松田の先制ゴールも引き分けに終わる
お盆ということで、1日分ブログをお休みしました。
フクアリへの観戦もいけなかったのですが、あえてサッカーのことを考えないようにする時間がたまにはあってもいいのかもしれませんね。
考えてみれば熱心なファンやサポーターはシーズン中はもちろんこと、オフも移籍動向で1年中サッカーに対してあれこれ考え続けていることになるわけで。
平日は毎日更新しているこんなブログでいうのもあれですが、ファンやサポも時にはリフレッシュする時間が必要なのかも知れないな…と思ったりしました。
■松田がスピードを活かして先制
ジェフは森本が体調不良ということで欠場。
代わりに新加入の松田力が初スタメンになり、オナイウと2トップを組むことに。
また、谷澤に代わって井出がスタメン出場し、そのまま左SHに。
ベンチ入りメンバーからは田代が外れ大岩が入り、安もベンチに復帰しました。
長崎もここ4試合スタメン出場し、2ゴールをあげていたルーキー上杉が欠場。
ベンチにも入っておらず、アクシデントがあったのでしょうか。
代わりに2列目でプレーすることが多かった木村裕が、1トップとしてスタメンに復帰。
また東、刀根もスタメンに復帰しました。
立ち上がりは長崎ペース。
選手がボールに集中するディフェンスで、素早くジェフの選手を囲い込みボールを奪う。
奪ったところからボールをつないでいき、前線にあてる形で攻め込んできました。
3分には長崎のチャンス。
右サイドで一度戻したところから、中央の黒木へ横パス。
黒木は1タッチで縦へのパスを選択すると、木村がマークの緩い状況でボールを受けて、ペナルティエリア目前でミドルシュート。
GK高木が弾きだしたので、失点にはなりませんでしたが、いきなりのピンチでした。
やはりジェフはリトリート時のラインが低いので、1つ前のエリアが薄い。
サイドでボールを前に持ち込まれるとその1つ後ろが空きがちになってしまうし、相手ボランチも誰がマークするかはっきりしないことが多い。
このシーンでもボランチ黒木が完全にフリーで縦パスを出せていましたし、そこでの守備が遅れるので最終ラインでの反応も後手になってしまったように思います。
6分にはジェフの攻撃。
ロングボールからオナイウの落とし井出が受け、中村に繋ぐとアーリークロス。
これをオナイウがヘディングで合わせますが、GK大久保の正面。
立ち上がりから中央でのポストプレーで潰されるシーンが目立っていたオナイウですが、ここは競り勝つことができました。
15分には長崎が中盤でボールを拾ってハーフカウンター。
木村がバイタルエリアでスピードに乗って仕掛けてきましたが、勇人が止めてイエローカード。
ゴール正面で木村が直接FKを狙いますが、シュートは枠を逸れます。
ジェフは序盤以降、ロングボールをFWめがけてける回数が増えていった印象です。
長崎の囲い込む守備を避けることにもつながり、相手の守備エリアを後方に押し込むことができていました。
しかし、ジェフの選手が後方でボールを持てても、そこからの攻撃の形が見えてこなかった。
長崎は選手たちは出足が良く、ジェフが後方でパスをつないでいるところを奪って、カウンターという展開が目立っていました。
ただ、長崎もアタッキングサードの精度はもう1つといった印象で。
強引にミドルシュートを打って、ジェフが救われるといったシーンも多かったように思います。
30分には、長崎のビックチャンス。
ジェフが後方でパスをつないでいる展開で、ボールを持った勇人の判断が遅れ井上がボールを奪取。
井上は素早く富澤をかわすと、そのまま持ち込んでシュート。
ゴール左隅を狙ったシュートは決まったかと思われましたが、ギリギリのところで外れます。
ジェフとしては命拾いをしたシーンだったと思います。
流れの良くないジェフでしたが、ピンチをしのいだ直後の31分。
相手のプレスを受け富澤がアバウトに浮き球のパスを蹴ったところから、中盤でペチュニクがワンタッチで繋いで井出が縦にダイレクトパス。
これが相手DFの裏を突くボールとなり、松田が裏に持ちこんでそのままシュート。
これが決まって先制ゴールとなります。
新加入松田のスピードが生きたゴールだったと思います。
それまでも裏へのロングボールに対してのスピードを見せていましたが、ここでは冷静にシュートを決めました。
ペチュニク、井出とワンタッチでパスをつないだプレーも良かったですね。
