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オフの動向と今シーズンの展望

 昨日のエントリーに関して、予想以上に多くの反応をいただきました。
 正直「帰ってくるな」というコメントばかりだったらどうしようと思っていたのですが、温かいお言葉ばかりで安心しました。
 改めて、ありがとうございました。


 「今後はゆっくりとやっていきたい」と書いた翌日ではありますが、ジェフは明日から早くもニューイヤーカップに臨みます。
 ブログを再開するからには、それまでに何とか取り上げておきたい内容がありました。
 今オフにおけるジェフの移籍動向に関してです。



 改めて説明するまでもなく、今オフのジェフは異例ともいえるほど多くの主力選手が退団し、加入しました。
 島田前社長が「根本的に見直す」と発言したため、クラブが意図的に多くの選手を入れ替えたのではないかという見方もありました。
 当然一部はあえて入れ替えた面もあるでしょうが、個人的にはかなり後手に回ることの多いオフだったのではないかと感じます。


 単純に入れ替えるにしても人数が多すぎ、多くの選手がJ1クラブに個人昇格したこと。
 移籍した選手の穴埋め的な補強が目立ち、高橋GMがラジオで「今いる選手に主力級の選手をぶつけて競争させたい」と話していたこと。
 そして、年末にはクラブに残ると話していたと聞く選手も移籍してしまったこと。
 それらを考えていくと、クラブとしてはあえて"入れ替えた"というだけでなく、遺留に失敗し"流出した"ケースも多いオフだったのではないだろうかといった印象です。



 ジェフは07-08オフにも多くの主力選手の流失しており、ついあの時を思い出す状況となっています。
 退団数でいえば今オフの方が多い状況ですが、当時は「少数の主力選手+多くの若手選手」といった構造を意図的に作り、育成クラブとして戦っていました。
 その分、主力選手1人にかかる部分が非常に大きく、少数でも主力の流出で大ダメージを受けました。


 それでも当時も楽観視する声が多かったのですが、それは流出した選手たちがフル代表や五輪代表で過密日程を戦っており、コンディション面でかなり苦しい状況だったため評価が低くなっていた面もあったのだろうと思います。
 それが直接07年のチーム低迷にも影響したわけですが、実際にはやはりあの流出は非常に痛かった。
 そして、特に08年のシーズン序盤は厳しい戦いを強いられました。



 主力選手の多くが抜けると、まず単純に連携面の問題が出てくる。
 オフに監督が交代したり前年に連携面の問題があったとしても、選手個々における連携といったものは残る部分があります。
 例えば谷澤と中村のコンビや勇人と健太郎のダブルボランチは、監督が代わっても良い関係が続いていました。
 けれども、今季のジェフのようにこれだけ選手が一気に変われば、そういった選手間の連携もゼロからのスタートになる。


 またチームは1年で築きあげるものではない、ということも言えると思います。
 チームは選手の名簿で成立するものではなく、実際にシーズンを通して戦っていくことで見えてくる強みや弱みといったものがある。
 補強した選手も実際に自チームでプレーすると印象が異なることは多々ありますし、チームとしても戦力の不足気味なポジションや「高さが足りない」、「スピードが欲しい」といった問題は戦っていって初めて出てくる部分もあると思います。


 そこで足りない部分はオフに補強して、強みとなった部分は残して、少しずつ継ぎ足して作り上げていくものがチームだと思います。
 だからこそ、チームとして残すべきベースが重要なのですが、低迷してからのジェフはそのベース作りを蔑ろにしていた印象でした。
 それでもここ数年はキムや中村、大岩といった有望な選手たちがようやく育ちつつあると感じていたのですが、このオフでそのベース候補も完全に失われてしまったように思います。



 もっと単純に例をあげれば、主力が流出した08年のジェフは開幕から11試合勝利なしで試合内容も酷く、かなり厳しい立ち上がりとなっていました。
 しかし、シーズン途中にミラー監督を招聘。
 そして、バランサーが足りなければ戸田を、打開力が必要となれば深井を、人に強いDFが欲しいとなれば早川を、クロッサーが求められれば根本を、チャンスメーカーも置きたいとなればミシェウを獲得。
 そうやって前半戦で足りなかった部分を夏場にこれでもかと緊急補強したことで、ようやくチームとして体を成したシーズンだったと思います。


 しかし、現在はそういった強引な補強は出来ないかもしれない。
 当時とは移籍のルールやウインドウなども異なりますが、何よりも違うのはライセンス制度。
 無理な経営は良しとされない時代になり、当時のような緊急補強は難しいと思います。


 実際、ジェフはこの年から大幅に経営が悪化。
 08年の最終決算で赤字に転落すると、翌年には6億円以上の赤字を、2年後にも3億円以上赤字を出し、債務超過寸前のところまで陥りました。
 チームとしても緊急補強は結局一時的な改善にしか至らず、08年末に若手を大量に解雇して将来性も失い、翌年J2に降格し現在に至ります。


 ようするに、現在のジェフの低迷のきっかけの一つが、07-08オフの大量流出だったと言えるでしょう。
 それだけに、今オフの動向も大きな不安材料になることは間違いないと思います。
 例えば昨年の大分もオフ序盤は悪く無い補強が続いていた印象でしたが、オフ後半に入って主力選手の退団が続きあのような年になってしまいましたし、状況としては今のジェフと遠くないものを感じます。



 とはいえ、ここまで選手が入れ替わったのであれば、開き直って戦うしかないとも思います。
 まずは、J2残留に向けてしっかりと戦うこと。
 そして、ゼロからチームのベースを作り上げることが、今シーズンの目標となるのではないでしょうか。


