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現状を受け止めて、前へ…

 水戸との試合が引き分けに終わったジェフは、ついに7位まで後退してしまいました。
 先週もお話しした通り、今季のジェフは序盤以降長らく方向性が見い出せない状況が続いている印象ですので、よくここまで順位をキープできたといった印象があります。


 ネット上でもさすがにジェフの現状において、落胆の声が多くなっているように思います。
 これまで好調だった観客動員でも、12日の群馬戦で8000人しか集まらなかったことも偶然ではないのでしょう。
 それだけサポーターも、精神的に苦しい状況にきているのではないかと思います。



 twitterでもちらっとつぶやいたのですが、そうなってしまったのも、ここ数年のジェフを冷静に評価・分析できていないからなのではないでしょうか。
 鈴木監督への批判と、それに反発したような関塚監督への期待と。
 しかし、実際にはそこまで大きくチームが改善したわけではないし、期待が先行し過ぎていたところで現実の厳しさに直面し、落胆が強く表れてしまったということではないかと思います。


 オシムさんが「夢を見すぎるのはよくない」とよく言っていたのは、まさにこういったケースが起こりうるからということだと思います。
 ポジティブにクラブを応援することは、大変素晴らしいことだと思います。
 しかし、クラブの現状をしっかりと受け止めた上で前向きな部分を見つけていかなければ、ただの夢に終わってしまいます。


 確かに鈴木監督は自身もサッカーも地味なところがあったと思いますし、関塚監督の方がうまくはまれば勢いがあって華やかな印象はあります。
 けれども、コツコツと積み重ねるという意味では鈴木監督の方が上だったと思いますし、当初クラブはその方向性を掲げていたのだから要求に沿った仕事をしていたはずです。
 ちょうど昨日米倉が代表に選出されましたが、あれも鈴木監督がSBに大抜擢してその後も我慢して使い続けたからこそだと思いますし、鈴木監督に巡り合わなければあそこまでの活躍も代表入りも難しかったでしょう。



 関塚監督が就任してからの昨年も、10月以外はそこまで成績が伸びていたわけではなかった。
 その時の戦い方も守備的な選手を多数起用して、終盤にケンペスを入れてパワープレーで点を取るケースが多く、将来性には疑問があった。
 実際11月には成績を落としシーズン終盤には最下位争いをするチームにも苦戦して、プレーオフでも敗れてしまった。


 今季序盤は成績も良くアグレッシブなサッカーをしていましたが、それ以降は失速。
 4月には苦しみ始めていましたし、ここまで長い間立て直しのきっかけを作れないというのは、どんな事情であれ言い訳は難しいと思います。
 もともとハイプレスサッカーをフルシーズンの軸とするのは、さすがに無理があったということでしょう。
 例えば一昨日対戦した水戸も積極的にプレスをかけてきましたが、プレスだけでなく三島の高さもパスワークもあった。
 プレスが効かなくとも十分なサッカーはできていたように思いますし、あくまでもプレスは戦術の中の1つでしかなかったと思います。
 ジェフにも中村の左足があるとはいえ、あれも飛び道具的な立ち位置でメインの戦い方とは関係ないところにあると思いますし…。



 今後のジェフを見ていく上でもはっきりとしておくべきではないかと思うのですが、やはり関塚監督は細かな戦術が作れる指導者ではないと思います。
 就任してすぐに中央でのグラウンダーの縦パスはなくなってしまったし、サイドからのパスワークも鈴木監督の遺産という部分が大きかったのでしょう。
 この1年を振り返ってみても、徐々にサイドでのパスワークが作れなくなっている印象です。


 今年も4月には「攻撃のバリエーションがない」ことを関塚監督自身が課題にあげており、それ以降は前線で様々な組み合わせを試してきました。
 しかし、それから今になっても、安をめがけてのロングボールしか作れていない状況。
 気温が上がってハイプレスからのハーフカウンターがなくなり苦戦し始めたことに関してはまだ仕方がないにせよ、課題がわかっていても次の一手が全く作れない状況がここまで続くというのは、さすがにいただけない状況だと思います。



 守備に関しても、ゴール前を固める傾向が強すぎてバランスが修正されない。
 どちらかと言えば人につく意識の強い守備と言えるとは思うですが、マンマークにしても中途半端で個々の判断で守るところが強すぎるように思います。
 プレスもはまっている時は良いのですが、その時間帯が短く安定したプレッシングができていない…。
 攻守に勢いがある時だけは良いのですが、それ以外の戦い方が脆すぎる印象です。


