安が不在となる中、好調徳島と対戦
全42節で行われるJ2は明日の試合が第27節ということで、間もなく3分の2を経過することになります。
上位争いでは首位大宮が勝点61で2位磐田とは勝点14差となっており、1つ抜けだした格好となっています。
2位磐田は前節も敗れているため、前節熊本に敗れたジェフとの勝点差は変わらず9になっています。
ただし、前節その磐田に勝ったのが、現在3位につけているC大阪。
今季序盤のC大阪はフォルラン、カカウなどが在籍しバランスを取るのが難しいサッカーで苦しんでいましたが、2人が抜けた後は戦い方が安定しているように思います。
逆に磐田はここ2試合で連敗を喫しているように、まだまだ勢いには乗りきれていない印象。
本来の戦力面ではC大阪がJ2でトップなのではないかと思いますし、今夏もエジミソンとマグノ・クルスを補強し伸び代もあります。
上位チームで大きな補強をしているのは今のところC大阪だけですし、2人がはまるかどうかは今季後半のJ2を占う上でも注目のポイントとなるように思います。
なんだかんだあったものの結局上位3チームは大宮、磐田、C大阪と、前評判の高かった3チームになっています。
その3チームとの上位争いか、その直後につけていたかったジェフですが、現在は7位とプレーオフ圏外。
しかし、プレーオフ争いはまだまだ混戦といった印象です。
4位にこそ7月を4勝1敗1分と好成績で戦い抜いて順位を上げてきた東京Vがつけていますが、5位には長らくトップ3に食い込んでいた金沢が後退。
このところ7試合で勝ち星がなく、前節も0-1で敗れています。
6位の福岡も7月は2勝1敗3分と、まだ波に乗り切れていない印象があります。
ジェフは明日ホームフクアリで徳島と対戦するわけですが、前節金沢を破ったのがその徳島ということになります。
徳島は現在16位と下位に沈んでいますが、7月は4勝2敗の好成績を上げており、現在3連中と勢いのあるチームです。
久々の勝利を目指すジェフとしては、厄介な相手となるのかもしれません。
徳島とジェフは6月28日にも対戦しており、1-2でジェフが破れています。
開始早々にセットプレーから大岩がゴールを決めたものの、後半は徳島に押し込まれ逆転負けした試合でした。
前半の徳島は動きも悪かったですがパスを回そうという意識が強過ぎて、後半からFWを目がけた攻撃が多くなり状況が改善していった印象です。
その試合から変わったのかどうかはわかりませんが、最近の徳島は以前のようにシンプルにFWにあてる攻撃が増えているように思います。
それまではバイタルエリアでパスをつなごうとしてミスをすることが多かったように思いますが、ここ数試合はFWの裏を狙う動きやポストプレーを簡単に使って、そこからサイド攻撃などを仕掛ける展開に変化しているのではないでしょうか。
若干背伸びをしていた印象もあったスタイルから、自分たちのできるサッカーに代わっていったのかもしれません。
そして、何よりも守備が安定してきたことが大きく、ここ3戦は完封勝利。
7月の6試合で3失点しかしていません。
なお、ジェフはこの6試合で8失点となっています。
以前は4-1-4-1のようなシステムだった徳島ですが、最近はオーソドックスな4-4-2で戦うことが増えています。
非常にポジションバランスの良い4-4-2になっている印象で、それが守備面の安定感を生んでいるように思います。
4×4のボックスが主流となる中、4-4-2が流行っているのかもしれませんね。
4-4-1-1だと1トップが広い範囲を守らなければならず、追い切れなくなりそこから守備の穴ができてしまうことも珍しくないため、前を2人にして左右を分担して守る。
基本的には2トップが相手CBと相手ボランチの間にポジショニングしてパスコースを消しながら、前に行ける時は追ってダメなときはボランチを見る。
この守備システムで重要なのがSHのポジションで、SHが相手SBを追えるような位置取りをするためにもラインをしっかりと上げる、そしてSH自身も頑張って前へ追いかける必要がある…と。
そこができていたのが前節の徳島で、難しかったのが対戦相手だった同じく4-4-2の金沢。
前節ジェフと対戦した熊本も4-4-2でしたが、後半に入ってSHが前に追えなくなっていったところからジェフのSBが空き、全体のラインが下がっていった印象です。
ジェフも鈴木監督の終盤にボックス守備をしていましたが、谷澤、井出が守備のカギとなっていたように思います。
いわば4-4-2のスリーラインでコンパクトに戦う形ですから、サッカーの歴史という意味では元に戻ったと言えるのかもしれませんね。
そこからSHが攻撃時に中に入っていき、攻撃時は4-2-2-2のようになることが多いことが、若干異なるのかもしれませんが。
アトレティコ・マドリードの成功もあって、また流行りだしたのでしょうか。
一方のジェフは前節も3失点してしまっていますし、まずは守備の改善が注目点と言えるのではないでしょうか。
富澤と高木のところから2失点しており、あそこは狙われていた印象があります。
富澤は加入直後にもかかわらずスタメンに抜擢されており、高木もスタメン復帰して間もないということもあって、連携面に課題があったというところもあったのでしょう。
加えて熊本の小野監督によると、「ロングボールに対して必ずボールを大きく跳ね返せないでこぼれてくる」ということで、そこも狙われていたようです。
ロングボールに対しては単純に先に触るだけでなく、しっかりと前へ跳ね返すことが重要になってくるわけですが、そこができていないと。
巻、斉藤といった強いFWがいるからこそ出来る部分もあるのかもしれませんが、今後の試合でも狙われる可能性があるかもしれません。
このあたりは分析能力の長けた、小野監督の特徴の出たジェフ攻略法と言えるのかもしれません。
また、攻撃面ではいまだにジェフの公式サイトでは発表されていませんが、報知によると安が東アジアカップの北朝鮮代表に選出されたとのこと。
東アジアサッカー連盟のサイトにも確かに安の名前が出ています。
これで東アジアカップの見どころができたことは嬉しくも感じますが、東アジアカップは8月2日から9日まで実施されるため安は1日の徳島戦、8日のC大阪戦は欠場ということになるのではないかと思います。
ここ数試合はペチュニクを右SHで固定化していますし、1トップが手薄な状況となってしまいます。
負傷中の森本がまだ長引くのであれば、ここ数試合の出場実績だとオナイウしかCFがいないことに。
森本がどこで復帰できるのかも、非常に重要になってきましたね。
また、前節熊本戦では後半こそ相手を押し込み2点奪うことができましたが、後半の熊本は運動量が落ち全体のラインが下がって守備面がかなり厳しい状態でした。
徳島の守備はより安定して戦える可能性がありますので、安定したボックス守備に対していかに攻撃の形を作ることができるのかが重要となってくるのではないでしょうか。
攻撃に関しては何よりも、そこが見どころではないかと思います。
前節徳島と対戦した金沢は前半17分に先に点を奪われて、その後徳島の堅守に攻めあぐねる展開になってしまいました。
ジェフも先に点を取られると苦しい展開になるかもしれませんから、前節のような守備の穴を作らず集中して戦うことが重要になってくるかもしれません。
明日も気温は高くなりそうですが、ジェフとしては熊本戦からホーム2連戦ということになりますし、それを追い風にできるよう頑張っていきたいところですね。