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プレーオフ出場の可能性と木山監督率いる愛媛

 早いもので、今年も10月に突入。
 フクアリでのリーグ戦も、残り4試合となりました。
 あとは天皇杯J1昇格プレーオフがどうなるか、ということになります。


 チーム状況は芳しくないジェフでが、プレーオフ出場の可能性はまだ残されています。
 プレーオフに出場出来さえすれば、昇格の可能性も見えてくる。
 確かに3年連続プレーオフに出場して敗退していますから、精神的にはネガティブに働く可能性もありえるとは思いますが、一発勝負となれば何が起こるかわかりません。



 まず、現在の順位に関して、確認していきましょう。


       勝点 得失点差
1位 大宮   74   36
2位 磐田   64   18
3位 C大阪  59   22
4位 福岡   58    7
5位 東京V  53   11
6位 長崎   52   11
7位 愛媛   52    1
8位 千葉   50    9
 自動昇格圏内の2位磐田とは勝点差14ですので望み薄な状況ですが、プレーオフ出場権圏の6位長崎との勝点差はわずかに2。
 1試合で入れ替わる状況ですから、十分に射程圏内と言えます。


 加えて、9位には金沢がつけていますが、現在の勝点は45。
 ジェフとの勝点差5で、プレーオフ出場圏までは7と開いています。
 リーグ戦は残り8試合ですから、ここから追いつけるかどうかはギリギリの状況。
 10位岡山はそこからさらに勝点2離れておりライバルは少ない状況ですから、その分6位圏内に入れる可能性は高いと言えると思います。



 また、3位から8までのチームを見るとC大阪こそビッククラブと言えるでしょうが、その他のクラブはジェフより規模の小さい状況。
 直接対決となればまた別ではありますが、最終的な順位はクラブの総合力が現れるところがあると思います。
 ここに京都や大分、徳島などが入っていればジェフとしては嫌な存在だったとも思いますが、今季は下位に低迷していますのでその点も追い風ではないでしょうか。


 そして、プレーオフ本番においては、これまでの経験からしてプレーオフの時期に好調な状態にチームを持ち込めるか、プレーオフに向けてしっかりとした準備が出来るかが極めて重要になってくる。
 どんなチームであれ好不調の波はあって、例えば前節対戦した大宮も現在は調子が落ちている印象がありました。
 昨年のジェフも10月にピークを迎えて11月には早くも失速気味でしたし、うまくプレーオフ本番に状態を合わせられればチャンスを迎えられるかもしれない。


 もちろん現在の順位を考えると、それまでのリーグ戦でも結果を残さなければいけない状況であることを決して簡単なことではないとは思いますが、昇格の可能性だけを考えればまだやれることもあるかもしれません。
 ジェフはプレーオフ皆勤賞ではありますが、同じ監督でプレーオフに臨んだことはないわけですから、今年はそこをうまく活かしたいところではないでしょうか。
 まずはプレーオフに出場することが、何よりも大事ということになってくるでしょうが。




 好不調に関してはライバルチームも気になってくるところで、今週末対戦する愛媛も夏場の好調で一気に順位を上げてきたチーム。
 7月22日の第25節金沢戦から9月23日の第33節讃岐戦まで黒星がなく、プレーオフ圏内の6位に浮上。
 しかし、前節の横浜FC戦で1-2で敗れて、7位に後退しました。
 この敗戦によって愛媛の勢いが落ちるのか、それとも調子を維持できるかどうかが、プレーオフ争い全体においても気になるところではないでしょうか。
 さすがにこのあたりで、そろそろ息切れするといった可能性も十分に考えられるのではないかと思うのですが。


 今年から愛媛には、ジェフでも監督経験のある木山監督が就任。
 基本的なシステムは3-4-3で前からプレスをかけ、ボールを奪ったら1トップ2シャドーのトライアングルで素早くパスをつないで攻撃を作る。
 あるいは前線の3人でタメを作っておいて、サイドに展開し縦に素早く攻め込む攻撃が特徴となっています。


