どちらも総力戦となる岡山対ジェフ戦

 東京Vに勝利したジェフは順位を2つ上げ6位となり、プレーオフ出場も現実味を帯びてきました。
 久々の勝利をあげたもののここ最近の成績でいえば決して良いとは言えない状況には変わりありませんが、ジェフ対東京V戦の解説をされていた水沼氏も「他チームも勝てていないから」と話していたように、ライバルチームも成績を伸ばせず6位に浮上したということになると思います。
 ジェフとしてはこのチャンスをものにできるか、今後の試合が大事になってきますね。



 明日対戦する岡山もプレーオフ出場を目指していたものの、ここ最近は勝ち星を伸ばし切れていないチームの1つと言えるでしょう。
 今季の岡山はシーズン序盤こそ好調だったものの、その後は徐々に順位が後退。
 8月、9月に再び勝点を伸ばして順位も10位まで上げていましたが、ここ5試合は勝利から遠ざかり順位も現在13位となっています。


 特に引き分けの試合が多く、ここ5戦の成績は1敗4分。
 5試合合計で2得点しかあげれていない攻撃面に、課題があるようです。
 前々節は讃岐に1-2で敗れ、前節は岐阜相手にスコアレスドローと、下位チーム相手に勝ちきれず。
 前節の結果でプレーオフ出場の可能性もなくなり、残り試合のモチベーションも気になるところです。



 今季の岡山は、3-4-3のフォーメーションを一貫して実施。
 守備時には5バック気味に守り、攻撃時には1トップ2シャドーでタメを作りながら、サイドも使っていく展開。
 このシステムの場合、中央でもサイドでもトライアングルを作りやすいというメリットがあるように思います。


 この3-4-3の戦い方は、J2中位チームのトレンドになっている印象があります。
 長崎や愛媛なども同様のシステムで、長崎は攻撃時のロングボールに、愛媛は守備直後の切り替えに特徴がありますが、ベースとなる部分は似た発想だと思います。
 基本的には戦力で劣るチームがジャイアントキリングを狙うために、カウンターメインで戦う手法として考えられていると言えるのではないでしょうか。



 対するジェフは、前節東京V戦で素早くFWに展開するサッカーで1-0の勝利を収めました。
 しかし、東京Vは守備へ戻る意識が遅く後方の選手にサイズの問題があったため、うまくいった部分があったと思います。
 相手の守備が整いFWのフィジカル勝負で勝てない状況で、ロングボールを蹴り込んでも良いリズムは作れないわけで、そうなった時にどう戦えるかがポイントとなるのではないでしょうか。


 岡山戦ではペチュニクと安が、代表に選出されたため欠場が決まっています。
 東京V戦ではロングボールのターゲットとして活躍したペチュニクはもちろん、安もここ数試合途中出場が続いており大事な戦力だったと思います。
 2人が抜けるのは苦しいですが、その分良い選手を抱えてきたと言えるわけで仕方のないところですね。



 また、明日の試合では勇人、パウリーニョボランチコンビも出場停止。
 どちらも優位に進めていた前半のうちに1枚目のカードを受けてしまい、非常に残念なプレーでした。
 勇人はタッチラインを超えたボールを蹴って遅延行為、パウリーニョは安易に足の裏を出して危険行為でイエローカードと貰い方も悪かったですね。


 なおパウリーニョは東京V戦終盤に2枚目のカードを受けたため、記録上はイエローカード1枚とレッドカード1枚を受けた扱いになるはずです。
 そのため累積警告での出場停止ではなく、レッドカードによる出場停止となります。
 累積警告での出場停止は2度目となるパウリーニョはイエロー1枚だと2試合出場停止になるはずだったので、わざともらった可能性もあるのかもしれません。
 ただし、最終節でイエローを受ければ、プレーオフに出場できなくなることになりますが。

 

 ジェフとしては水野、井出が間に合うかどうかが、ポイントの1つになるのではないでしょうか。
 2人が出場できれば松田を前線に戻すこともできるかもしれないし、田中をスーパーサブとして残すこともできるかもしれません。
 また、FW2人が代表で抜けることもあって、このところベンチから遠ざかっているオナイウの状態も気になるところです。


 ボランチは、健太郎と富澤のコンビになるのでしょうか。
 富澤を1列上げてCBに大岩を戻して、金井や北爪を右SBにするパターンが考えられると思います。
 富澤は長らくボランチでプレーしてきた選手ですし、金井・北爪もレギュラー組と遜色のないプレーができると思います。
 CB候補には栗山もいますね。
 レギュラー組は欠けますが選手は十分そろっていると思うので、あとは連携がうまくいくか…といったところではないでしょうか。



 4人の選手を欠くことになるジェフですが、岡山も同様に選手のやりくりが苦しい状況です。
 まず、今季チームトップの9ゴールを上げている押谷が、前節の退場で出場停止。
 夏場からレギュラーポジションを勝ち取ったDF篠原も、累積警告で欠場となります。


 また、左WBのレギュラー選手として活躍していた田所と、シャドー候補の1人である染谷が先週の練習中に負傷。
 2人とも全治2週間と診断されたそうです
 ジェフ戦出場は厳しいのではないでしょうか。


 前節スタメン復帰を果たした竹田、前々節1トップでスタメン出場した久保、ここ2試合スタメンを外されている伊藤など、元ジェフ選手にかかるところが大きくなる試合となるかもしれませんね。
 それぞれに苦労している面もあるようですが、ジェフ戦ということで気持ちを高めて挑んでくるかもしれない。
 ジェフとしては気を付けたい選手たちということになるのでしょうか。


 
 この時期に選手がかけるのは珍しくなく、どこも苦労は絶えないと思います。
 それを乗り切ってこそ、チームと言えるのではないでしょうか。
 岡山は勝星から遠ざかっていますが、引き分けが多く簡単には負けないチームとも言えるのかもしれません。


 プレーオフ出場権を僅差で争うジェフとしては引き分けではなく勝ち星がほしいところですから、相手のペースにはまらずに戦いたいところだと思います。
 そして、プレーオフに出場するだけでは意味がないわけで、プレーオフを勝ち上がるためにも東京V戦での勝利を勢いに変えていきたいところですね。