1-0が続いたジェフが好調群馬と対戦

 今週から来週にかけて、国際Aマッチが実施されています。
 そのため今週末はJ1がお休みとなり、かわりにJ2が土曜日開催となりました。
 ジェフは明日、ホーム・フクアリで群馬と対戦します。


 ジェフからは、オナイウがU-23日本代表に追加招集されました
 浅野が負傷したことによるもので、U-23日本代表は怪我人が多い状況となっていますね。
 これでオナイウは、群馬戦欠場が決まりました。



 ジェフとしては戦力ダウンということになりますが、開幕からここまでの4試合でオナイウの出場は岡山戦81分からの途中出場のみ。
 ベンチから外れる試合もあり、ジェフでは吉田、エウトンに続くCFの三番手という立場になっています。
 この追加招集もジェフでの活躍が認められてという形ではなく、代表チーム内の序列によって選ばれたことになると思いますし、まずはジェフで試合に出ることが五輪生き残りをかけての必要なアピールになるのではないかと思います。


 とはいえ、今回のU-23日本代表は26日にメキシコ代表戦を、28日にはスポルティング・リスボン戦を控えています。
 ジェフで公式戦から遠ざかっているだけに、代表で試合に出場できれば試合勘やコンディションなどの面でもプラスになるかもしれません。
 オナイウの成長という意味でも海外遠征は良い経験になると思いますし、しっかりアピールして試合に出場してほしいところです。
 ジェフでは吉田の加入もあって、今年が正念場となるのかもしれませんね。



 さて、チームの方は、横浜FC戦、松本戦と1-0での勝利が続きました。
 どちらの試合も決定的なチャンスは少なく、そこを確実に決めての勝利。
 試合終盤には、後方に人数を固めて逃げ切った試合でした。


 これが今年のジェフのパターン、ということになっていくのでしょうか。
 そうなれば攻撃では、少ないチャンスを決めきる決定力を。
 守備では攻め込まれても、やられない集中力を求められるのかもしれません。



 しかし、堅守を目指すのであれば、守備全体のバランスは改善すべき課題となると思います。
 松本戦のように中盤が空いてゴール前で跳ね返すプレーが増えると、どうしても事故的な失点も出てくるでしょう。
 それでは、狙っての完封というのも難しくなるはずです。


 後方で跳ね返すにしても、中盤から前の守備である程度相手の攻撃を限定する。
 あるいは、押し込まれて跳ね返す時間を短くする…といった状況を作ることが、目標となってくるのではないでしょうか。
 もちろん攻撃においてもここ数試合は選手の決定力に助けられている面があると思いますが、より確実に決定機を作れるようになっていきたいところではないかと思います。



 さて、対戦相手の群馬は、開幕戦となった岐阜戦で4-0の大勝。
 続く金沢戦でも2-1で勝利と、幸先の良い今シーズンのスタートとなりました。
 江坂が大宮に移籍し小林亮や野崎も引退し戦力的に厳しい年になるのではないかと思われていただけに、驚きの活躍だったのではないかと思います。


 攻守にシンプルなサッカーを展開しており、勢いの感じるチームではないかと思います。
 守備では4-4-2で、ポジショニングなどを細かく修正し組織的に守る。
 MFラインとDFラインがコンパクトな位置取りをすることで、2ラインで相手を挟み込む形を取っている印象です。


 攻撃では裏を走らせるカウンターが中心。
 遅攻時には、サイドから縦に仕掛けてセンタリングといった展開を狙っている印象です。
 どちらもチームとして選手を走らせる形をうまく作れている印象で、そこが大きな武器となっているように思います。



 大卒一年目でチーム得点王となった江坂が抜けましたが、今年はここまで明治大から加入した瀬川が活躍。
 ボールを持った状況でのスピードある仕掛けが武器で、足元の精度も高い選手のようです。
 江坂に続いて活きの良い大卒ルーキーを獲得したことになるわけで、スカウトがしっかりと機能しているということでしょうか。


 カウンターでは、その瀬川や常盤のスピードを活かす展開。
 中央では松下がチームをコントロールしながら、左右に散らす。
 後方では坪内が跳ね返す…ということで、バランスの良いチーム構成になっているように見えます。



 ただし、遅攻時のサイド攻撃における質の面では、もう1つ課題があるようにも思います。
 また4-4-2でコンパクトに守る意識が高いため、一度攻め込まれると押し返せない状況になりがちな印象も受けます。
 守備時の粘りにも不安を感じ、そこは今年に限らずこのクラブの伝統的な課題なのかもしれません。
 懸命に走るサッカーをしているだけに、体力的な不安もあるのでしょうか。


 開幕戦から2連勝を遂げた群馬ですが、第3節では戦力で上回るC大阪に力負け。
 第4節讃岐戦では先制するも1-2で敗れ、接戦を落としました。
 そこまでは好調な状況が続いていましたが、負けが続けば徐々に不安が出てきて勢いも落ちていくかもしれない。
 群馬としては、ここが踏ん張りどころとなるのではないでしょうか。



 一方のジェフはここまで3勝と群馬より結果を残していますが、まだ快勝と呼べるような試合はないように思います。
 ここからチームに勢いをつけていくためにも。
 あるいは勝ちパターンを明確にしていくためにも、すっきりとした勝利が欲しいところではないかと思います。


 シーズン序盤の落ち着きのない展開から、徐々に各クラブの力関係もはっきりし始めていくのではないかと思います。
 その時にしっかりとチームの力を誇示できるか。
 そのための大事な一戦ということに、なるのかもしれません。