読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

金沢の3-3-2-2 鍵を握るのはアン・ビョンジュン

 ここ2試合、勝ち星から遠ざかっているジェフ。
 明日はホーム・フクアリで、金沢を迎え撃ちます。
 金沢は今季まだ未勝利で、21位と大きく出遅れています。


 昨シーズン前半の金沢はJ2昇格1年目にも関わらず快進撃を見せ、一時は首位にも立ちました。
 しかし、シーズン折り返し地点から成績が下降。
 結局、J2での1年目は12位で終えました。



 昨年前半の金沢を支えたのは、堅い守備だったと思います。
 サイドにボールを追いやってからかっちりとはめこむ組織守備が特徴的で、そこからカウンターを仕掛けていく。
 うまく2列目の選手を仕掛けさせる攻撃も印象的でした。
 

 しかし、シーズン中頃から、他チームの金沢対策も厳しくなっていった。
 サイドに追いやられる前にロングボールを使って、金沢のプレスを回避する。
 それによって金沢の守備陣はサイドではめこむことが出来なくなり、後方中央に押し込まれる試合が増えて苦戦していったのではないかと思います。



 1年目のシーズンを終えてオフを挟めば、フレッシュな状態に戻り守備も改善されるのではないか…とも思っていたのですが、2年目の序盤も苦しい状況が続いています。
 ここまで6試合での失点10は徳島と並んで最多タイと、昨年前半は強みとしていた守備面で脆さが出ている印象です。
 成績もここまで、0勝2分4敗となっています。


 そこで金沢は前々節のC大阪戦から、3-3-2-2のようなシステムに変更してきました。
 正確に言えば、守備時は5-3-2。
 攻撃時は3-4-3となる、変則的な可変システムと言えるのではないでしょうか。



 そのシステムの鍵を握るのが、昨年ジェフでプレーしたアン・ビョンジュンではないかと思います。
 攻撃時は3トップの左FWのようなポジションでプレー。
 そして、守備時には中盤まで降りてきて、左インサイドハーフとも左ボランチともいえるポジショニングをする。


 ポジションからすれば中盤や2列目の選手と言えるのでしょうが、仕事に関しては言えばMF的な印象はあまり受けないように思います。
 攻撃時は前線まで出ていってターゲットになることが多く、守備でもDFラインの前で跳ね返す仕事をこなす。
 もちろん2列目で受けて足元でさばいたり、守備で地上戦も受け持つことになりますが、攻守にパワーを活かしたプレーが多い印象です。



 また、前々節C大阪戦では玉城が、前節横浜FC戦では熊谷が、前線で起用されていることも特徴的です。
 玉城と熊谷は本来、中盤の選手。
 結果的に中盤の選手が前線でプレーし、FWであるアンが中盤の位置でプレーしていることになります。


 実際、玉城や熊谷が、前線で足元でボールを持ってキープをする。
 あるいは高い位置でチャンスメイクをする、といったプレーが目立っているように思います。
 また、アンのようにフィジカルが強く動ける選手の方が、球際に強く守備でも効果的なのかもしれません。


 アンの負担が大きくなるようにも思いますが、そこさえクリアできれば成立するのかもしれません。
 なお、アンは前節横浜FCで今季初ゴールを決めています。
 高さやフィジカルの強さはC大阪戦でも通用しているように見えましたし、しっかりと警戒しなければいけない相手ですね。



 ただ、システムを変えたここ2試合も、2戦連続で2失点。
 C大阪戦は2-2で引き分け、横浜FC戦は1-2で敗れています。
 まだまだ改善の余地はありそうで、ジェフ戦でもどこかを変えてくる可能性もあるかもしれません。
 特に守備での連携面は、まだ確立しきれていない部分があるのではないでしょうか。


 一方で攻撃面ではこの2試合でも攻め込む場面が多く、得点も奪っていることになります。
 横浜FC戦ではPKを獲得するも、熊谷が外してしまうといったシーンもありました。
 もともと金沢は昨年もカウンター時に相手バイタルエリアを取って前を向く形を作れていましたが、今年はよりしっかりとポゼッションをして遅攻時にもそういった展開を作るサッカーを目指しているように感じます。
 そういった意図もあって前線に中盤の選手を起用し、玉城や熊谷が少し下がって前を向く形を狙っているのではないでしょうか。


 順位は低迷している金沢ですが、総得点6はジェフと同数。
 守備面の改善が目下の課題で新システムの熟成がどこまで進むのかが、今後を占う上で非常に重要なポイントとなりそうですね。
 特に3バックの連携に、不安があるのでしょうか。



 対してジェフは、ここ2試合で1得点。
 相手を押し込む時間を作れているものの、ゴールまで遠い試合が続いている印象です。
 守備に不安を見せる金沢に対して、いかに得点を奪うのか。
 変則的なシステムのギャップをうまく見つけ出せるかどうかも、試合の見どころとなってくるかもしれません。


 エルゴラによると、金沢戦では右SHとして井出のスタメンが濃厚とのこと。
 しかし、右SBに攻撃面でも特徴のあった金井や大岩がいる状況なら、右SHとしての井出も成立していたところがあると思いますが、現状だとどうなのか。
 個人での打開力などには期待したいものの、チームとして成立するかどうかが気になりますね。
 また、前節C大阪戦で負傷交代した、山本の状態なども気になるところです。


 なお、開幕してからここまで目立った怪我人が出ていないジェフですが、先日twitterを始めた比嘉によると本人がインフルエンザを発症していたとのこと
 今年は他チームでも、インフルエンザにかかる選手が多い印象もあります。
 サッカー選手に限らずアスリートは体脂肪率が低いため風邪をひきやすいという話も聞いたことがありますし、気を付けてほしいところですね。



 ジェフはここ2試合勝ち星から遠ざかっているものの、全体的なコンディションは良いのではないかと思います。
 しかし、逆に言うと状態は良いにもかかわらず、勝点を稼げていないことにもなります。
 コンディションは良い時も悪い時もあるでしょうから、今のうちに勝ち星を重ねることが重要ではないでしょうか。


 逆に良い状況にもかかわらずズルズルと勝ち星がない状況が続けば、チームの雰囲気も悪くなってくる可能性がある。
 明日はホームでの試合ですし、結果が出ていない金沢が相手ということもありますから、しっかりと勝ちたい試合ということになるのではないでしょうか。