長崎は先に失点した影響もあるのか裏を取られてやられたためか、この得点によって守備のラインが下がっていった印象でした。
逆にジェフは一点を奪ったこともあって、前への姿勢が高まっていく状況に。
41分にはジェフが長めの直接FK。
ペチュニクがストレート系のパワーシュートで直接ゴールを狙いますが、GK大久保が反応。
前半終盤にはキムが負傷交代で、栗山が投入されました。
後半アディショナルタイムには右サイドで得たFKを中村が蹴り栗山が合わせますが、GK大久保が反応してゴールならず。
得点後から攻め込むシーンが続いたジェフですが、追加点は奪えない時間が続き、1-0のまま後半に進みます。
■良い流れでも追加点が奪えず
後半スタートと同時に長崎は選手交代。
梶川を下げて、韓国代表FWイ・ヨンジェを投入。
木村がシャドーに位置に下がって、イ・ヨンジェが1トップに入りました。
54分にはジェフのカウンター。
中盤で井出がボールを受けると、そのまま長い距離を持ち込んで右サイドを駆け上がってきたペチュニクにパス。
ペチュニクのシュートは相手に当たりますが、拾い直して金井がクロス。
ここも跳ね返されるものの、もう一度ジェフが拾って中村がアーリークロス。
松田がヘディングシュートを放ちますが、GK正面でゴールならず。
58分にもジェフのチャンス。
ジェフ後方からのクリアのこぼれ球を、ジェフが中盤で拾った展開から。
松田が相手DF前でボールを持ち込み、そのままシュート。
シュートは枠に飛んでいましたが、GK大久保のセーブでゴールならず。
失点後から長崎はDFラインが前に行けなくなり、松田などが前を向きやすい状況が続いていた印象でした。
しかし、追加点を奪いきれない展開が続くと62分。
長崎の東、イ・ヨンジェにボールをつながれ、最後は木村がゴール前で受けてシュート。
これが決まって、1-1の同点とされます。
前半はジェフが悪い流れの後に得点を奪いましたが、今度は長崎が悪い流れの中でゴールを決めたことに。
しかし、ジェフからすればゴール前中央であれだけ繋がれると、失点するのは仕方ないように思います。
松田が東に抜かれたためにボランチが前に出ていかなければならず、バイタルエリアが大きく空いてパス交換をされたところから崩されてしまいました。
この失点で今度はジェフの勢いが落ち、長崎がペースを上げていきます。
64分、右サイドでパスをつながれると、1つ後方の三鬼がフリーとなり中央左サイド寄りの木村に展開。
そのまま木村はバイタルエリア方向に仕掛けるも、勇人がファールでストップ。
ペナルティエリア目前で得たFKを木村が直接狙いますが、壁に当たってゴールならず。
67分、長崎は東に代えて高橋を投入。
ジェフは68分、井出に代えて谷澤を投入します。
そして、74分にはオナイウに代えて大岩を起用します。
大岩が入ったジェフは、3バックに変更。
中村、金井がウイングバックになって、ペチュニク、谷澤がシャドーに入る3-6-1になりました。
相手の1トップ2シャドーを後方で捕まえきれておらず、失点シーンでも栗山が裏を取られる形になってしまったこと。
中村がなかなか高い位置でプレーできなかったこと、などがあっての変更だったのではないでしょうか。
76分には長崎のパスミスをペチュニクが奪ったところからジェフのカウンター。
健太郎、松田、勇人とつないで、谷澤が右サイドの金井に展開。
金井がクロスを上げペチュニクが足元で合わせますが、相手DFにボールが当たります。
ジェフの予想外のシステム変更により、長崎が戸惑っているところがあったように思います。
長崎は黒木に代えて前田を投入。
守備の改善を図ったのではないでしょうか。
その後は長崎の守備も、落ち着いていったように思います。
79分には長崎の攻撃。
右サイドから中央にパスをつないで行って、木村が反転してミドルシュートも枠を逸れます。
82分にはジェフの攻撃。
GK高木からのロングボールをペチュニクが落として、勇人からのパスを松田が受けるとそのままミドルシュートを放つも枠外。
84分には長崎の決定機。
右サイドでロングボールを受けたイ・ヨンジェが納めると、中央の木村に繋ぎます。
木村は左サイドから駆け込んできた古部を選択。
古部がフリーでシュートを放ちましたが、ゴールならず。
このシーンでは3バックの外を使われてしまった形でした。
イ・ヨンジェと対面した栗山も、相手に楽にプレーさせてはいけませんでしたね。
