悔しさの残る群馬とのスコアレスドロー
ジェフが攻め込みながらも点を奪えず、今年初の無得点試合となりました。
良い形で攻め込めた回数で言えば、今年一番作れたようにも思うのですが、結果はスコアレスドロー。
チャンスを決め切れたなったシーンもありましたが、これまでの2試合は選手の決定力に助けられた面も大きかっただけに、そこは責められないところがあるように思います。
■群馬のプレスを避けて裏を攻め込む
2連勝中のジェフは、前節松本戦と同じ11人。
しかし、ベンチからは藤嶋、若狭、U-23日本代表のオナイウが外れ、岡本、富澤、菅嶋が入りました。
対する群馬も、スタメンは前節讃岐戦から変更なし。
ベンチメンバーは一部変更になっています。
立ち上がりから、群馬が連動した守備で高い位置からプレスをかけてきました。
ジェフはそのプレスに苦戦し、ビルドアップに悩む展開。
しかし、群馬も奪ってからの攻撃の質に課題を感じました。
9分、ジェフの攻撃。
近藤からの縦パスを受けた吉田が反転。
遠目のミドルシュートを放つも、GK清水が対応。
11分には、ジェフのカウンター。
中盤で長澤がこぼれ球を拾って、右サイドの小池に展開。
小池が持ち込んでミドルシュートを放つも、GK清水がキャッチ。
その後は、群馬がプレスでボールを奪ってサイド攻撃。
ジェフはプレスを回避する形で、吉田の頭や船山が裏を狙う展開。
群馬は最終ラインを高く設定していたので、特に裏狙いが有効に使えた部分があったと思います。
22分、ジェフの攻撃。
後方からのロングパスを船山が受けて、ドリブルで仕掛けます。
一度は相手にブロックされますが、船山が拾い直しゴール前につなぐも飛び込んだ長澤には合わず。
26分、ジェフの決定機。
カウンター気味に左サイドの船山から逆サイドに大きく展開すると、小池とパス交換をした多々良が左足でクロス。
これが船山の頭にピンポイントであいますが、GK清水がパンチングでクリア。
この頃から群馬の前からのプレスも弱まり、ジェフがボールを支配してペースを握っていったように思います。
ただ、群馬の守備も大きく崩れることなく、コンパクトな守備組織を維持。
なかなかゴール前は崩せずにいました。
39分には、群馬の攻撃。
群馬が右サイドからロングスロー。
これを川岸が拾って、もう一度ゴール前に放り込むと、石川拾ってミドルシュート。
鋭いシュートでしたが、GK佐藤の正面で終わります。
■攻め込むも得点は奪えず
後半から、再び群馬がプレスを強めていきます。
群馬はボールを持っても前半より落ち着いて繋げるようになり、前半ほどジェフ優勢といった印象はなくなりました。
守備陣もジェフの裏狙いの攻撃に、慣れていったような気がします。
後半序盤は両チームともにシュートまで持ち込めない、膠着した展開に。
58分、先にジェフが動きます。
吉田にかえてエウトンを投入し、前線のメンバーを変えていきます。
62分には長澤と接触した常盤が交代し、小林が投入されます。
その直後、ジェフのロングボールを相手がクリアミス。
エウトンがこれを拾って、小池につなぎます。
小池がミドルシュートを放つも、コースはなく枠の外。
続いて、群馬が中盤でパスカット。
中盤からスルーパスを出し、小林が左サイド裏でボールを受けます。
高橋につないでクロスを出しますが、中央で合わず。
65分にも、群馬の攻撃。
群馬がクロスを上げたところから、プレスをかけていき左サイドでボールを奪取。
そこから中央へつないで、瀬川がミドルシュートを放ちますがゴール左を逸れます。
66分には、この試合1番のビックチャンス。
右サイドのスローインからボールを受けたアランダがドリブルでタメを作って、エウトンを裏に走らせます。
エウトンは縦に走り込んで、グラウンダーのクロス。
このボールが中央でフリーになった船山に入りますが、ダイレクトで放ったシュートはゴール左隅を逸れます。
得点が奪えないジェフは73分。
小池に変えて、井出を投入。
そのまま右サイドに入ります。
79分にはジェフの攻撃。
右サイドの井出から逆サイドにつないでいくと、左サイドに流れた井出が受け直して中央へ楔のパス。
船山が落として走りんできた井出に落とすと、井出がミドルシュート。
井出らしい展開でしたが、シュートは枠を逸れます。
83分には群馬の交代。