 08年も追い込まれたことで、サポが一致団結した印象がありました。
 本来なら追い込まれなくても団結すべきではあるのでしょうが、そういった面では追い風が期待できる可能性もある。
 目標はここ数年のジェフとは変わるかもしれませんが、その点を理解した上で臨めれば新たな楽しみも見えてくるかもしれない。


 関塚監督も基礎的な戦術を作れるタイプではないといった印象ですし、正直不安な面も多いと思います。
 しかし、昨年のままではどちらにせよ期待しづらい状況でしたし、大きな変化は望むところなのかもしれない。
 昨年までと求められるものは変わるかもしれませんが、それが良い方向に進めば…と思わなくもありません。



 社長もGMも選手もアカデミースタッフも変わり、まったく新しいシーズンになるわけで新たな発見も見えてくるかもしれませんし、今はそれがプラスになることを期待するばかりです。
 …ただ、なぜこういったオフになってしまったのかに関しては、しっかりと分析すべきだと思います。
 本当に予算だけの問題なのか、監督継続がマイナスに働いたのか、あるいは社長や強化部トップの変更に反対する選手もいたのか。


 ゲキサカの記事によると、移籍金の残りがある選手を放出することで経営的な圧迫から逃れたと高橋GMが説明していたようです。
 しかし、昨年は別ですがそれまでここ数年は積極補強をしていなかったし、ペチュニクなどもアランダ同様に前クラブの給料未払いによって比較的安価で補強できたはず。
 そして、明らかに移籍金が残っていない選手たちも数多く退団となっている印象です。


 加えて「尋常じゃない」移籍金を支払う義務がなくなった割には、補強の面が乏しい印象がある。
 多くは他クラブで出場機会のなかった選手、あるいは主力級でもジェフより順位が下のクラブから補強してきたケースであり、年俸も比較的安いと思われます。
 それらを考えると、この説明だけでは納得しきれない部分もあるのではないでしょうか。


 あるいは、親会社からの予算が大幅に削られたのか。
 クラブ首脳も入れ替わったタイミングですし、可能性としては否定できないようにも思います。
 しかし、関塚監督招聘も親会社からの意向が強かったのではないかと予想しますし、それによって昨年は積極補強に転じたのではないかといった印象もある。
 その関塚監督体制でうまくいかなかった翌年に予算削減というのは、梯子を外されたかのような印象も受けてしまいますが…。



 西部謙司氏は新体制発表会後に監督留任で主力が不満を持っても想定内と考えるべきと話しており、監督続投が流出のキッカケとなった可能性があるのではないかと示唆しています。
 また、高橋GMの数字に関しての説明に関して、「コンサルっぽい」と話していますね(笑)
 私もあれは目安や分析材料の1つになるとは思いますが、新たな強化方針などとは言えないものだと思います。


 では、何が今年のヴィジョンであり、強化方針なのか。
 「ジェフでやりたい選手を集める」といった話もありましたが、これはまさに08年の主力流出後にも同じことを当時のフロントから聞いたことがあります。
 理由どうあれ主力選手の多くを流出させてしまったクラブとしては、それしか言えないのでしょう。
 加えて千葉県の高校出身の選手を多く集めたことにもなりますが、これもJ2降格後にジェフ出身の選手を集めた動きに近いものを感じ、それだけでは確固たる強化プランにはなりえないと思います。
 そもそもとして選手退団の理由の1つが移籍金なのであれば、選手の意思に関係なく放出された選手もいるということになるはずで、そういった選手に対して失礼なのではないかとも思うのですが…。



 07-08オフはサポからの批判もあってアマル監督が退任し、"オシムからの卒業"を掲げたフロントに選手が反発して退団した経緯があります。
 当時もそうでしたが、大量流出などが起こった際は明確に何らかの不満があることが多い印象です。
 そして、08年には当時サポからも大きな反発のあった淀川社長が退任し、悪名高き古河路線から待望されたJR路線に移り変わり、これでクラブは安泰か…と思われました。


 しかし、実際にはそれ以降のクラブも大きく低迷。
 結局、新たで強固な方向性は確立できず、クラブ運営も安定せずに、結果ばかりを追い求めて苦しんでいった印象です。
 高橋GMは多額の移籍金がかかっていることを問題視していますが、それも結局は若手育成が出来ずベースが作れていないにもかかわらず、早期結果ばかりを追い求めてきたため、移籍金を使って補強するしかない状況が続いたからでしょう。
 

 ですから、根本的なクラブの問題は"移籍金を使い過ぎていること"ではなく、"強化方針・強化ビジョンが確立されていないこと"だと思います。
 それに関しては新体制発表会などでの説明やオフの補強動向などを見ても新たな何かを打ち出せたわけではないと思いますし、まだ根本的な問題に対する解決案は見えてきていない印象です。
 もちろん社長もGMも加入したばかりですからこれから色が出てくるのかもしれませんし、これだけの流出となればまずは穴埋めとなるのも妥当だとも思いますが。


 ただ、関塚監督の例を取っても、新フロント・新チームに対して安易に期待し過ぎるのは、クラブにとって良くないことだろうとも感じています。
 今まで一緒に戦ってきた選手や関係者の努力もしっかりとリスペクトした上で、次に進むべきだと私は思います。
 どちらにせよ、焦って結果を求めるようなシーズンにはならないのではないかと思いますし、冷静に見守っていかなければならない1年になるのではないでしょうか。