンス。
 GK佐藤が飛び出すも触り切れず、水永がフリーでヘディングシュートを放つものの、枠に飛ばしきれず。
 続いて90分+2分にも金沢の攻撃。
 左サイドから山藤のクロスがシュート制のボールとなるも、何とかGK佐藤がクリア。
 最後は長澤に代えて優斗を投入し、ジェフが逃げ切っての勝利となりました。
■前線からのプレスで金沢の攻撃を遮断
 あれだけシュートシーンがあったのに、印象としてはすごく硬い試合だったように思います。
 両チームともにゴールの雰囲気をあまり感じず、結果的に決まった得点もPA外からのミドルシュートだったという点も大きいのでしょうか。


 しかし、今季のジェフは、基本的にこのパターンなのかなと思います。
 攻撃から守備に戻る意識が非常に強く、ロースコアで勝利を飾る。
 ただ、まだ堅守とまではいかないのかなとも思います。



 相手の攻撃から"守り切る"というよりは、相手のミスを待ち"試合をクローズする"といったほうが近いイメージでした。
 この試合でも後半残り20分あたりで1-0の状況にもかかわらず、攻撃の勢いが落ちた印象を受けました。
 「後方で引いて固める」というほどではないにしても攻撃参加の意識が低く、それだけ守備意識が高いのではないかと感じます。
 守備に力を入れた分、攻撃に移った後のパワーが足りなくなっている印象も受けます。


 この守備が強い相手にも通用するのならいいのでしょうが、前節C大阪戦の前半では何度もピンチを作られており、先に2点を失ってしまいました。
 基本的に相手のミスを待つような守備なので、相手の強さによって状況が大きく変わってしまうところがあるのではないでしょうか。
 そのため、すっきりとした勝利とは感じないのかもしれません。
 ただ、C大阪以外はどのチームも不甲斐ない印象を受けるので、ジェフとしては今が勝ち点を稼ぐチャンスなのかもしれませんが。



 金沢はパスミスが多く、自滅といった印象も強かったように思います。
 攻撃の狙いははっきりしているのに、そこへのパスがつながらないことが多い。
 個々の能力の問題も大きいのでしょうが、勝利が遠いため自信を失っているのかなと感じる部分もありました。
 守備でもマークが曖昧なところが多かった印象です。


 また、ジェフの前線からプレスが効いていたのも大きかったと思います。
 ここ2試合の金沢は3バックにして、太田を中心にDFからパスをつないで攻撃を作っていった。
 そこから相手を追い込んでいきましたが、ジェフはそこを狙って2トップとSHの一枚で3バックにプレスをかけていった。
 この試合で吉田がスタメンに復帰したのも、前からのプレスを重視した表れでしょう。



 逆に前からプレスをかけられない時間帯には、ピンチを作られていた。
 それが前半30分以降や、68分の金沢の攻撃シーンでした。
 このあたり構図ははっきりしていて、ジェフからすると前からプレスにいけている時はいいものの、いけない時の守備に不安を感じた試合でもありました。
 特に夏場は90分間相手DFにプレスをかけ続けるのは難しくなってくるでしょうし、今後の課題となるのかもしれません。
 この試合で前方の3人が途中交代となったのも、それだけ前方の選手の負担が大きかったのでしょう。


 加えて、金沢の攻撃のファーストターゲットは、相手のバイタルエリア
 しかし、この日のジェフは山本の怪我で、富澤がスタメンだった。
 結果的に守備力の高い富澤とアランダのコンビになったことによって、金沢の攻撃を防げたといった面も大きかったと思います。



 金沢としては相手が前からプレスにきてショートパスをつなげなければ、アンの頭をめがけてロングボールをけるという選択肢もあったはずですが、そのアンが不在だったことも響いたのではないでしょうか。
 また、攻撃面でもアンがいないことによって、クロスのターゲットが不在だった。
 水永も空中戦が得意な選手ではあると思いますが、身長は180cmで絶対的な強さがあるタイプではないと思います。


 特に金沢は後半序盤、右サイドからクロスを上げる展開がいくつか作れていました。
 しかし、ルックアップしても、ニアに水永がいてファーのスペースが空いたにもかかわらず、そこにターゲットがいなかった。
 前節はそのパターンでアンがゴールを決めていただけに、不在の影響は小さくなかったように思います。



 これでジェフは3試合ぶりの勝利。
 金沢は攻撃に課題もあって危なげない勝ち星ではあったものの、試合終盤にはヒヤッとしたシーンもあり完勝とまではいかなかったのかなとも思います。
 とはいえ、このまま勝ち続ければ、堅いサッカーで勝つスタイルを確立できる可能性もあるかもしれない。
 ここまでのところ下位チームには勝てていて、順位が上のチームには勝てないとはっきりしているので、上位チーム相手にも通用するサッカーが作れるかどうかが重要ではないでしょうか。