CF争いの中、安が2ゴールの活躍

 天皇杯初戦で、北朝鮮代表に選ばれた安が2ゴール。
 結果的にここ数試合スタメン起用されていたオナイウがお休み中に、安が結果を残したことになります。



 オナイウはここ数ヶ月好調でC大阪戦からはスタメンに抜擢されましたが、ここ2試合はあまり良さが出せず若干勢いが落ちていた印象がありました。
 やはりFWは勢いに乗っているうちに結果を残さないと、徐々に調子が落ちてきてしまうところがあるように思います。
 特にオナイウの場合はボール捌きや守備など細かな仕事は得意ではなく、前へのプレーに良さがある選手だと思うだけに、なおさら結果を残すことは重要だったのではないかと思います。


 加えて、オナイウはまだまだ若い選手。
 連戦に対する疲労の影響が出やすいところもある印象ですし、メンタル的な弱さもあるかもしれない。
 継続して活躍できるかどうか…という点においては、まだ未知数なところがあると思います。



 一方の森本は長崎戦を体調不良で欠場すると、横浜FC戦で途中出場。
 ボール捌きなどはさすがで、守備などでも貢献していたと思います。
 途中出場で周りの選手が疲れていたためやりやすかった部分もあったでしょうが、オナイウとは逆に細かな仕事においては計算しやすい選手と言えるのでしょう。


 ただし、ゴールに向かってのプレーに関しては、やはり強さが足りないといった印象もあります。
 横浜FC戦でも絶好のチャンスがあったものの、相手にブロックされました。
 GK南を抜いたのはさすが…と言いたいところですが、あれもトラップしたボールが外に出過ぎて中に切り返すしかなかったため、結果的に南を抜いただけだったような気もします。


 そして、天皇杯東京国際大戦でも安がペナルティエリアで倒されて得たPKを森本が蹴ったのですが、枠をとらえきれず。
 ここでもチャンスを決めきれませんでした。
 59分に交代となったようです。



 安はジェフ加入直後の第23節群馬戦、第25節水戸戦、第26節熊本戦でスタメン出場。
 まずまずの可能性は見せてくれていたと思うのですが、その後負傷のため戦線を離脱。
 第29節長崎戦、第30節横浜FC戦でベンチに復帰しましたが、出場機会はなく終わりました。


 ちょうどオナイウが好調だったという流れもあって、復帰後にチャンスが回ってこなかったという部分もあるのでしょう。
 しかし、東京国際大戦でも後方からの空中戦のターゲットになっていたようですし、その点では森本、オナイウより強みがあるように思います。
 また、ゴール前における落ち着きにおいても、期待できる部分はあるのでしょう。



 安の先制ゴールは水野のミドルシュートが相手DFに当たり、それを拾って足元のシュートを決めたもの。
 チーム3点目となるゴールは、水野からのクロスをダイレクトボレーでゴール。
 素早くシュートまで持ち込める鋭い足の振りも武器といった印象があり、シュートセンスもある選手なのかなと思います。


 怪我で出遅れていましたが、やはりFWとしてのポテンシャルは安も高いものを持っているように思います。
 これでCF争いは、より激化していくかもしれませんね。
 もちろん3人の中の2人が同時起用される可能性もあるかもしれませんが、ペチュニク、松田とセカンドトップタイプの選手が活躍しているだけに、基本的には森本、オナイウ、安で1枠を争うことになるのかなと思います。
 


 松田は天皇杯でも中盤でボールを受けて安との1-2で前に持ち込み、前方にスルーパスを出して町田のゴールを演出しました。
 パスの出し手としても、可能性を見せてくれたことになります。
 松田、ペチュニクといったセカンドトップの攻撃力をCFが囮となって活かすというのも1つの形だとは思いますが、セカンドトップばかりに攻撃面を期待するのも酷でしょうし、やはり本来はCFの得点力にも期待したいところだと思います。


 オナイウも森本もゴールは遠い状況が続いていますし、大学生相手の試合だったとはいえ安にとってこの2ゴールは良いアピールになったのかもしれません。
 単純な得点力やシュートのうまさという点では、安の方が他の2人より一歩リードしているのかなとも感じる部分があります。
 チームとしてはそういった可能性を、しっかりと拾い上げていく必要があるのではないでしょうか。