田中佑昌の契約満了が発表
27日の田代、佐藤祥に続いて、28日には田中佑昌の契約満了が発表になりました。
田中の契約満了はそこまでの流れとは若干違う印象も受けましたので、あえて別に取り上げることとしました。
田中は12年に、下部組織から所属していた福岡からジェフに加入。
ジェフでも長らく主力選手として、活躍してくれました。
スタミナがあって運動量豊富で、上下に何本もアップダウンできる選手。
献身的で攻守において体を張ったプレーが出来る選手で、ゴール前にも飛び出すことができる。
12年にはリーグ戦34試合に出場し8ゴール、13年にも37試合に出場し9ゴールを決めています。
運動量豊富で前方向に走れる選手は複数いたものの、攻守に戦える選手は少なかったジェフですから、非常に貴重な存在でした。
左右でプレーできることもあり、どの監督にとっても使い勝手の良い選手でもあったのではないかと思います。
センタリングは質も高いものがあり、今年もアシストなどを決めています。
SUPER SOCCERの集計だと今年の田中は8アシストでアシストランキング3位という素晴らしい成績になっています。
ただ、Football LABでは4アシストと書かれており、さすがに8アシストほどの結果は残せていなかった印象もありましたが、それでも途中出場が多い中で運動量や守備面だけでなくアシスト面のでも貢献してくれた試合が多かったように思います。
しかし、細かなテクニックは得意ではなく、中盤でのプレーに絡めないところが課題の選手であるとも言えると思います。
それでも2013年にはパスサッカーの中で右SHから斜めに飛び出せる選手として、頑張ってパスワークもこなしていた印象ですが。
また、決定力においても若干課題があり、今季終盤も得点のチャンスは何回かあったものの、決めきれなかった場面が目立ってしまいました。
そのあたりの課題もあって今季も28試合に出場していますが、途中出場が多く出場時間でいえばジェフに加入して最も短いものとなっています。
今年は井出の台頭や水野、ペチュニクなどの加入も大きかったと思います。
それもあって、秋頃には今季限りで退団かな…とも思っていました。
しかし、第40節になって突然スタメン出場の機会を得ることになります。
チームとして守備の穴を埋めきれない状況もあって、運動量豊富で守備に貢献できる田中と松田を両SHに起用。
田中はDFラインまで戻ってSBの位置から、ゴール前まで走り込んでいく動きを見せていました。
しかも、そのアップダウンを試合終盤まで実施していたのですから、見ていても頭の下がる思いでした。
特に1-0で勝利した東京V戦での田中の運動量は、驚異的なものだったと思います。
何度も話していますが、昨年も最終的には山口慶や幸野、町田など走れる選手で守備のスペースをカバーしていた印象でした。
今年も最後は田中や松田などを起用して、走力で守備の穴を埋める形となったと思います。
そう考えると来年も関塚監督続投ならば、守備面を走力でカバーする形になる可能性を考えておかなければいけないかもしれません。
関塚監督としては、本来は違った形をやりたいのかもしれない。
しかし、来年も紆余曲折を経て、走れる選手で守備をカバーせざるを得ない状況になるかもしれない。
そのあたりも考慮した選手構成を組むことができるかどうかが、重要になってくるのではないでしょうか。
続投のメリットは監督の特徴が良い面でも悪い面でも十分に理解できて、それにあわせた選手構成などを作り上げることができることが、1つの大きなポイントとなるはずです。
監督続投への反対意見も多い中で、それを実施するのであればそういったメリットを最大限有効に活用した、チーム運営をしてほしいところ。
…にもかかわらず、今年は強化部のトップが変更になってしまうわけで、果たして新体制がどれだけ関塚監督を理解できているのか、不安な面もあるように思います。
中からと外からでは見え方が違う部分もあるかもしれませんし、そういった意味でも「あべこべ」な印象を受けてしまいます。
田中に関してはともかく真面目な選手で、ジェフでは監督が変わるたびにチームのスタイルが大きく変わる中で、懸命にそれぞれのチームに対応しようと努力していた印象があります。
うまさはないけど走れて攻守に戦えて一生懸命頑張れる選手…ということで、どこか昔のジェフを思い出すようなところもあった選手ではないかと思います。
ぜひ次の良いチームが見つかってほしいですね。
いまさらな話になりますが、生まれ育った福岡からよくジェフに移籍してくれました。
ありがとうございましました。