今週末『ソーシャルフットボール国際大会』開催
今週末いよいよJリーグの開幕戦が実施されるわけですが、もう1つ大事な大会が日本で行われます。
2月26〜28日にかけて、大阪のJ-GREEN堺にて『ソーシャルフットボール国際大会』が開催。
『ソーシャルフットボール国際大会』とは、精神障害者によるフットサルの国際大会です。
今年はリオデジャネイロオリンピックにあわせて、パラリンピックも開催されます。
加えて2020年の東京パラリンピックに向けて、日本での障害者スポーツへの関心も高まっているように思います。
しかし、精神障害者スポーツはパラリンピックでは対象外となっています。
それだけに『ソーシャルフットボール国際大会』の実施は、世界的に見ても国内においても重要な意味を持つのではないかと思います。
また、今回の大会は、記念すべき第一回大会となります。
それだけ開催においては、関係者の多大なる苦労があったのではないかと思います。
しかし、その分この大会の開催は精神障害者スポーツにおいて、歴史的な第一歩と言えるのではないでしょうか。
今大会には当初8ヶ国が賛成を表明していましたが、予算などの問題でチーム数が減少したそうです。
それでもイタリア、日本、ペルーが代表チームを構成して出場。
日本代表の監督には、Fリーグのシュライカー大阪所属の奥田亘氏が就任しています。
また26日には、元C大阪の森島寛晃と元G大阪の松波正信によるシンポジウムも行われるそうです。
この大会に合わせて、メディアも精神障害者フットサルを取り上げる機会が増えているようです。
朝日新聞や毎日新聞のほか、地方新聞など多くの新聞社などが今大会を取り上げています。
その中でもcotreeというサイトでの井上先生の記事は、国内における精神障害者フットサルの状況を知る上で非常にわかりやすいインタビューとなっています。
井上先生はソーシャルフットボール協会の専務理事で、ご自身が務める病院でも精神障害者フットサルを実施し『リベルダージ北海道』を運営。
現在では、入れ替え戦もある2部制のリーグ戦『IFリーグ』を毎週開催しているそうです。
健常者のスポーツでも、ここまで安定した運営は難しいのではないでしょうか。
このリーグに限らず障害者スポーツ全般を支援するために『北海道精神障害者スポーツサポーターズクラブ』という団体も設立されており、職場や職業などに関わらず多くのメンバーが障害者スポーツを支援する仕組みが出来上がっているようです。
cotreeの記事では選手の自立を促すために、遠征費などは自己負担にしていること。
また、治療のための活動ではなく、あくまでもスポーツとして活動をしていることなどが書かれています。
障害者がスポーツに参加することで、スタッフや健常者も含めて関係者の距離を近づけ、社会的な理解を深めていく。
障害者スポーツというだけでなく、社会におけるスポーツの在り方を考えさせられる内容となっていると思いますので、是非ご一読をお勧めします。
また『ソーシャルフットボール国際大会』に合わせて、日本サッカー協会はハリルホジッチ監督らによるビデオメッセージをYoutubeにアップしています。
佐々木監督や手倉森監督をはじめとする男女ユース年代の代表監督だけでなく、フットサルのミゲル・ロドリゴ監督やビーチサッカーのマルセロ・メンデス監督など、錚々たる面々がコメントを寄せています。
加えて、元G大阪の宮本恒靖、川崎の大久保嘉人、カールスルーエの山田大記などからも応援メッセージが送られています。
こちらはJFAによるものなのかは明記されていませんが、サッカー界としてのバックアップ体制が出来上がっている印象を受けます。
JFAは以前から障害者スポーツの支援を積極的に行っており、7つの障害者サッカーを紹介する『障がい者サッカーHANDBOOK』も無料で公開しています。
とても読みやすい内容となっており、障害者サッカーを知る上で勉強になる一冊だと思います。
昨年JFAは障害者サッカー協議会を設立し、7つの障害者サッカーを組織的に支援していく動きを見せています。
他競技ではこういった組織的なバックアップはなかなか出来ていないと思いますし、JFAの組織力の高さを感じさせるものではないかと思います。
JFAは『アクションプラン2022』で2022年までの目標を掲げており、その中には「年齢や性別、障がいなどにとらわれずにサッカーを楽しめる環境づくりを目指す」と書かれています。
今回のような障害者サッカー支援も、その一環として実施しているのでしょう。
JクラブもG大阪や横浜FCなど積極的に障害者支援を行っているクラブもあるようですが、そうではないクラブもあるようです。
"体制派"というだけで批判を受けることも少なくないJFAではありますが、しっかりをビジョンを掲げて遂行しているという点ではクラブ以上に努力を重ねているようにも見えます。
もちろん予算的な問題などもあるのかもしれませんが、社会の中でスポーツクラブがいかに生きにくかを考えていくためには、こういった社会活動や地域貢献などが重要になってくるはずだと思います。
スポンサーの支援を受けるためにも社会的な地位の向上というものは必須となってくるはずですし、そういった面をより積極的に打ち出すクラブが出てきてもいいのではないかと思います。
最後はついクラブ運営の話になってしまいましたが(笑)
『ソーシャルフットボール国際大会』の情報はソーシャルフットボール協会の公式サイトや実行委員会の公式サイトなどで。
当日はUstreamでの試合中継も実施されるそうです。
また、今回の大会に合わせてクラウドファンディングも行っているそうです。
こちらのサイトでもソーシャルフットボール協会の理念を読むことができますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。