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劣勢の中でPKで得点を奪う勝点1

 相手に攻め込まれる時間帯が長い、苦しい試合の中での引き分け。
 夏の連戦中日でアウェーゲームでもあったことを考えれば、勝点1でも良しとしたいところではあると思います。
 しかし、ここまでの試合結果を加味すると、そこまで明るい気持ちにはなれないというのが正直なところではないでしょうか。
 これでジェフは、4試合勝ち星なしということになりました。
■水戸優勢の前半もゴールは生まれず
 2連敗で連戦の2戦目を迎えたジェフは、またスタメンを変更してきました。
 GKを岡本から高木に。
 DFラインでは栗山が外れ、キムがスタメンに復帰。
 谷澤に代わって井出が入り、オナイウに代わって安がCFに。
 キムが復帰となった分、ベンチからは北爪が外れました。


 対する水戸は、船谷が4試合ぶりのスタメンとなりトップ下でプレー。
 代わりに、吉田眞紀人がベンチスタートとなりました。
 吉田は今季ここまでレギュラー選手としてプレーし、監督交代後もFWとしてスタメンを続けていました。
 スタメンを外れたのは、5月31日の岐阜戦以来となったそうです。



 開始早々、水戸の攻撃。
 富澤のキックミスを、今夏広島から加入した右SH石川が拾って素早くクロス。
 これはGK高木が直接キャッチしますが、そこから素早く勇人に出したところ相手の中盤に奪われます。
 そこから馬場のループシュートまで持ち込まれますが、シュートは力なくGK高木が対応します。


 水戸はシンプルに三島の高さや裏へのボールを突くボールで相手を押し下げてから、ボランチを使ってサイドに展開する攻撃を仕掛けてきました。
 富澤のキックミスも水戸のFWが裏を狙う動きに対してボールが出て、富澤が後ろを向きながら対応し、大岩に繋ごうとしたところをミスしてしまったもの。
 水戸は前からのプレスも積極的で、水戸が優勢に試合を進めます。


 ジェフは高木が入ったことで、GKも含めてボールをつなぐ回数が増えていました。
 GKとDFラインで相手のプレスをひきつけてから、前に繋いで行く展開。
 しかし、勇人がボールを奪われたように、相手をうまく掻い潜りきれないことが多かった印象です。
 結局、安をめがけた長いボール一本となってしまい、GKを含んだ細かい繋ぎから良い攻撃は作れませんでした。


 17分には水戸のチャンス。
 セットプレーのこぼれ球を拾った安が左サイドでボールを奪われたところから、石川に完全に裏を取られます。
 そのままダイレクトでセンタリングを上げられるも、中央の三島には合わず事なきを得ます。



 25分あたりから、ジェフが守る時間帯が続きます。
 ジェフの守備陣は三島の高さや中盤の選手たちの裏への飛び出しに苦労した上、もともとゴール前を固める守備でもあるため、相手のサイドや中盤で自由に持たれ続ける状況に。
 前からのプレスも効いておらず、全体の守備に甘さ、バランスの悪さを感じました。


 33分、ジェフが初めてのビックチャンス。
 勇人が中盤の高い位置で後方からのボールを受けると、右サイドのペチュニクにつなぎます。
 ペチュニクがスピードのあるクロスをダイレクトで蹴ると、GK本間がはじきます。
 弾いたボールを安が拾ってシュートを放つも、GK本間がセーブ。



 38分、今度は水戸の決定機。
 水戸が左サイドで馬場、田中とつないでセンタリング。
 ファーの石川が、フリーでボレーシュートを放ちますが枠外。


 40分にも、水戸が左サイドからのCK。
 田中が蹴ったボールがファーでフリーになった馬場の足元に入り、そのままシュートを放つもゴール左隅をそれます。
 38分も一度ゴール前に攻め込まれていたとはいえクロッサーへの寄せが甘かったですし、このCKでもファーの選手を誰も見ていなかった。
 全体の守備バランスも含めてゴール前を固めようという意図が強すぎて、その他のスペースが空きがちでしたね。
■後半序盤はジェフが押し込むも1-1
 水戸が優勢に進めたものの、スコアは動かなかった前半。
 後半からはジェフが戦い方を変え、前への圧力を高めていきます。
 ペチュニクが高い位置の中央寄りでプレーする機会が増え、金井が高い位置を取る。
 金沢戦、群馬戦で見せたように前線に高さのある選手を並べて長いボールを蹴り込む戦い方に、シフトしていった印象です。
 単純に選手の動きも良くなりプレスも効いてきたので、この日のジェフは後半初めが勝負だったのかもしれません。


 水戸は前から積極的に追いかけていくスタイルなので、攻守にボランチが高い位置を取る。
 33分のチャンスも、勇人が相手ボランチの裏を取ったところから。
 そのボランチの後ろにペチュニクが入ることで、相手を押し下げる形になっていったと思います。


 ジェフは54分、町田に代えてオナイウを投入。
 さらに前への圧力をかけていきます。
 しかし、なかなかシュートまでは持ち込めませんでした。



 逆に61分には、水戸の攻撃。
 馬場が前に動き出して岩尾からのボールを落とし、船谷が受けてシュートを放つも枠外。
 前半から馬場はうまく前に動き出して、ボールを引き出していました。
 そこへタイミング良くボールが入りサポートもあり、チームとしてうまく連携が作れている印象です。


 その直後、水戸は石川に代わって吉田を投入します。
 62分にも水戸のチャンス。
 田向が右サイド後方からスルーパス
 三島がうまく富沢の裏を取って中央へつなぎますが、中にいた吉田には合わず。


