鈴木隆行が現役引退を発表
先週、鈴木隆行が現役引退を表明しました。
ジェフの公式サイトでも記者会見のレポートがアップされました。
ジェフ所属の選手というだけでなく、偉大な日本人選手の1人が引退したことになりますね。
印象としては、Jリーグでの活躍以上に日本代表で活躍したイメージが強いのではないかと思います。
2001年には日本開催のコンフェデ杯でスタメンに大抜擢され、その初戦で2ゴールの活躍。
当時の日本代表はFW不足が言われJリーグも外国人FWが活躍する傾向が今よりもはっきりとしていましたから、あの試合でのインパクトは非常に大きいものだったと思います。
しかし、その後代表に定着して以降は、得点以上に献身的な守備力や前線で体を張るプレーの面で貢献。
個人的にはそういった動きの重要性を教えてもらった選手でもあり、それは巻にもつながるところがあったように思います。
そして、2002年の日韓W杯初戦ベルギー戦ではゴールをマーク。
試合には2-2の引き分けで終了し、日本代表のW杯における初勝点獲得に貢献しました。
あのワンプレーだけでも、日本サッカーの歴史に残る選手と言えるでしょう。
現在よりも日本代表に対する注目が高く、成績もチームとしても成長段階であり、国内での盛り上がりもヒートアップしていた中で活躍した選手の1人だったと思います。
日韓W杯以降はベルギーやセルビアの名門レッドスターでもプレーしますが、目立った活躍とはいかず。
日本代表からも離れていきました。
そして、08年から10年にはアメリカでのプレーも経験しています。
Jリーグでは鹿島でプロ生活をスタート。
当時から若手選手をブラジルに武者修行させることが多かった鹿島で、鈴木もブラジルで経験を積んでいきます。
そして、98年途中からはジェフにレンタル移籍。
99年にJ2がスタートすることに合わせて行われたJ1参入決定戦の福岡戦で、貴重なゴールを決めてくれました。
アメリカ帰国後は引退の示唆していたものの、東日本大震災の被害を受けた水戸を支援すべく無償でプレー。
水戸では以前の守備力の高さフィジカルの強さだけでなく、うまさも見せ主力選手として4年間活躍。
そして、今年ジェフに加入しました。
もともと水戸加入前に引退を考えており、ジェフ加入前にも引退を考えていたという話だったはずです。
そのジェフでも2試合の出場に留まり出場時間も限定的なものでしたから、引退を選ぶ可能性は十分にあるのだろうと思っていました。
それでもジェフでは先頭に立って練習に取り組んでいたという話をよく耳にしますし、若手の見本として貢献してくれた部分も大きかったのではないかと思います。
レジェンド選手がジェフに加入してその年で引退するケースは、藤田俊哉にも似た印象を受けます。
確かに若手の見本にはなる部分もあるかもしれませんが、どうせならそういった選手はジェフ内部から出てきてほしい思いもあり複雑な印象もあります。
ベテラン選手が少ないクラブ事情ならそれも納得ではありますが、現在のジェフはそういった状況にはないと思いますし。
ともかく、長い間お疲れ様でした。
今後は指導者の道を目指すとのこと。
Jリーグ、日本代表、海外チームとさまざまな経験を積んできた鈴木のような選手が指導者としても活躍できるかどうかといった点は、今後の日本サッカー界を占う上でも注目なのではないでしょうか。
今後も頑張ってほしいと思います。