 そのプレスを掻い潜られた場合は、ウイングが大きく下がる5-4-1のようなシステムで守るスタイル。
 相手の良さを消すサッカーを前提としている印象で、前回対戦した時のジェフもそれに苦しみました。
 ジャイアントキリングを狙う小規模チーム、という立ち位置と言っていいのではないでしょうか。



 当時からブログでも話していましたが、やはり木山監督には小規模チームの方があっているのだろうなと、愛媛でのサッカーを見て改めて感じました。
 ジェフ時代にもカウンターサッカーを実施していた時期はあり、その頃の方が違和感なくやれていた印象なのですが、その期間は短かった。
 ジェフでは追う側ではなく追われる側の立場になることもあってか、ポゼッションを重視する期間が長かったですが、相手を崩すパスワークまでは作れず…。
 やはりあの頃は、木山監督も背伸びしていたのだろうと思います。


 特に愛媛を見て感じるのは、攻撃直後の守備から素早く切り替えてボールを奪い、テンポよくパスをつないでシュートまで持ち込むいわゆる"コレクティブカウンター"というもの。
 これは木山監督が指揮をしていた頃の水戸にも見られた展開で、その中でも斜めのパスを積極的に使う展開というのが両チームに見られる特徴でもあったと思います。
 しかし、そういったカウンターはジェフではほとんど見られなかったですし、やはり少なくともあのままでは無理があったのだろうと思います。
 あの後にジャイアントキリングを狙うコレクティブカウンターのチームに移行できれば成功の可能性も見えたのかもしれませんが、少なくともそれはあの1年では見られない部分でした。


 野球などでも小柄な用兵をうまく使って勝ち星を稼ぐ監督や、F1などでも小規模チームでしか成功できないテクニカルディレクターがいたりします。
 いくら良い監督でも、その場の環境などに合わなければ手腕は発揮できないわけで、適材適所というものがあるでしょう。
 ジェフと木山監督は相性という意味で、もう1つだったところがあったのではないかと思います。



 さて、ジェフの方は前節大宮に1-2で敗戦。
 しかし、スコア以上に、チームとしての熟成度合いの差を感じた試合だったのではないでしょうか。
 これで9月は、1勝2敗1分の成績となりました。


 厳しいチーム状況に陥ってはいますが、基本的には昨年関塚監督が就任してから、根本的な問題は変わっていないと思います。
 守備においてのバランスが悪く、ゴール前で跳ね返す守り方になりがちになってしまう。
 ビルドアップでも縦パスをつけることが出来ず、アタッキングサードにおける細部が詰められない。


 それを昨年は幸野、山口慶、町田、勇人などにおける走力でカバー。
 そして、今季はシーズン序盤のハイプレスなどで、誤魔化してきた部分があったように思います。
 その間に戦術的なベースが構築できればよかったのですがそれが出来ず、1年経ってボロが出てきてしまったということではないでしょうか。
 鈴木監督の遺産であったサイドでのパスワークなどが失われてしまったことも、現在の苦戦に繋がっているのではないかと思います。



 このままの状況だと、J1に昇格しても苦しいシーズンになるかもしれません。
 まずは昇格を目指すことが大事だとは思いますが、大分や徳島などが1年で降格してJ2でも苦労している状況を考えると、やはり短期的な視野だけではまずいと感じます。
 J1に昇格してもボロボロになって落ちてきてしまえば、クラブの崩壊につながりかねないということではないでしょうか。
 やはりしっかりと力をつけてJ1に昇格するということが、本来は望むべき状況なのだと思います。


 とはいえ、今季はもう残り試合も少ない状況ですから、まずはしっかりと最後まで走りきること。
 後に言い訳が残らないように、やれるだけのことはやることが大事だと思います。
 そうすれば、結果が出なくとも課題も収穫も見えてくるのではないかと思いますし。


  
 お互いにプレーオフ圏内のチームとの対戦ではなくなりましたが、ライバルチームとの大一番であることには変わりありません。
 ジェフはこの試合でしっかりと実力を出し切り、勝てるサッカーを見せられるかどうか。
 1つ間違えれば今季は終戦となりかねない状況だと思いますし、ここで粘りを見せてほしいところですね。