 64分、ジェフの攻撃。
 中盤での浮き球のボールを井出が拾うと、前方の安にパス。
 そのまま思い切ってシュートを放ちますが、ゴール右隅を逸れます。



 この頃からジェフの勢いも後半立ち上がりほどではなくなり、水戸も落ち着いて対応できるようになっていきました。
 65分、ジェフは安に代えて谷澤を投入。
 67分には、水戸が船谷を下げて山村を起用。


 72分、水戸の決定機。
 ハーフウェイライン当たりで浮き球のボールを押し合う形から、山村が納めると左サイドに展開。
 ファーにもフリーな選手がいましたが、ボールを受けた馬場がカットインしていってそのまま放ったシュートは枠外。
 ジェフが攻め込んだ後のシーンだったとはいえ、それにしても戻りが遅く山村がボールを持った時には前にジェフの選手が2人しかいない状況でした。
 金沢戦、群馬戦でも見られたように押し込めるのは良いのですが、リスクケアが不安になる戦い方ですね。



 ジェフがまた劣勢となる時間が増えていきましたが、76分に突然ゴールが生まれます。
 左サイド後方でパウリーニョがボールを奪うと、そのまま前のオナイウへスルーパス
 これがDFの裏を取る形となります。
 微妙な判定にも思えましたが、オナイウがPA内でうまく相手DFの体を入れた後に倒されたということで、PKを獲得。
 これをペチュニクがしっかりと決めて、1-0となります。


 しかし、この得点によって、水戸がさらにギアを上げてきました。
 ジェフの得点直後の79分。
 吉田が右サイドでボールを持ってクロスを上げると、ファーの馬場がダイレクトでシュートを放ちあっさりと同点にされてしまいます。



 83分、オナイウが右サイド前線でボールを奪われたところからカウンター。
 大岩がフォローに行きますが、中盤でかわされると水戸が3対2の数的優位に。
 長い距離を持ちあがっていた山村が左サイドの吉田につなぎ、吉田がカットインしてシュートを放つも枠外。
 群馬戦でも相手のカウンターになりかけたところで、ボールを奪いに行きかわされてやられているジェフですが、この試合でも同じような形を作られてしまいました。
 ボールを奪いに行ってかわされるのも問題ですが、後方を3人だけで守り極端に前へ人数をかけているバランスもどうかと思うのですが…。


 86分、ジェフは井出に代わって田中を投入。
 88分、ジェフが左サイドからのクロス。
 オナイウがうまく逃げながら受けて落とし、田中がシュートを放つもGK正面。

 
 水戸は最後も攻めにきてはいましたが、残り数分のところではさすがに足が止まっていたように思います。
 そのまま1-1で終了となりました。
■攻守にバランスの悪い状況
 ジェフとしては後半勝負だったのではないかと思いますし、その後半に前へ圧力をかけられたことはよかったと思います。
 ただ、後半の方が印象には残るかもしれませんが、試合トータルで見るとあまり良い内容ではなかったのではないかと思います。
 特にあれだけロングボールを蹴りこむ展開が続くと、どうしても攻撃の確実性や厚みという意味では課題が出てしまうと思います。
 水戸が素晴らしい攻撃を仕掛けてきただけに、ジェフの攻撃のアバウトさが目に付いた試合だったのではないかと思います。



 相手チームながら、得点シーンのパスワークは非常に良かったと思います。
 ボランチの内田から右SB田向に展開すると、田向は三島に縦パス。
 三島は岩尾に落とすと、落とした瞬間に吉田がその裏で前に走ってボールを引き出す。


 その吉田にボールが入り、クロスを上げられた。
 吉田にボールが入った瞬間に三島は前へ走りなおし、右サイドからは山村もゴール前へ。
 最後はファーの馬場にボールが渡り、決められてしまいました。
 多くの選手が素早くパスワークを構築し、スムーズにシュートまで持ち込んだ場面でした。



 ジェフとしては相手のパスワークに完全に崩されたことになりますが、ジェフの守備も悪かったと思います。
 富澤が三島についていったわけですが、吉田が右サイドに流れたところにキムがついていった上に、富澤も反応して吉田を追ってしまった。
 そのためゴール前に動き出した三島が完全にフリーになっており、金井は前に三島、後ろに馬場といった状況になり、馬場につききれなかった。
 

 結局、カウンターで交わされてしまうシーンなどもそうですが、チームとしてチャレンジ&カバーだとか周りがスペースを消すような守備ができていないので、どうしても局面の連続のような守備になってしまう。
 前半もジェフの守備陣がゴール前に固まることが多く、サイドや中盤後方が空きがちでしたし、そうなってくるとセカンドボールも相手に拾われプレスもかけにくい。
 また、後半のように攻めに行くと、今度は後方に人数が足りずカウンターでチャンスを作れてしまう…。
 攻守にバランスの悪い状況ですね。



 水戸は失点直後にギアを上げて直ぐに得点を決めるなど、まるで強豪チームのように見えました。
 攻守にやることがはっきりしていて、チームとしての方向性を感じられる試合だったと思います。
 ジェフとしては決定力に救われた印象で、そこが課題と言えるのかもしれませんが。


 逆にジェフとしては状況が悪いからこそ、90分間で戦うのではなく後半の45分に勝負を仕掛けたということでしょう。
 ある意味で潔い良いともいえるのでしょうが、後半の45分も決してスムーズに戦えている印象ではなかった。
 パワープレーのようなサッカーで、あれを残りシーズン続けていくというのは、さすがに無理があるようにも思います。



 ともかく、勝点1は拾えた。
 後半のプレーを見ても選手たちは頑張っているというか、コンディションは悪くなさそうに見えましたし、そこに希望を感じながら次の試合に進むしかないですね…。