アランダの活躍もあり5-1の大勝
ニューイヤーカップが中1日の3連戦ということもあって、試合の翌々日のアップとさせてもらいましたが、1日余裕があるだけでかなり楽になる印象です。
中継を見ることができれば内容に困ったり書くことに行き詰ったりすることはほぼないのですが、録画したものを見ながら気になったところは巻き戻して最後にまとめなども書いていくと3時間前後はかかってしまいますので、まとまった時間を作るのに苦労する場合は大変な時もあります。
試合から2日あれば余裕を持ってアップできるので、今年は状況によって火曜日更新なども考えたいと思います。
…まぁ、今回は録画を失敗したのも大きかったのですが(笑)
ジェフはニューイヤーカップの2戦目で福岡と対戦。
スカパー!がタイトルスポンサーになっているこの試合ですが、主力起用などの条件などはないのですね。
この時期ですから誰が主力かなどは明確に言えないでしょうし、過密日程も考えれば仕方のないところなのかもしれませんが。
■前半だけでジェフが3点リード
ジェフのスタメンはGKが藤嶋で、DFは左から比嘉、イ、若狭、多々良。
このメンバーだと若狭がSBかとも思いましたが、多々良がSBでした。
MFは左から町田、勇人、アランダ、小池で、FWは吉田と菅嶋となりました。
福岡も初戦の鹿島戦から、スタメンが9人も変更に。
ジェフから移籍したキムは、初戦の鹿島戦に出場していたのでこの試合は欠場。
過密日程の2試合目ということもあってか、サブ組として予想される選手が多い印象です。
昨年ジェフが苦しんだウェリントン、城後、金森といった前線の選手たちもスタメンに入らず、ユースの選手も2人ベンチに入りました。
5分、福岡の攻撃。
左サイドから阿部がアーリークロスを上げ、DFラインの裏を抜け出した坂田に合いかけますが、オフサイド判定。
逆サイドで若狭が残っていたので、かなりきわどいオフサイドだったと思います。
この試合での福岡は、4-4-2でスタート。
後方からのロングキックが多い展開となりましたが、ウェリントンがいないこともあって裏狙いの多い確実性の低い攻撃となっていました。
福岡は立ち上りから動きが重かった印象で、今は全体的なコンディションは良くない状況なのでしょう。
得点が生まれたのは10分。
GK藤嶋からのロングキックを吉田が落とし、小池が粘って町田に繋ぐと、1タッチで右サイドに走り込んだアランダに繋ぎます。
アランダはそのまま裏へ走り込み、グラウンダーのセンタリングを上げて最後は菅嶋がゴール。
アランダはラストパスも冷静に供給しただけでなく、裏へ走り込むことでボールを引き出した動きも良かったですね。
そこへの1タッチパスも、町田らしいシンプルで素早いプレーだったと多います。
試合の立ち上りも左サイドで町田や勇人が絡んで繋いでいくシーンが多く、やはり町田がいると周辺でのパスが繋ぎやすくなりますね。
相手がこれくらいのプレッシャーだと、町田は良さを出しやすいのでしょう。
得点直後は、ジェフがボールを支配する展開が続きます。
しかし、16分には福岡の攻撃。
右サイドでパスをつないだところから、左SHの為田に繋がれそのままミドルシュートを放たれますが、巻いたシュートは枠の外。
ここからは、福岡もボールを持つ時間が増えていきます。
18分には、ジェフが右サイドのCK。
小池が蹴って多々良がヘディングシュートまで持ち込みますが、GK兼田の正面。
このメンバーだと小池が蹴るんですね。
20分、福岡の攻撃。
右サイドで細かくパスをつないでいき、邦本が逆サイドの阿部に大きく展開。
阿部がクロスを上げると、逆サイドの坂田がダイレクトでシュートを放ちますが、ネットの外で終ります。
この時間帯の福岡は、片方のサイドで貯めて逆サイドへの展開といった攻撃が何度か作られていました。
しかし、28分にはジェフの追加点。
アランダが中盤の底から、小池を走らせるロングパス。
小池が中央に折り返し、町田がしっかりと合わせて2-0。
