『REVOLUTION』を果たすために

 ついに今週末、Jリーグが開幕。
 ジェフの開幕戦は、ホームフクアリで徳島との対戦です。
 毎年この時期は開幕を楽しみにする一方で、どこか緊張感もありますね。


 対戦相手の徳島は、14年にJ1でプレーしましたが1年でJ2降格。
 昨年はJ2で14位と低迷してしまいました。
 大分、京都などと同様に近年は昇格争いに関わていったものの、昨年苦しんだクラブと言えるでしょう。



 今年は4年間徳島を率いた、小林監督が清水に移籍。
 後任として長島裕明ヘッドコーチが、監督に昇格しました。
 長島監督は99年からFC東京の下部組織の監督として権田、丸山、梶山など数多くの選手を育て上げ、08年から山形のコーチに就任。


 コーチに就任した年に、小林監督の率いた山形のJ1昇格に貢献。
 13年からは徳島に加入し、ここでも小林監督と共にJ1昇格を果たしています。
 監督が交代した徳島ですが、長らく小林監督の下でコーチを務めた長島監督が指揮を執ることになるわけで、大きなスタイルの変化はないのかもしれません。


 選手構成に目を向けると選手の出入りは少数にとどまっており、目立ったところでは北九州から渡、大宮からはカルリーニョスを獲得。
 しかし、エステバンが現役引退となったのは、大きな損失となることが予想されるのではないでしょうか。
 カルリーニョスも大宮でビルドアップに貢献してはいましたが、エステバンはアグレッシブな動きで攻守に中盤で気の利いたプレーができる選手。
 新加入となった岩尾とカルリーニョスが中盤でどれだけバランスを取れるかが、今年の徳島のカギを握っているのかもしれません。



 一方のジェフはプレシーズンマッチの4試合で、現状のサッカーが見えてきたと思います
 コンディションが良かったこと、4試合通じで同様のサッカーだったこと、昨年と似通った方向性であることからしても、まずはあのサッカーで行くのでしょう。
 プレシーズンマッチで結果が出ていることからしても、あそこから大きく舵を取ることはないのでしょうし。


 リトリートして後方で守りつつ、前で引っかけてショートカウンターを狙う。
 加えて攻守においてセットプレーが武器となる。
 このあたりが基本路線であり、熊本戦でも話したように昨年からの"正常進化"といった印象です。
 特に昨年松田が加入してからの1か月間のサッカーに、近いものがあるのではないでしょうか。



 大きくメンバーが入れ替わったことを考えれば、昨年のサッカーを継続するという発想は現実的な判断だったのかもしれません。
 あるいは関塚監督のやりたいサッカー・やれるサッカーを考えれば、これがベストとも言えるのかもしれません。
 ただ、昨年のジェフは序盤以降、大きく苦しんだだけに同じサッカーの継続は不安も出てくると思います。


 戦術やスタイルは置いておくとしても、チームに変化を付ける方法は他にもあったはずです。
 例えばとして、3バックで戦う方法。
 昨年も関塚監督は3バックを試していますし、今年のメンバーも2列目やCB候補が多くオフの途中までは「3バックを考えているのかな?」と思うほどでした。


 3バックにすれば守備時は5-4-1で守れるので、鹿島戦や柏戦の終盤に見られたようにSHの1人がDFラインまで下がってバランスが悪くなるような状況も起こりにくい。
 攻撃時にも5-4-1から3-6-1に自動的に変化することによって、連動した攻撃が作りやすくなる印象です。
 元々1トップ2シャドーはトライアングルが作りやすいシステムと言われていますし、連動した攻撃が大きな課題となっているジェフとしてはメリットも少なくないのではないかと思っていました。
 しかし、関塚監督はそういった大きな変化は選ばずに、サッカーの継続を選んだということになると思います。



 プレシーズンマッチでは、コンディションの良さでプレスからのカウンターを成功させ、結果を残してきた印象です。
 それは昨年序盤のハイプレス期のチームにも、近いものがあったと思います。
 そうなってくると今年も序盤は良いかもしれませんが、コンディションが落ちてきた時に苦しむかもしれない。
 その時に積み重ねを作れるかどうかが、大きな壁ということになるのではないでしょうか。


 もし昨年と同様に同じように苦しんだ時に、どのようにチームを捉えるべきなのか。
 大きく選手が入れ替わった状況でも、昨年並みのサッカーができていると高く評価すべきなのか。
 それとも結局変われなかったと、厳しく判断すべきなのか…。



 そのあたりを考える上でも、まず今シーズンをどのように捉えて、どのような目標をもって臨むべきなのかを考えておくべきではないかと思います。
 個人的には多くの選手が入れ替わったシーズンですし、昨年の苦戦も踏まえて考えれば、完全に一からチームを作り直して徐々にチーム力を高めていってほしい。
 そして、その中で若い選手や将来への可能性を、見出せれば…と思っていました。


 しかし、関塚監督はまずは無難に昨年のサッカーからの継続を選んだ。
 確かにそれは現実を考えれば、正しい判断なのかもしれません。
 ただ、それによって昨年と同様の課題が出てしまうとなれば将来性も期待しづらいと思いますし、昨年と同様のサッカーでここからどれだけの伸び代が期待できるのか…。
 もちろんそこで新たな伸び代を作ることができれば、大成功ということになるのでしょうが。



 昨年序盤以降のチームは成績も試合内容もかなり厳しいものでしたし、それを考えれば『REVOLUTION Next25』というスローガンは納得できるものだと思います。
 そして、実際に社長も強化部のトップも選手も、異例とも言えるほど大きく入れ替わりました。
 しかし、監督は変わらずサッカーも変わらないということになれば、『REVOLUTION』は果たし切れないのではないかと思います。


 どうしてもそこが一番の矛盾ということになりかねないと思いますし、サッカーにおいては監督や戦術を切り離してチームを考えることは不可能だとも思います。
 周りは人が変わってそれがうまくいくかどうかはわからないものの、変化が生まれる可能性はあるのでしょう。
 あとは関塚監督自身が『REVOLUTION』を果たせるかどうか。
 もちろんジェフの低迷はここ数年のことではないことを考えると監督だけの問題が全てではないはずですが、昨年のチームからの変化という意味では関塚監督が変わることができるかどうかがどうしても重要になってくると思います。
 それが今シーズンのジェフにおける、一番のテーマとなるかもしれませんね。
 クラブやチームの変化とともに、監督自身の変化にも期待したいところではないかと思います。



 次回のブログは開幕後ということで月曜日にしたいところですが、開幕戦が16時キックオフということで難しいかもしれません。
 出来れば月曜の朝までに更新したいですが、それが無理なら火曜日の朝ということでよろしくお願いいたします。
 今年の更新はそういったペースでやっていこうかなと思います。


 まだ気温が低く選手にとっては動きやすいのかもしれませんが、観客としては16時キックオフだと大変かもしれません。
 インフルエンザもまだ流行していますし、しっかりと防寒をして試合に臨みたいですね。