金井のゴールシーンは「練習していた通り」
札幌戦の63分から中村と交代で左SBとして出場した金井が、74分にゴールを上げました。
これまでの試合でも、金井の左SBは何度か実施されています。
もともと横浜FMでは左SBでのプレーも多かったわけで、左SBとしても大きな問題はないように思います。
ジェフではタイプの異なる中村が長らく左SBでプレーしているため、チームとして違和感はあるかもしれませんが。
札幌戦では左サイドの低い位置で切り返して、右足で蹴ったボールが得点となりました。
アーリークロスをゴール前に上げて、誰かが触ってくれれば…という狙いだったと思うのですが、そのままボールが流れて得点となった形でしょう。
ペチュニクがゴール前に飛び込んだことで、相手GKの視界を遮ったことも大きかったのではないでしょうか。
しかし、金井がスピードのあって力強いボールを蹴ったからこそ、生まれたゴールでもあると思います。
やはりクロスの質という意味では大岩や北爪よりも、期待できる選手と言えるのではないでしょうか。
中村と比べてしまうとボールの種類や精度に差があるかもしれませんが、金井の方が重いボールを出せる印象もあります。
水野もピンポイントでのクロスというのは少ないですし、金井のクロスボールはまた違った良さがあるのではないかと思います。
それでもここ最近の試合で金井がスタメンを外れているのは、いくつかの理由が考えられると思います。
もともとは大岩を起用して、跳ね返す部分を期待していたこと。
その大岩のコンディションも良かったこと。
そして、アップダウンできる大岩が良いプレーをしていたこともあって、札幌戦では運動量の部分で北爪を起用したということなのかなと思います。
金井にとって難しい状況なのは、チームとしてクロスを上げる形を作れていないという部分も大きいのではないでしょうか
シーズン後半からは中村からのクロス展開も作れない状況になっていますし、右SBからはさらにクロスを上げるような展開が少ない。
ここ最近のクロスからの攻撃は水野の突破からしか、なかなか期待できない状況だったと思います。
そのため大岩や北爪などアップダウンが出来て、攻撃を活性化でいる選手が優先されているということなのかもしれません。
金井はクロスやボール捌きは期待できても、自分で縦に突破するというプレーに関してはあまり得意ではないのでしょうし。
結果的にSBとしては攻撃面で良さを出しにくい状態になって、外されているという部分があるのかもしれません。
今回の得点に関して、金井は「練習していた通り」と話しています。
さすがにクロスが流れて得点になったところまでが「練習通り」ではないと思いますし、どのような点が「練習通り」だったのか。
シーズン序盤から何度かあった中央から展開して、左SBがアーリークロスを上げる攻撃のことなのか。
あるいはゴール方向への鋭いアーリークロスに対して、ニアから選手が斜めに飛び出していく形なのか。
具体的に何を示しているのか、気になるところですね。
ただ、これまでの試合でもゴールに絡んで「練習通り」というような話をしている選手はいましたが、実際にはそれ以降同じ展開でゴールが生まれたことは少ないことが多い…。
今回もこれが今後の武器になるかと考えると、期待はしにくいように思います。
ようするに、チームとして攻撃のパターンが作れていないということになるのでしょう。
結局、攻守においてチーム作りがアバウトな印象が強いですね。
今回もクロスボールに対して誰も触らず生まれたゴールであることは差し引いたとしても、「練習通り」というほどに細部までカチッとはまって決まった印象はないと思います。
それでも「練習通り」と感じてしまうほどに、チームとして細部まで詰め切れていない。
アバウトなところの多い、チーム作りになっているのではないでしょうか。
そういった点が、現在のジェフの低迷にもつながっているのではないかと思います。
より厳しく言えば、チーム作りが大雑把。
昨年後半も勢いだけで戦っていた印象がありましたし、それにクラブ全体が勘違いしてしまった影響も大きいのかもしれません。