 かといって、若手の育成がうまい印象もあまりありません。
 組織的なサッカーではないため積極的に選手を切り替える傾向があり、その中で若手が出場する機会が出来ていることは良いことだと思います。
 しかし、そこからじっくりと、若手を見守るような印象はない。
 昨年の大塚やナムを見ても駄目ならばすぐにベンチからも外し、今季も井出やオナイウの出場機会は安定せず、大岩、栗山なども流動的な状況。
 若手育成が得意な監督は根気よく我慢して若手を使い続ける指導者が多いと思うのですが、関塚監督は我慢できずにすぐ変えてしまうことが多い印象です。



 基本的に関塚監督は、セレクター・モチベータータイプではないかと思います。
 これだけ戦術がはっきりとせずズルズルと悪化するチーム状況の中で、選手たちの気持ちを切らさない、内部からの批判も出ないというのは素直にすごいことだと思います。
 ネームバリューなども大きいような気はしますが、それだけカリスマ性が高いとも言えるのかもしれません。


 ただ、それだけではチーム強化という意味では如何ともし難く、むしろサポなども含めて自浄作用が期待できなくなる恐れもある。
 もともとそれなりのチーム力があって、戦力もあって、補強もできるチームならそれでもまだいいのかもしれませんが、J2暮らしが長引いたジェフにとってそこを期待するのは厳しいところ。
 チームを育て上げ、立て直すという意味では、セレクタータイプの監督では難しいところがあるということではないでしょうか。
 もっとも、クラブとしては関塚監督を招聘しパウリーニョペチュニクなどを補強することで、「立て直す」のではなく「早期に結果を出す」方向で進んでいたということなのかもしれません。
 しかし、現状で「早期に結果を出す」にしては、チーム力も監督力も足りていないのではないかというところが今のところの感想です。


 
 関塚監督へは批判しにくいのか、矛先が代わって強化部に批判の声が上がることもある印象です。
 しかし、去年、一昨年の補強ならばともかく、今季はこれだけ関塚監督好みの選手を補強し、夏にも関塚監督のオーダーであろう安と富沢を補強したのですから、これ以上を求めるのはさすがに無理があるでしょう。
 確かに開幕前は手薄に思われた補強ですが、数少ない補強が見事に当たったことにより戦力が増した印象ですから、それだけ効率よく補強したということがいえるのではないでしょうか。
 パウリーニョペチュニク、金井といった選手たちは実績も十分にあり、チームの主軸となっています。
 富澤も主軸候補であり安も十分に戦力になりそうで、北爪、水野なども使い方次第では戦える選手たちだと思います。


 むしろ怖いのはここまで関塚監督好みのフィジカルに特徴のある選手ばかりを集め、技術力の長けた選手たちを放出したことで、チームの選手構想が偏っていること。
 関塚監督で成功すれば問題ないでしょうが、もし失敗したら後に残ったチームはかなり歪なものになってしまうかもしれません。
 強化部としては頑張って監督の意向に沿った補強をしていると思うのですが、その結果将来的には不安も残るチーム状況になっているようにも感じてしまいます。



 関塚監督就任時に長期政権というような話も出ていましたが、さすがにこのままズルズルと悪化していく状況が続けば、来年は次の監督も考えないといけない状況に陥るのではないでしょうか。
 もちろん継続性は大事ですが良い継続が出来なければでなければ、むしろクラブにとって悪い方向に進んでしまう恐れもある。
 実際問題として、このままいけば二桁順位で終わる可能性も否定はできません。


 そして、成績よりもチームの将来が見えてこないことが、辛いところではないかと思います。
 チームとしての明確な方向性・戦術が見えてこないから、どうしてもこのチームが最終的にどういったサッカーをしたいのか、どういった伸び代があるのかはっきりしない。
 その状況がシーズン終盤まで続けば、さすがに次の方向性を考えられる監督を探してこなければいけなくなるのではないでしょうか。



 逆に言えば、残りシーズンで期待したいのは、そこになるのではないでしょうか。
 チームとしてどういったサッカーを目指し、それに沿った戦術のベースを作り上げ、それにあわせた強化方針が考えられるようになるか。
 ようするに、未来が見えるチームになれるかどうか。


 チームの方向性が定まりチームの型も出来てくれば、自ずとチーム状況も改善し成績もある程度は上がってくるでしょう。
 逆に言えばいつまでもそこができてこなければ、苦戦するのも当然のことと思います。
 選手のみならず、監督・スタッフの成長にも期待して、残りシーズンを見ていきたいところではないかと思います。


 応援する側も辛い状況ではありますが、まずなぜ辛いのかなぜこうなったのかを考え、そこから改善点などを期待し、将来に向けた希望につなげていきたいところではないかと私は思います。
 それが成長に向けての第一歩ではないでしょうか。