試合終盤は両チームの選手ともに、体力的に厳しい展開に。
後半アディショナルタイムには中村からのボールに抜け出した松田がふわっとしたシュートを放ちますが、これもGK大久保が弾きだしてゴールならず。
そのまま1-1で試合終了となりました。
■勝負強いチームを目指して
徳島戦から4-4-2に代えて3試合で1勝2分。
勝点でいえば、決して悪くはない数字だと思います。
しかし、基本的には一度風呂敷を畳んだというか、コンサバな方向に戻したスタイルになったと思います。
徳島戦後にも話したようにこのスタイルなら少しずつ勝点を稼ぐことは出来るかもしれないとは思うのですが、ハイスコアで大勝したり90分間優勢に戦って快勝したり…といった展開はあまり期待できないのではないかと思います。
それだけに確実にチャンスはものにしなければいけないし、接戦を勝ち切る勝負強さを身に着けていかなければいけないと思います。
この試合では長崎のラインが下がりがちなこともあって、チャンスはいくつか作れた。
ここ数試合の長崎は大久保の頑張りで勝点を拾っている試合が多い印象ですが、この試合でも同じような展開になりました。
ジェフとすれば決定力不足も目立った試合だったと思いますが、攻撃が単調な部分があり大久保からすれば読みやすい場面が多かったように思います。
長崎の3バックは無理に前に出ていかずシュートコースを消すことを重要視して、「打たせて止める」という意識が強い守り方なのかもしれません。
ここ数試合の大久保の活躍も、決して偶然ではないように思います。
逆に長崎の方も攻撃では良い形でチャンスは作れていたものの、シュートを枠に飛ばし切れなかった。
決定機という意味では両チーム同じくらいの数だったのではないかと思うので、それを考えれば引き分けは妥当だったのではないかと思います。
けれども、特に守備的なチームはそういった試合を勝ち切れるかどうかが、順位を上げられるかどうかにも響いてくるのではないかと思います。
それが現在ジェフが7位、長崎が8位とプレーオフ圏外に留まっている、大きな要因ともいえるのかもしれません。
攻撃面ではやはり松田が大きな収穫でしょう。
元々ロングボールが多いチームで重心を下げたスタイルになっただけに、前に強くスピードのあるFWである松田の補強は効果的だと思います。
問題はそこからどれだけ連携を高めて、松田をうまく使える形を作れるか。
この日はアバウトなボールでもチャンスにしてくれたところがありますが、他からのマークも厳しくなるでしょうからここからが勝負だと思います。
また、守備ではリトリートした時に下がりすぎる傾向があるため、そこをどう改善していくのか。
失点シーンでも全体が低い状況にあるため、低い位置まで松田が下がって守備をしなければいけなかった。
そこで松田が交わされてしまったために、健太郎が前に出なければならず、バイタルエリアが空いてしまった。
そこをパス交換で使われたところからやられてしまったわけで、やはり大きな課題だと思います。
C大阪戦でもCBが低く守る分ボランチの位置も下がったために、その前を使われていました。
かといってボランチが前に出ていくと、今回のようにボランチの裏を取られてしまう…。
ゴール前を固めて粘り強く守るという形が狙いということになるのでしょうが、果たしてその守備でどこまで戦えるのか。
あの状況で3バックにしたことからも基本的には「ゴール前で頑張る」という考え方なのではないかと思いますが、ゴール前の守備だけで接戦をものにできる勝負強いチームが作れるのかといった不安があるように思います。
後半立ち上がりは比較的バランスよく守れていた印象もあるのですが、その時間が短いことが問題なのではないでしょうか。
この方向性の戦い方で今後も行くのであれば、より堅い守備というのが必要になってくるのではないかと思います。
もちろんここから順位を上げていくためには、得点力も上げていかなければいけないわけですが、現状だと割り切った守備になることが多い割には、堅守というところまではいっていない印象で。
これまでの1年を思い返してもなかなか攻撃面の改善は期待できなそうですし、攻撃面は個々に任せてチームとしては守備の改善を目指していくべきなのかなといった印象があります。
ここ2試合先に先制したところから引き分けに持ち込まれていますし、特に勝負強さを身につけるといった点で考えると、先制点を守りきれるチームになってほしいところではないでしょうか。