障害者、健常者に関わらず共に楽しむために
SNSなどを中心に宣伝させていただいていたように、昨日27日に千葉ポートアリーナで精神障害者バスケットボール大会『ドリームカップ2015』を開催いたしました。
私は運営スタッフの1人として参加。
受付、会計、写真などの仕事を中心に行い、エキシビジョンマッチなどにも出場いたしました。
今回は予てから参加者の希望でもあった、日曜日開催となりました。
しかし、土日の体育館を抑えるのは非常に難しく、年の瀬の開催ということに。
それもあってか、残念ながら前回よりも参加チームの少ない状況となってしまいました。
次回大会は早めに予約をするなど工夫をして、すでに来年12月4日の実施が決定となっております。
また、遠方の関係者の方たちを興味を示していただいており、実際これまでに京都や愛媛、熊本や岩手などから視察に来ていただいています。
それだけ精神障害者バスケというスポーツへの関心は、少なくないものなのだろうと感じています。
ただ、実際にそこから参加者やチーム数を増やすといったことになると、なかなか簡単ではなく。
関連する出版物にチラシを入れたり、医療機関をあたってみたりと色々とやっておりそれなりの手応えもあるのですが、参加者を伸ばすという点では苦労しているのが実情です。
今後は宣伝や普及を、より積極的にやっていかなければいけません。
ポートアリーナには千葉ジェッツのポスターの隣に、車いすバスケのポスターが大きく張られていました。
車いすバスケと言えば、障害者スポーツの中でも花形競技。
私たちもそれに負けず、励みとして頑張っていかなければいけないと思います。
以前にも紹介ましたが、障害者サッカーを取材した宇都宮徹壱氏が「ビジュアル的にわかりやすい競技を取り上げる傾向が強いことは留意すべき」であると書かれています。
これはもちろんメディア側に対しての話となるのでしょうが、応援・支援する側にも同じことが言えるでしょう。
障害者全般に対して偏見などが問題になることは今でも少なくないと思いますが、特に精神障害者や知的障害者など体の内部に関する障害に関しては、まだまだ世間からの正しい認識が進んでいないようにも思います。
そういった社会的側面もあって精神障害者スポーツや知的障害者スポーツは、他の障害者スポーツより盛り上がりの面で一歩遅れているのかなと思わなくもありません。
もちろん私も障害に関しては勉強段階ですし、全てを理解しているわけでは到底ありません。
しかし、障害というものを健常者が知るためにも、スポーツというものは素晴らしいツールの1つではないかと思います。
同じコートに立って同じルールで戦えば障害者も健常者も関係ないし、共に戦う仲間としてあるいはライバルとしてプレーすることができる。
それによってお互いの気持ちが、一歩近づけるかもしれない。
それだけでも、とても素晴らしいことだと思います。
障害者スポーツの支援と言っても、個人的には健常者のスポーツ運営と気持ちは変わりません。
ソフトテニスをやっていたので、大会の運営本部を手伝ったこともあったし審判なども何度もやってきました。
ソフトテニスは負けたペアが審判をやることが基本なので、当然のように他の試合もお手伝いすることになる。
もちろん観客からブーイングを浴びた経験もあるし、白熱した展開だと選手がヒートアップすることもある。
正直、やりたくないなぁと思ったこともなくはありません。
しかし、基本的にはそこにいる選手や観客と共に試合を成立させて、盛り上げようという気持ちには変わらない。
逆に審判を他の選手にやっていただくこともあるわけで、そこでの助け合いによってスポーツが成立するのだと思っています。
障害者バスケットボールに対してもその気持ちは一緒で、その場にいる人たちが共に楽しめる環境を作ること。
障害者スポーツ支援と言っても特別なことはなく、言ってしまえばそれだけのことなのかもしれません。
昨日の大会でも選手の方からたくさん声をかけていただけたし、ボランティアの方たちとも交流が出来て、こちらも楽しく運営することができました。
非常に良い雰囲気でやれていたと思います。
そういった前向きな雰囲気を作ることができるのが、本来のスポーツの良さでもあるのでしょう。
1つの目標に向かって、一緒にプレーをして、一緒に楽しんだり、悔しがったりすることができる。
そういった思いの共有というものが、スポーツにとって根底にあるものなのかもしれません。
個人的にはプロスポーツクラブにも、障害者スポーツにもっと積極的に関わってほしいなぁという思いがあります。
Jリーグでも各チームが様々な種類のイベントを実施していますが、スポーツクラブの一番の強みは当然そのスポーツにおける知識や競技力でしょう。
なかなかお金になることではないのかもしれませんが、それを活かした社会貢献・地域貢献をしてこそ、プロのスポーツクラブの価値が高められるとも言えるのではないかとも思います。
そのあたり含めて、今のジェフにはビジョンが見えないように思ってしまうのですが…(笑)
祖母井氏などがいた頃のジェフは、そういったスポーツの普及活動、スポーツによる地域貢献といったものを積極的にやっていました。
それによってクラブの価値を地道に高めていこうという思いや、スタッフなども含めて"人"を育てていこうという考えがあったはずです。
ついついジェフの話になってしまいましたが、ジェフに限らず言えることでもあると思います。
もちろん精神障害者フットサルを長く支援しているG大阪や知的障害者チームを持つ横浜FMなど、積極的に障害者支援をされているところもあるわけですが。
とりとめのない話になってしまいましたが、縁あってこうやってスポーツに関われることは本当にありがたいことです。
まだまだ精神障害者バスケを広められていないのは、単純に私たちの力不足でもあると思います。
より一層の努力をしながら、多くの人に精神障害者バスケに関心を持っていただいて、1人でも多くの参加者・支援者を増やしていきたいと思います。
これを読んでくれた方たちが、そういった活動もあるんだなぁと頭の片隅にでも残ってくれれば幸いです。
来年もより一層頑張って、精神障害者バスケを少しでも盛り上げていきたいと思います。