ジェフ、DF奈良、GK秋元の争奪戦に参加

 日刊によると札幌からFC東京にレンタル移籍しているDF奈良獲得に、川崎、FC東京と共にジェフも興味を示しているとのことです。
 また、湘南GK秋元の争奪戦にも千葉が参加していたと、スポニチが報じています。


 ジェフにとってはどちらも勝ち目の少ない争奪戦ではないかと思いますし、意外なところでジェフの名前が出てきた印象です。
 それでもとりあえず声をかけてみるというスタンスは、何となく高橋GMが所属していた神戸のようなイメージがあります。
 これも強化部トップの変化によるものなのでしょうか。
 それともあえてこうやってクラブ名を出すことで、多方面にアピールする狙いでもあるのでしょうか。



 奈良は元々J1でのプレーの意欲が非常に強く、J1でプレーしたいという思いもあってFC東京にレンタル移籍した形。
 FC東京もCBの選手層からして即戦力というわけではなく、将来性も加味しての補強だったはずだと思います。
 それだけに、レンタルから完全移籍の可能性は十分にあった選手。
 川崎が声をかけたことに関しても、驚きはないように思います。


 もし完全移籍にならなくても、札幌では主軸選手としてプレーしていた選手。
 CBという経験が求められるポジションで、2種登録時代から試合に出場し、22歳ながら札幌で103試合に出場。
 J1チームにならともかく、ライバル候補のジェフ相手に簡単に移籍するとは思えません。
 本人としても下部組織から札幌でプレーしてきたわけで、同じJ2なら札幌に残る可能性が高かったのではないでしょうか。



 確かにジェフは若手〜中堅のCB候補を複数人放出してしまいましたので、CBはどうするのかな?とは思っていました。
 栗山、田代が放出されたことによって、本職のCBは大岩を入れてもキム、富澤と戦力として計算できるのは3人程度。
 もともとジェフは斉藤TDになってから少数精鋭で戦う方向になっていたので、能登、伊藤、河津の補強も人数を埋める意味合いもあったと思うのですが、今オフはさらに多くの選手が契約満了になりましたので、単純に人数が足りなくなる可能性もあるように思います。


 とはいえ、主力選手は残していますので、そこにさらに主力候補となるCBを補強するというのは意外な印象もありました。
 やはり3バックを試そうとしているのか…。
 船山や噂に上ったパラグアイ代表MFも、シャドーの方があっているかもしれません。
 しかし、そうなるとWB候補も不足がちで、CBだけでなくそちらも補強しなければいけなくなる。



 あるいは、大岩をSBとして計算するつもりなのか。
 しかし、大岩のSBは現実問題として、限界も見えていたように思います。
 または、富澤をボランチとして考えるのか。
 けれども、パウリーニョを軸に考えると、相性は良くないようにも思えます。


 そう考えていくと、大岩、キムあたりが移籍となる可能性もあるのでしょうか。
 キムは今季はミスも目立ちましたし、アジア枠選手でもあるので上から声がかかるかどうかは微妙なところだと思います。
 大岩は昨年もJ1クラブから声がかかっていたという情報がありますので、そちらの方が心配かなとも思います。
 ジェフの場合、選手の平均年俸は比較的高いのでしょうから、J2のライバルチームへの主力選手移籍はあまり考えなくてもいいと思いますが。



 CBの人数的な心配はあるにしても、奈良は現時点での能力も高く、かつ将来性も期待できる若手選手。
 いわば一番市場価値が高い状態とも言える状況ですから、そこに声をかけても成功の可能性は低いでしょう。
 だからこそ、若手選手に関してはしっかりとスカウティングをして無名な選手でも発掘し、大事に育てていく必要があると思うのですが、今オフは今のところその逆をいっている気もしないでもありません。


 秋元に関しても、確かにGKは重要な補強ポイントだと思います。
 レンタルの高木が残ってくれたとしても、高木、岡本ともに今年は精彩を欠いていた印象で。
 しかし、秋元もJ1に所属するクラブで、例え年俸ではこちらのほうが高い金額を提示できたとしても、移籍は現実的ではないように思います。


 そもそもとして秋元は高木と同様にどっしりと構えるタイプではなく、どちらかと言えば前への飛び出しなど積極的に動くタイプのGKだと思います。
 それだと今季後半の引いて守るスタイルには合わないと思うのですが、来季のサッカーをどのように考えているのでしょう。



 もちろん加入してくれれば2人とも十分に戦力候補となるでしょうが、どちらも現時点では現実的ではないように思います。
 クラブの名前が報道に出ると「しっかり動いているのだな」と思えてしまいますが、実際には報道に出なくても多くのクラブが何らかの動きは見せているはずです。
 そこに惑わされることなく、クラブがどのようなビジョンを考えているのかを推測しながら、冷静にオフを見ていきたいところではないでしょうか。