移籍後、初スタメンで初ゴールをあげた松田力
8月4日にジェフ移籍が決まり、直後のC大阪戦では途中出場となった松田力。
チーム状況などを考えればいきなりスタメン出場でもおかしくないのではないかと思っていましたが、翌戦の長崎戦で初スタメン。
そして、いきなりゴールを決める活躍を見せてくれました。
昨日も話しましたが、ジェフは徳島戦から4-4-2で深く守るスタイルに変更。
ビルドアップも以前から最終的にはロングボールとなることが多いですから、スピードがあって前に強いFWである松田は良い補強ではないかと思っていました。
1トップだとスピード系のセカンドトップは居場所に迷うことも多いかと思いますが、2トップなら良さを出しやすいところがあるでしょう。
現在のジェフにはいないタイプの選手で、もともと今季開幕前は自力でシュートまで持ち込めるアタッカーを補強してカウンターサッカーを目指すのではないかと思っていました。
関塚監督のサッカーや本来のチーム状況を考えると、やはり無理のないスタイルに移行しつつあると言えるのかもしれません。
いかに儒雲南に戦おうとしたとしても、監督それぞれに合うサッカー・合わないサッカーというのはあると思いますしね。
CFをオトリとしてスピード系のセカンドトップが裏に飛び出す形になれば、細かい攻撃が作れないチームでもチャンスを生み出すことができる。
ジェフは細かい攻撃作りに長らく迷っている状況ですから、松田を起用してそこに期待する形になったといえるのではないでしょうか。
長崎戦ではその可能性を見せてくれたと思います。
体幹が強くパワフルな前への動きができること。
スピードがあってゴールに向かったプレーができる選手であることは加入時から期待されていたと思いますが、長崎戦では冷戦な判断力も見せてくれました。
得点シーンでも一度は相手に止められスピードを落とされてしまいましたが、落ち着いてゴールを見てシュートを選択。
ジェフにはオナイウや森本、町田などゴール前であわててしまう選手も少なくないですから、参考になる部分もあるのではないでしょうか。
J1でのプレーもあって、自信のあるプレーができているのでしょうか。
やはりゴール前での精神的な落ち着き、それに関係する自信といった部分は、前線の選手にとって重要な部分なのではないかと思います。
また、長崎戦ではシュートの精度も良かったと思います。
ゴールシーンに限らず、枠内へのシュートが多かった。
スピード系のFWは長い距離を走って疲労した状況でシュートを打ったり、スピードに乗った状況でシュートを打ったりしてミスをすることが多いですが、長崎戦での松田は確実に枠にボールを飛ばしていました。
筋力があって、しっかり力をボールに乗せることができていること。
冷静な判断ができていたこともあって、若干減速してからシュートを放っていること。
ここ数年ジェフの課題となっている決定力不足の解決に関しても、期待したい選手ということになるのかもしれません。
ただ、まだ1試合での活躍ですし、今後課題も見えてくるのだろうと思います。
長崎戦でもあれだけシュートを枠内に飛ばしていたのですから、欲を言えばもう1点ほしかったようにも思います。
相手DF前からのミドルシュートも多く、あれが1つのパターンなのかもしれませんが、そこからもう1つ前に行ける選手なのかどうか。
クロスボールに対する入り方も良かったですが、勢いのあるヘディングシュートは少なかったようにも思います。
繋ぎの部分でのミスもありましたし、周りを活かすプレーができる選手なのかどうか。
この辺りは加入間もない選手ですから、連携面の問題もあるのかもしれませんが。
守備でも失点シーンに絡んだことになります。
あそこまで松田が戻らなければいけない状況が問題で、良く戻って守備をしていたとも思います。
しかし、あのシーンではもう少し守備で粘ってほしかったのも事実でしょう。
今後松田がどのような選手人生を歩むかはわかりませんが、2列目でのプレーもすることになるのであれば戻った時の守備力というものも重要になってくるはずです。
また、今後は相手チームからの警戒も予想されます。
ここ数試合調子の良かったオナイウも長崎戦では研究されて、あまり目立ったプレーは出来なかった。
近年は相手チームへの研究も素早く行われるようになった印象があり、松田対策もすぐに行われるかもしれない。
相手から研究されても乗り越えられるかどうかが、プロ選手として活躍できるかどうかの大きな分かれ道になるのではないかと思います。
加えて現状ではコンディションも良いよう見えますが、コンスタントに試合が出られるようになったときに、コンディションを保てるかどうかも重要でしょう。
松田はプロの試合で長い期間、安定して試合に出場したことないと思いますし、そういった状況でも調子を落とさずにやれるのか。
この辺りは、他の若手選手にも言えることだと思います。
とはいえ、チーム状況にはぴたりと合った補強であることは間違いないのではないでしょうか。
やはり松田の獲得は、ピンポイントの良い補強だったのではないかと思います。
ここから継続的に活躍できるかどうかは、チームと選手次第。
松田にはぜひこのままの勢いでブレイクして、ジェフと共に飛躍していってほしいところだと思います。