アランダの素晴らしいボールからうまれた得点ですが、福岡からすればそのアランダを簡単にフリーにさせてしまい、小池への寄せも甘かったですね。
小池を折り返しに対して飛び出した、GK兼田の対応もまずかったと思います。
2点ビハインドになって福岡が攻め込んできますが、そこをしのぐと33分。
町田のチェイスから、相手がミスをしてボールを奪取。
町田がボールを奪った瞬間にアランダが中央を走り込み、ボールを受けるとPA内で倒されPK。
これを吉田が決めて3-0とします。
アランダは先制点に続き前への飛び出しで、得点を演出したことになります。
その後は両チーム、何本かクロスは上がりましたが、精度を欠いて3-0で折り返します。
■得点直後に失点も5-1で大勝
ジェフは多々良に代えて北爪、アランダに代えて富澤を投入。
一方の福岡はメンバーを変えずに、後半に入りました。
前半の出来が悪かった福岡ですが、同じメンバーでの修正を期待したのでしょうか。
50分には右サイドで勇人、北爪、町田とつないで、再び北爪。
北爪が走り込んで、そのままシュートを放ちますが、大きく枠を逸れます。
北爪は初戦もタイミングの良いスプリントがありましたが、最後のプレーが大きな課題ですね。
後半もジェフの選手たちが、伸び伸びとプレーする時間が続きます。
55分、若狭から相手ボランチ付近の小池にボールが入り、吉田にスルーパス。
吉田が相手GKも抜き去り、ゴールを決めて4-0とします。
熊本戦から若狭は良いボールを出しており、小池、吉田も持ち味を出していると思います。
しかし、57分には福岡の得点。
中盤でパスをつながれたところから、ボランチの末吉をフリーにしてしまいそこから縦パス。
坂田がバイタルエリアで受けて、為田にスルーパス。
パスを受けた為田がゴールを決めて、4-1になります。
熊本戦に続いて、得点直後に失点してしまいました。
この時期ですからそこまで気にすることもないとは思いますが、昨年も得点直後の失点が多かったですから、実戦ではなくしたいところ。
60分、ジェフは小池に代えて長澤、イに代わって乾が入りました。
63分、福岡は鈴木、平井が変わって城後、金森が入りました。
城後がそのまま中盤に入りましたが、城後のボランチ起用はかなり久々なのではないでしょうか。
ボランチは昨年の主力組が入っていましたしボランチ不足な状況なのかもしれませんが、ダニルソンが合流すれば変わるのでしょう。
68分には、坂田に代えて福岡U-18の崎村が出場。
失点後は福岡がジェフを押し込む時間が続いていましたが、69分にはジェフの攻撃。
比嘉からのボールを受けた吉田が反転して相手を交わすと、長澤にパス。
長澤が持ち込んで、力強いシュートを放ちますが枠外。
70分には、ジェフが3枚の選手を変えます。
勇人、吉田、菅嶋を下げて、井出、エウトン、仲村を起用。
仲村のボランチかと思いましたが、井出がボランチ、エウトンと仲村の2トップとなりました。
その直後には富澤からの縦パスを受けたエウトンが1タッチで落とし、再び受けて大きく右サイドに展開。
北爪がクロスを上げ走り込んだエウトンが合わせますが、相手選手にあたってゴールはならず。
73分、福岡は三島に代えて中村を投入。
その直後、ジェフの攻撃。
井出からバイタルエリアの町田に縦パス。
井出が受け直して、そのまま持ちあがりシュート。
一度はGKに止められますが、井出が詰めて5-1。
その後はさすがに試合の動きが少なくなっていきます。
福岡は75分、堤に代えて濱口を起用。
濱口も福岡U-18所属の選手だそうです。
86分には阿部に代えて古部を投入。
後半アディショナルタイム。
左サイドのスローインから仲村が粘って中央に繋ぎます。
長澤、町田と渡って町田がシュートを放ちますが、シュートは枠を逸れここで試合終了となりました。
■様々なエリアにボールを出せるアランダ
5-1と大味な展開で、練習試合らしい内容と言えるのではないかと思います。
解説を担当した戸田も再三指摘していましたが、福岡は選手1人1人の動きが悪かった印象です。
