若手〜中堅の4選手が退団 「根本的に見直す」の真意は

 もう少し讃岐戦の話もしようかと思っていたのですが、この時期は様々なニュースが出てくるので取り上げにくいですね。
 プレーオフJ2・J3入れ替え戦も気になるところですが。
 ちなみにプレーオフでは、導入以降で最も4位との差をつけ首位にも肉薄した福岡が、ついに3位からJ1に勝ち上がるのか。
 それともC大阪が監督交代によるカンフル剤によって、昇格を果たすのか注目したいところです。



 さて、ジェフでも契約満了の選手が発表になりました
 栗山直樹、能登正人、伊藤槙人、河津良一の4選手が退団ということになります。
 仕方のないこととはいえ、寂しい季節がやってきましたね。


 栗山は13年に専修大からジェフに入団しましたが、入団前に大きな怪我にあい入団時から出遅れていた印象です。
 14年夏には町田にレンタル移籍しましたが、直後に右膝前十字靭帯損傷し再び大怪我。
 それにより、町田でも出番なく終わっています。


 今シーズンは7試合に出場。
 7月4日の岐阜戦でのスタメン出場が、公式戦初出場となりました。
 当時のジェフはハイプレスが機能しなくなり新たな方法を模索している中で、リトリート守備に移行しようかといった時期。
 後方で守りを固めてDFラインから展開するといった狙いに変わろうとしている状況下で、足元の技術がある栗山が選ばれたということなのでしょう。


 しかし、岐阜戦から裏への対応に課題が見られ、難波のマークを見失う場面が目立ってしまいました。
 その後は試合に出場していくことで公式戦のスピードに慣れつつあるのかなとも思っていたのですが、富澤が加入したこともあってポジションを失います。
 それでも9月13日の京都戦では再びスタメン出場を果たすなど、関塚監督からの評価は高いのかなと思っていました。


 ただ、それ以降の試合でも、やはり裏への対応はあまり得意ではない印象でした。
 反転するスピードに課題があるだけでなく、細かなポジショニングの部分で相手を見失うことが多かった。
 そのあたりがトップレベルだと大きな課題のように見えました。


 それでも関塚監督は山村や富澤など、高さがあって大きな展開が作れるCBを好む印象ありますし、退団は意外な印象も受けました。
 関塚監督は川崎時代にも、そういったタイプのCBを積極的に起用していた記憶がありますし。
 そのため富澤がいない場合などを考えて、監督続投なら栗山は残すのではないかと思っていました。
 他のCB獲得に目途が立ち、現在所属するCB残留も見えてきたということなのでしょうか。



 能登は今季加入して、7月8日の金沢戦の1試合に途中出場。
 タイリーグでの経験も豊富で、金沢戦でも比較的落ち着いていた印象を受けました。
 1試合しか見ていないのでわかりませんが、体幹が強く、運動量が豊富で、守備もできる選手ではないかと感じていました。
 どことなく、要田を思い出すところもあったような…。


 金沢戦以降は安や松田などがレンタルで加入したこともあって、出場機会は失われています。
 能登も他の補強動向次第で、来季の立ち位置が変わるところがあるのだろうなとは思っていました。
 ただ、フィジカルのしっかりとしていそうな選手で、能登も関塚監督好みなのではないかとも感じていたのですが。

 
 伊藤も今季駒澤大学から加入して、4月29日の熊本戦に1試合出場。
 右SBとして出場しましたが短い出場時間でしたし、本来はCBという話もあってか苦労していた印象もありました。
 ただ、身長もある選手で伊藤もまた今年のフィジカル重視のチームの中で、補強された選手なのかなと思っていました。


 河津も今年、専修大から加入。
 専修大ではキャプテンも務めていたようです。
 残念ながらジェフでは出場試合がなく、8月からアスルクラロ沼津にレンタルしていました。
 沼津では出番もあったようですし、このまま完全移籍となればいいのでしょうが…。



 もともと能登、伊藤、河津の3人は今年は全体の人数が少なかったこともあって、練習生的な意味合いで加入した部分もあったように思います。
 そう考えると仕方のないところもあるのかもしれませんが、結果的に栗山も含めて若手〜中堅が一気に4人退団したことになります。
 また、偶然なのかもしれませんが専修大卒の選手が2人、ジェフを去ることになりました。


 これがTD、GMが変わったことによる影響によるものなのか。
 それとも単純に選手たちの力の足りない部分があったのか。
 プロである以上は実力社会ですから、後者であれば仕方のない部分もあると思います。



 島田社長は「根本的に見直す」という話をしていました。
 多くの方は若手育成の方向に進むのかなと感じたのではないかと思いますし、私も当初はそう感じていました。
 しかし、考えてみれば世代交代を進めていた斉藤TDがチームを去り、積極補強のイメージが強い神戸から高橋氏が加わり、土台を作るタイプとは異なるように感じる関塚監督は続投…。


 そう考えるともしかしたら「根本的に見直す」というのは、むしろ世代交代を諦め即戦力補強の方針に戻すという意味なのではないかとも思わなくもありません。
 その一環として、この4選手が退団になった可能性もあるのかなと。
 まだどういった方向に進むのかはわかりませんが、そのあたりを注視して今後のオフを見ていきたいなと思います。



 ともかく、4選手お疲れ様でした。
 ぜひ新たなチャンスを他チームでつかんで、次の舞台で活躍されることを期待しております。