各ポジションの選手構成 DF&GK編
先週の土曜日にオフ全体に関するお話はしましたので、まずは一山越えたかなと思います。
昨日ジェフはニューイヤーカップを戦いましたが、まだ私は試合をチェックできていませんので、今日からポジションごとの補強動向を少しずつ見ていきたいと思います。
まず本日はGKとDF。
退団選手も書こうと思ったのですが、あまりにも多くなってしまうので割愛。
加入
GK
佐藤優也、藤嶋栄介(レンタル)、大野哲煥
DF
阿部翔平、近藤直也、大久保裕樹、多々良敦斗、 比嘉祐介、若狭大志、イ・ジュヨン、岡野洵
残留
GK
岡本昌弘
DF
乾貴哉、北爪健吾
富澤はMF登録ですが、昨年もMF登録で加入したので、それを継続しただけかもしれません。
もちろんこれだけメンバーが変りチーム情勢も昨年とは大きく異なるので、ボランチとしてプレーする可能性もあるかもしれませんが。
まずGKで目立ったところでは、高木がレンタル元に戻り、東京Vで佐藤優也が加入。
タイプ的には広範囲を守れて細かな足元の技術のあった高木の方が個人的には好きで将来性も期待出来たと思いますが、佐藤も東京Vでは3年間主力として活躍。
どっしりと構えて、力のあるキックを蹴ることができる選手といった印象です。
初めからDFラインをあまり上げずに戦う方針で行くのであれば、佐藤の方がタイプ的には適しているのかもしれません。
佐藤は市船黄金期のGKといったイメージが強く、1学年上の先輩にジェフに今年加入した大久保や元ジェフの青木良太がいることになります。
大久保は2002年の選手権優勝時のキャプテンで、特に印象深かったのは野洲との準々決勝。
PK戦が苦手と言われていた市船は0-0で迎えた後半ロスタイム、是が非でも得点を奪いたい状況で右SBの大久保をFWに上げて勝負をしかけます。
するとその大久保が見事に期待に応えてゴールをあげ、得点後は右SBに戻って野洲の猛攻を耐え1-0で勝利。
攻守において、大久保の格の違いを感じた試合でした。
しかし、選手権でのインパクトに比べると、プロ入り後は活躍しきれていない印象があります。
その大久保や若狭といった、CBとSBをこなせる選手がどちらで計算されているのか。
あるいは3バックなのか、4バックなのかもまだわかりません。
しかし、昨年前半は中村、大岩、キム、金井に加えて控えの栗山や田代も含めて、20代中頃の選手が主力となっていました。
けれども、今年は例えば阿部、富澤、近藤、大久保で組めば、全員30歳オーバーの最終ラインとなり平均年齢が大幅に上がる可能性も出てきました。
これは単純に20代で有力な選手を補強できなかった可能性も考えられますが、これだけメンバーが大幅に変わった中で、文字通り"最後の砦"である守備陣に関しては経験豊富な選手たちを集めたかったという意図もあるのかもしれません。
しかし、J2に降格してからのジェフは最終ラインにベテラン選手を軸として補強することが非常に多かったですが、それによる弊害も出ていた部分はあったと思います。
まずはコンディションの問題。
これまでのベテラン選手はシーズンを通してのコンディション維持にも不安があり、90分間のスタミナにおいても課題が出て後半途中から失速する試合が多かった。
加えてベテラン選手は、どうしても怪我に関する問題も出やすくなる印象があります。
もう1つはスピードの問題。
ベテランDFは読みや技術では計算できるものの、単純なスピード面においては不安を持っている場合が多い。
獲得したメンバーを見ると関塚監督の好みもあってか跳ね返す面においては期待できる選手も多いと思いますが、スピード面に関してはどうなのかなといった印象も受けます。
特にキムの流出は非常に痛く、ボールを持たときの技術に関しては課題があったものの、その分スピード面でベテランCBをカバーすることも多かったと思います。
キムの場合は強さだけでなく速さもあるCBで、片方だけの選手ならいるでしょうが両面が期待できるDFは少ない印象です。
単純な直線スピードだけなら別ですが、キムは一歩目の反応などアジリティの面においても優れたCBでした。
そのキムの穴をいかに埋めるかが、今季の大きな課題となるかもしれません。
他の選手とは少し異なる印象を受けるのが比嘉で、ロンドン五輪時代に山村と並んで関塚監督が特別に高く評価していた印象のある選手でした。
関塚監督はジェフでもそうだったように、川崎時代から4バックにおける片方のSBには跳ね返すことができる選手を置きたがる傾向が強い。
その分、逆サイドのSBはアップダウンできるSBを置くことが多く、それがロンドン五輪予選では左SB比嘉だったのだと思います(ちなみに逆サイドは酒井宏樹)。
だからこそ、昨年は中村を使いこなせていない印象があり、中村移籍となった時も同タイプのSBではなくアップダウンできる選手などを補強すべきではないかと思っていました。
しかし、阿部を獲得したということは左SBの軸は阿部なのでしょうし、昨年中村不在時にどの選手を試してもはまらなかったように、左SBにクロッサータイプを入れる形を基本とするのであれば、状況によって他のタイプの選手を入れるというような方法は難しいように思います。
比嘉の場合は左右のSBができるはずですし、比嘉の補強によってやり方を変えるというのではなく、単純にバックアップとして両SBをこなせる選手を関塚監督の伝手で補強しただけなのかもしれません。
これだけ戦力が入れ替わるとレギュラー予想も非常に難しくなりますが、最終ラインの軸として期待されるのは阿部、近藤、CB起用なら富澤ということになるのでしょうか。
最終ラインがどれだけ安定して戦えるかは、ゼロスタートとなる新チームにとっては極めて重要なポイントだと思いますし、最終ラインの軸になるということはチーム全体のカギを握る選手たちとも言えると思います。
彼らがシーズンを通してしっかりと戦えるかどうかが、今季のジェフを左右する可能性もあるかもしれませんね。