ジェフ戦での大敗から復活した熊本と再戦

 台風12号の行方が心配されていましたが、当初の予報より西にずれて少なくとも関東には大きな影響はないようです。
 ただ、その分暑さへの不安というものは、あるかもしれません。
 ジェフは明日ホームフクアリで熊本と対戦しますが、観客も含めてしっかりと暑さ対策をしていかないといけませんね。



 熊本は現在6勝8分11敗で19位。
 4月29日のジェフ戦では0-4で敗れ、最下位に順位を落としました。
 その直後にクラブは、小野監督の続投を示唆する異例のコメントを発表しています。


 ジェフとしてもハイプレスに甘さが出始め相手に交わされて2連敗を喫した直後の試合で、ターニングポイントとなった試合だったと言えるのではないでしょうか。
 この試合では4-0で勝利したものの、戦い方が大きく変わり始めた試合でした。
 守備でも無理なハイプレスは控えて、攻撃でもこの試合から町田がスタメン出場。
 その試合に関しては4-0で勝てたから良かったもののその後のチーム状況を見ると、一概には良い傾向の見えた試合だったとは言えなかったかもしれない。
 目先の結果だけを追ってはいけないということが、わかるケースではないでしょうか。



 逆に熊本は、そこからチーム状況が大きく改善。
 一時は16位まで、順位を上げました。
 1つには落ちるところまで落ちて、メンタル的に吹っ切れたこと。


 そして、その時のジェフ戦で巻が孤軍奮闘の活躍を見せたことも、非常に大きかったのではないかと思います。
 実際、熊本はあの試合の後から、前に激しくいけるようになった。
 ジェフ戦では局面のプレーが非常に緩く選手たちが戦えていない印象でしたが、そこが大きく改善されたことが成績改善につながっていたように思います。



 前節の東京V戦でも後方でボックスを作りつつ、FWやSHが前へ積極的に追うディフェンスを形成。
 シンプルな形ではありますが、これが4月末には全くできていなかった。
 攻撃は基本的に以前と変わらず、サイドの裏を突く長いボールか、サイドでトライアングルを作って素早くクロスを上げる展開を狙っているのだと思います。


 ただ、前半はサイド攻撃ばかりになってしまって、相手としては読みやすい展開になっていた印象です。
 しかし、後半スタートから巻が投入されて、中央で明確なターゲットが作れるようになった。
 それによって何度かチャンスを作る機会も増えていきましたが、結局0-1で好調東京Vの前に敗戦ということになってしましました。



 ジェフも勝敗はもちろん重要ではありますが、それ以上に浮上のキッカケがほしいところです。
 ジェフが難しいのはJ2の中ではなまじ戦力を抱えているので、"落ちるところまで落ちる"というような状況にはなりにくいこと。 
 チーム状況が悪くともある程度は戦えてしまうのでしょうし、完全に崩れるということはあまりないのかもしれません。


 例えば2011年のドワイト監督の解任も、内部からの不満の声によるものが大きかったのではないかと思います。
 確かに戦術的にも引き出しがなく、チームの限界も感じられる状況ではありました。
 しかし、ドワイト監督が解任された時点ではまだ2連敗で、その前の試合では勝利しています。
 ドワイト監督解任後の後の方が成績は悪くなってしまいましたし、解任時点では"あれ以上落ちることはない"といったレベルではなかったように思います。
 もちろん、かといってドワイト監督体制であれ以上を期待するのは、難しかったようにも思いますが…。



 そういったクラブの状況を考えると、チーム全体で自発的に大きく変わろうという強い意思を持たなければ、なかなかこのトンネルは抜け出せないかもしれません。
 微調整・微修正で済むようなチーム状況ではないと思いますし、チームとしてどのような方向性を目指すのかをもう一度定めて、そこに進んでいかなければいけないのではないかと思います。
 熊本戦ではそういった変化を期待したいところではないでしょうか。