瀬川が下がり、マテウスを起用。
マテウスがFWに入り、小林がSHに移りました。
86分にもジェフの攻撃。
後方から左サイドに回った井出にロングパス。
井出が右足に持ち替えてクロスを放ち、エウトンが頭で合わせますがGK清水の正面。
試合終盤は群馬も前に出てこず、ジェフが攻めて群馬が守る展開に。
後半アディショナルタイムには、阿部のアーリークロスを船山が落としてエウトンへ。
エウトンがスルーパスを出し井出がゴールを狙いますが、GK清水が反応。
その後、ジェフは山本に変わって北爪。
群馬は小牟田に変えて中村を投入しますが、0-0のまま試合終了となりました。
■得点を奪えず焦りに
ジェフからすれば再三ゴール前までボールを持ち込んだ試合展開だっただけに、悔しさの残るスコアレスドローだったのではないでしょうか。
勝点2を取りこぼした試合と、言えるのではないかと思います。
特に前半の途中からは、良い形でボールを持ち込めたのではないかと思います。
群馬はプレスがかからない状況でも、最終ラインを高く維持していた。
そのため、ジェフとすればその裏をつけるチャンスがありました。
それによって、ジェフは普段の試合でも見られる左右の展開だけでなく、前にもボールを出せる状況になった。
ボールを持っても縦へ持ち込めないことが課題としてあるだけに、この日は縦も狙えたのが大きかったのではないでしょうか。
今年は特に船山や小池、吉田など、スペースに抜ける動きが得意な選手が多いですしね。
また、守備面では、やはり群馬は攻撃面の精度に課題を感じました。
中盤で良い形でボールを奪っても、そこからのミスが多くシュートまで持ち込めなかった。
開幕戦から2試合での勢いも落ち着いてしまった印象で、2連敗によって思い切ったプレーも減ってしまったように感じます。
ジェフからすると、この試合では中盤で奪われた後も、落ち着いて対応できていたのが良かったですね。
また今年のジェフは攻めている時も、無理に後方の選手が上がっていかない。
その分、群馬のカウンターからの展開も、未然に防ぐことが出来たように思います。
ただ、ジェフがゴール前まで持ち込む機会は多かったものの、得点の雰囲気はあまり感じなかったようにも思います。
群馬のゴール前は最後まで集中してプレーしており、簡単にマークを外すようなこともなかった。
サイドからのクロスも自由に蹴らせてくれていた印象があり、群馬としては蹴り込まれてもゴール前で跳ね返せばいいという発想だったのかもしれません。
ジェフが攻め込む場面が多かった試合ですが、もしかしたらこのような試合展開の方がジェフはやりにくいのかもしれない。
ゴール前まで持ち込めても確実な崩しは少なく、マークを外してのシュート機会はあまりなかった。
ペナルティエリア外からのミドルシュートが多く、フリーになっての確実な決定機は船山のシュートくらいだったようにも思います。
攻め込んでいても確実なチャンスが作れない、ゴールが生まれないとなってくれば、どうしても焦りが出てくる。
焦りが出てくると、船山のシュートミスのようなシーンも増えてくるのかも知れない。
今年は今のところ、昨年ほどセットプレーでの得点力も高くなさそうですし、去年ほどの高さもないのでゴール前に放り込むだけではゴールが遠い。
群馬としては、相手が攻め倦む状況でカウンターから一発決められれば…という試合展開だったようにも思いますが、そこまでの力はなかったのかなとも感じます。
全体としては、これまでと比べても決して悪い試合というわけでもなかったと思います。
ただ、試合後に選手たちが、非常に悔しそうな表情をしていたのが印象でした。
特に攻撃陣はこれまで無得点試合もなく最低限の結果は残せていたので、悔しい思いが強かったのかもしれません。
新加入の選手が多くフレッシュな気持ちで臨めていた面も強かったかもしれませんが、ここからはこういった悩みや苦しみも増えてくるかもしれない。
ジェフの場合は特にマークが厳しくなる印象もありますし、守備で警戒されることも多く焦れるような試合も増えていくかもしれません。
そうなった時にも前向きなプレーが続けられるかどうかが、重要になってくるのかもしれませんね。
開幕から2戦は好調だった群馬も、一足先にそういった悩みを感じ始めているのかなとも感じました。