動きが少しずつ遅く球際も弱く運動量も少なかったで、まだ状態を上げてきていないのでしょう。
対してジェフは熊本戦に続いて動ける選手が多く、新加入の選手たちがポジション争いに向けて早い時期から体を仕上げているのではないかと感じます。
特に若い選手たちは動きが良い印象で、一方で阿部や近藤などベテラン勢はじっくり調子を上げていくつもりなのではないでしょうか
ジェフからすれば大勝できたことは良かったと思うものの、この時期の試合ですからあまり結果は重要ではないとも言えるでしょう。
練習試合としてはむしろもう少し福岡に良い状態で来てもらって、ある程度のレベルで戦いたかったのではないでしょうか。
コンディショニングに関しては、昨年のジェフを振り返る上でも大きなポイントの1つだったと思います。
昨年は戦術的にも開幕直後がベストだった印象ですが、コンディション面でも開幕時に合わせ過ぎたのではないかといった印象がありました。
それによって、開幕直後から状態は落ちるばかり…といった展開になってしまったと思います。
対してJ1に昇格した福岡は、開幕直後の成績は良くなかった。
戦術的に徐々に作り上げていった面も大きかったとは思うのですが、コンディショニングにおいても開幕にピークを持ってこなかったように思います。
昨年の両チームを思い返しても、重要なのは今ではなくシーズンを通したチーム作りだと思います。
もちろん福岡のやり方だけが正解というわけではないですが、開幕時にコンディションのピークを持ってこないチームは少なくないと思います。
日本の場合、蒸し暑い夏が開幕から数か月後に待ち構えているわけですし、早くにピークを持っていくと後が辛くなってしまう。
オシム監督の頃のジェフもあえて開幕時には状態を合わせていなかった印象ですし、去年のジェフが異例だったようにも思います。
もちろん現段階で調子が良いから開幕にピークが来るとも言えず、ここから追い込んでいく可能性もあるでしょう。
ただ、あまりに今の時期に気合を入れ過ぎるのも、若干不安かなとも思わなくもありません。
福岡の状態も気になりましたし、お互いに控え組と思われる選手も少なくなかったので、チーム状況に関してのコメントはしづらいように思います。
熊本の方が状態は良かったですし、ベンチマークとしても有用だったのではないかと思います。
こういった試合だと選手個々においても良さばかりが目立ち課題が出づらい状況となりますが、その中でも目を引いたのはやはりアランダですね。
彼が攻撃の中心になっていくのでしょうか。
非常に視野が広く、正確なパスを出せる選手。
中長距離のパスもピンポイントで供給でき、関塚監督好みの選手と言えるのではないでしょうか。
「前だけ」とか「左右だけ」ではなく様々なエリアにボールを出せる選手で、優しいボールを選手の前に落とせるパサーといった印象を受けました。
昨年は攻撃の打開に苦しんだジェフですから、アランダが一発で打開してくれれば非常に助かると思います。
パスの質としては、小野伸二にも近いような感じでしょうか。
この試合では前への飛び出すタイミングとコースの良さも、見せてくれました。
ただ、攻守に動きのスピードはないように思うので、コンディションが上がって改善されるのか。
今後はマークも厳しくなるでしょうし、日本のスピードに対応できるかどうかが重要なのではないでしょうか。
動画などで見たよりも体は大きそうではありますが、守備では前に食いついた後に後ろを空けがちな印象も受けました。
これが今後も続くようであれば、相方には守備でバランスの取れる勇人が良いのかもしれません。
ただ、勇人とアランダだと空中戦でどうかといったところもあり、ボランチ2人だけでなくチーム全体としてのバランスも考えなければいけないと思います。
ニューイヤーカップ最終戦では鹿島と対戦。
鹿島はここまでの福岡戦、熊本戦で共に2-0で勝利しており、さすがの貫録を見せています。
ジェフからすれば貴重なJ1との対戦ですし、ぜひ鹿島には出来る限り出し惜しみをせずに戦ってほしいなぁと思います。