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横浜FC戦途中で富澤をボランチ起用

 横浜FC戦の85分から、ジェフは勇人に代えて栗山を起用。
 前節もオナイウに代えて大岩を入れて3バックにしているので同様の流れかと当初は思ったですが、実際には栗山をCBに入れて富澤を中盤に回しました。
 ジェフとしては得点が欲しい状況でもあり、意外なカードだったと言えるのではないでしょうか。



 関塚監督は試合後に、「パウリーニョがいないので、ボランチに誰を入れるか準備していた」と話しています
 ということは、勇人の交代がありきで富澤をボランチに起用したということなのでしょうか。
 少なくともこのコメントからだと、守備や攻撃面の改善などが理由とは読み取れないということになります。



 細かい話をすれば富澤のポジション取りは、ボランチというよりもフォアリベロに近いような印象を受けました。
 周りの選手が積極的に前に攻撃参加していく中で、CBの前から動かずボールを散らすような形で。
 それまでボランチを組んでいた勇人と健太郎も縦の関係を築き、健太郎が低い位置でプレーすることが多かったですが、状況に応じて前に出て行っていました。
 しかし、富澤はかなり低い位置でプレーしていて、守備的な役割が主だったような気がします。


 相手の1トップ2シャドーをうまく捉え切れていなかったので、富澤とCBの3枚で守ろうとする狙い。
 カウンターからピンチを作られていたので、富澤に中盤の底をカバーしてもらおうという狙い。
 黒津へのロングボールを止め切れていなかったので、黒津の前でスクリーンプレーを期待する狙い…などが、このカードの意味なのかなと当初は思っていました。



 ジェフの守備課題は大きく2種類あって、1つはリトリート時にゴール前に人数が固まる守り方なので、1列前が空いてしまうこと。
 もう1つは相手を押し込むとかなり前掛かりになるため、中盤が薄くなって相手にカウンターの形を作られること。
 そのカウンターを凌ぐために、フォアリベロの位置で富澤を固定化するという考えなのかと思っていました。


 しかし、実際にはこの交代で、何かが大きく変わった印象はなく。
 逆に横浜FCはその後大久保を起用して、栗山のところを狙っていたようにも見えました。
 勇人もそこまで運動量が落ちていなかったようには見えましたし、結局何が狙いなのかわかりにくかったですね。
 栗山もCBというポジションもあって、試合途中からは入りにくい部分があったのではないでしょうか。


 ただ、富沢自身はやはり本来はボランチの方がいいのではないかとも思います。
 最終ラインからの方がビルドアップを作りやすいチーム状況があるとはいえ、CBとしては裏を取られるシーンなどもありましたし跳ね返すだけならほかの選手の方がいい気もします。
 また、横浜FC戦ではすでに谷澤、森本を投入していてペチュニクなどは残したいということもあって、あれ以上の手がなかったといったところもあったのかもしれません。



 1トップ2シャドーへの対策に関しては昨年終盤に同じようなスタイルで戦っていた時もジェフは苦労していた印象で、プレーオフで敗れた山形も1トップ2シャドーでした。
 基本的に現在のジェフの守備は、2人のCBがどっしり構えて跳ね返す形。
 対して1トップ2シャドーは、1トップを軸として2シャドーがギャップを狙って入ってくる形が多いですから、相性が良くないということが言えるのかもしれません。


 横浜FCは2シャドーの寺田、松下がともに何でもできるタイプだったこともあって、前線の中央だけでなくサイドに流れたり中盤で受けたりといった動きをしていました。
 それに対してCBを中心にゴール前のエリアを固めるジェフは、そこについていけず中盤に厚みを作られたりサイドへの対応が遅れたり…といった点が見られたように思います。
 立ち上がりはジェフの選手たちの動きも重かった印象でしたが、あれだけ相手に良い体勢で仕掛けられるとどうしても一対一の対応で苦労するところがあると思います。
 例えば中盤で相手をフリーにし前を向かれてしまうと相手には選択肢が増え、対面の選手はいろいろな状況を想定して対応しなければいけないため、それだけで後手に回ってしまうことになります。



 確かにCBの裏を取られると一発でチャンスを作られる可能性が高まるため、引いて守った方がリスクは少なくなるという考え方もできるとは思います。
 加えてゴール前を人数で固めれば、最終局面で何とかしのぐといった展開も増えることになる。
 あっさりと失点するようなケースは減るということが言えるのでしょう。


 ただ、守備においても引いて守りリスク回避。
 攻撃においてもロングボールを蹴り込んでリスクを回避…というサッカーをしていると、どうしてもコンサバな印象を受ける。
 コンサバなチーム作りばかりを念頭に置いては、どうしてもチーム全体の伸び代・可能性という点において不安が出てくる可能性があるのではないでしょうか。



 振り返ってみると関塚監督就任後もなかなか勝点は伸ばせず、引いて守って中村がクロスを上げケンペスと森本が得点を奪うサッカーで勝点を稼いだことになります。
 今季は序盤こそハイプレスサッカーがはまりましたが、それも一ヶ月しか持たずその後は長らく迷走。
 8月にはいて再び引いて守って中村がセットプレーを蹴ってペチュニクが点を取るサッカーに戻して、ようやく立て直しのきっかけが見つかったということになると思います。


 迷走期間が非常に長かった上に結局ハイプレス期を除けば同じサッカーでしか勝点を稼げていないということで、監督の引き出しの少なさを感じる事態になっているように思います。
 このサッカーは、ロンドン五輪時代や川崎時代にも近いものを感じるところがあります。
 それだけに問題となるのか、このサッカーを継続していかに勝点を稼ぐかだけでなく、ここからどれだけチームを引き延ばせるか。
 このサッカーを継続するだけでは将来性に不安があると思いますし、更なる成長を見せられるかどうかがチームの将来に向けて大きな分かれ道となるのではないでしょうか。