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孤独な監督と"新生ジェフ"の成功体験

 東京Vを中心とされているブログ「みどりのろうごく」さんが、ジェフの現状に関してのエントリーを書かれています。
 アトさんは13年あたりからジェフのことを注視されていて、今年はフクアリでも一緒に観戦する機会に恵まれました。
 いつもながらに非常に示唆に富んだ内容で柔軟な切り口で本質に迫った内容となっておりますので、私などの文章を読む前に一読されることをお勧めします。


 メインとなるお話を強引にまとめると、ジェフにはチームに残るものがなく、チームの実態が不在な状況で、毎回監督が孤独な状態に陥っているのではないかというもの。
 監督が孤独な状態になっているという表現は、非常に興味深く納得できるものだと思います。
 それを受けて、あくまで自分の思うジェフの現状を話していきたいと思います。



 まず、以前から当ブログをご覧になっていただいている方にはご存知かと思いますが、私はJ2降格時から早期の昇格は諦めてでもチームのベース作りを優先すべきではないかと話していました。
 なぜかというと、07-08オフの大量流出からジェフはベースがない状況で戦っていたと感じていたから。
 08年こそ何とか残留できましたが、あれも「これでもか」と行った緊急補強の成果であり、チームのベースが再構築できたわけではなかった。


 ようするにジェフは同規模予算で降格したG大阪や神戸、FC東京や柏のように、ボタンのかけ違いや一時的な不調によって降格したクラブとは別物だということ。
 大量流出もあって一度チームのベースが崩壊して、地力が失われたまま降格したクラブ。
 だから、どうしてもどこかでベースを作り直す努力は必要だろうと感じていたのですが、降格以降もパッチワークのような補強ばかりで軸が作れないでいる。
 ベテラン獲得がメインでベースのない上に積み重ねようとしている様子は、まさに砂上の楼閣といった印象です。


 だからこそ、私は14年開幕前のサポコミで、斉藤TDと島田社長が土台を作り直すと話したことに大いに期待したのでした。
 もちろんベース作りというのは口で言うほど簡単ではないのだろうし、狙ってどこまでできるかどうかも分からない。
 しかし、斉藤TDはベテランに頼らない選手構成を目指し、アトさんの言葉を借りれば"異様な忍耐力"を持つ鈴木監督を起用した方向性は間違っていなかった。
 そこで我慢すれば何かが生まれる可能性があるのではないかと期待したのですが、クラブとサポは我慢できなかったことになりますね。



 アトさんは"成功体験"に関しても触れられています。
 以前のジェフは、若手育成と欧州路線で成功を遂げていました。
 だから、昔からのサポは、今でも若手の成長を見守りたいという方が多いように思います
 もう15年以上も前の話になりますが、降格の危機に苦しみながらも佐藤兄弟や阿部、山岸や工藤や岡本などがユースで活躍しているという情報を聞いて「今は辛いけど我慢しよう」という話をしていたことがありました。
 そして、実際に彼らが成長して一時はJ1でも上位争いに成功していることになります。


 しかし、現在のジェフはフクアリに移転し、フロントも変わり、客層も変わっていった印象があります。
 その新たなクラブ、新たなサポの"成功体験"と言えば、08年の奇跡の残留ということになるのではないでしょうか。
 ようするに、ともかく即選手を補強して、その場の結果を優先して、一時的な成果を上げること。
 けれども、それだけでは長期的な成功の可能性は低いと言えるでしょう。



 もちろん新旧のサポの話をするつもりではなく、古くからのサポも含めて今のジェフは形成されています。
 けれども、ジェフの歴史を振り返ると、やはり07-08年前後に一度大きな変換期を迎えたのは事実です。
 当時も私はこの変革期からクラブがどのような変化を遂げるべきかを、何度も話していた記憶があります。


 当時のジェフははオシム親子の退団だけでなく、長らく若手路線・欧州路線を支えていた祖母井GMも退団。
 フロントも古河主導からJR主導に移行。
 フクアリ移転などもあって予算も拡大。
 そして、サポーターもフクアリへの移転、日本代表への大量選出、奇跡の残留からのJ2転落もあって、大きく入れ替わった印象があります。


 これだけ入れ替わったのですから、クラブが変わらない方がおかしいのかもしれませんし、今までのやり方・考え方が通用しないのも当然とも言えるのかもしれません。
 その間にはイビチャ監督と祖母井GMを引き留められなかったフロント批判が、なぜか現場にも影響しアマル監督へのブーイングにもつながった頃がありました。
 アマル監督を批判し退団に追い込み、その後のチームが大苦戦…という流れは、現在のジェフにも近いものを感じます。
 あれがチーム崩壊の一端だったように思うわけですが、それを繰り返してしまっているということにもなるような気がします。



 フクアリ10周年の時にも言いましたが、結局のところ"新生ジェフ"として、どのようなクラブを目指すのかがはっきり作れていない。
 昔のジェフは予算も少なく、あえてベテランを解雇し若手の台頭を狙うということもしてきました。
 短期的な結果だけを考えればベテランを残した方がよかったと思うのですが、クラブは長期的なビジョンも考えていたということなのでしょう。
 練習場もスタジアムもJ1最低と言われていたクラブでしたが、その中でも工夫を凝らしてビッククラブに対し、チャレンジャー精神を持って戦うことがウリのチームだったと思います。
 そういった意味で、アトさんのおっしゃる「貧乏になってみること」というのも、理解できると思います。


 しかし、実際にはもうフクアリにも移転してしまっていますし、ここから貧乏クラブになるというのは現実的ではないのでしょう。
 では、恵まれたクラブになった"新生ジェフ"は、どのようなアイデンティティーを持ったクラブになるのか。
 その"成功体験"、"成功例"というのは、まだ1つも打ち出せていないように思います。
 

 結局のところ現状では、どちらにしても中途半端で。
 育成型クラブでもないし、J1トップレベルの選手を補強できるほどの予算もない。
 その中でどういったビジョンを打ち出すのかも作れずに、焦り、我慢できず、苦しんでいるのがジェフではないかと思います。

 

 その中途半端なチーム状態で難しいだろうという話が、先日アップした関塚監督続投への思いに繋がることになります。
 確かにベースもなく中途半端なクラブ状況で難しいだろうとは思いますし、それが孤独状態に見えるということになるのでしょう。
 とはいえ、試合内容で言っても結果で言っても今年はJ2暮らしの中でも最も悪い状況だったように思いますし、基礎的な戦術も出来ていないわけで言い訳は難しいだろうと。


 しかし、いつまでもそれを言っていては先に進みませんので、監督を続投するにしろクラブにはしっかりと発表をしてほしいところ。
 個人的にはいい加減腹もくくったので、続投が発表されても驚きはしません。
 来季の監督が発表されない限り今季が終わった気がしないように思いますし、そこくらいはクラブにけじめをつけてほしいように思うのですが。