前掛かりな戦術を磐田戦でも継続か方向転換か

 前節ジェフは群馬と対戦し、ホームで1-2の敗戦。
 これで1つ順位を下げ、5位ということになりました。
 4位に上がったのはC大阪で、ここ9戦負けなし。
 フォルランカカウといったタレントがいなくなりましたが、それによって逆に地に足のついたサッカーになってきた印象があります。


 偶然、6月28日の大宮対東京V戦を見られたというみどりのろうごくさんと、7月8日の磐田対讃岐戦のレポートを書かれたプロパカンダファクトリーさんを見たのですが、どちらも「今季のJ2はレベルが低いのでは?」という話をされています。
 確かに大宮、磐田が自動昇格圏内にいる現在ですが、どちらのチームも確固たる強さというものはまだ感じません。
 加えて大分、京都、徳島といった近年J1を経験しているチームやJ2上位争いをしてきたチームが下位に沈んだことによって、中位争いにおいてもレベルが下がっている可能性が考えられます。



 ジェフも4月の中旬からプレスが効かなくなり迷いが生じ始めてきた印象で、5月から成績も本格的に下降している状況です。
 これだけ長い期間、戦い方が定まらない状況というのは、何年振りかといったところではないでしょうか。
 それでも今季のJ2のレベルもあって、まだ5位にいられているとも言えるのかもしれません。


 逆に言えば、まだまだ上位に上がれる可能性は十分あるとも考えられるでしょう。
 2位との勝点差は7となっており上位チームが勢いに乗ってしまえば苦しいギャップと言えると思いますが、今ならまだ追いかけることができる状況だと思います。
 しかし、当然追いかけるためには、ジェフの方が勢い乗っていかなければならず、そのためにも確固たる戦い方を早期に作り上げなければいけないと思いますが。 



 さて、そういった状況下で明日は2位の磐田戦。
 今季の磐田は開幕から大きく戦い方を変えていない印象です。
 守備ではできる限り相手を前から抑える形を取って、それがだめならオーソドックスにリトリートして守る。
 攻撃ではタメが作れて得点も狙えるジェイを中心に形を作り、2列目のアダイウトンなどが縦に仕掛けていく展開。
 比較的攻守にシンプルで、メンバーも怪我人以外は大きく変えてこなかった印象です。


 しかし、7月4日の熊本戦からトップ下で松浦を起用。
 名波監督は昨年途中に監督就任しボランチだった小林祐希をトップ下に起用し続けてきたので、これは大きな変化と言えるのかもしれません。
 名波監督とタイプは違うものの左利きで天才肌な選手なだけに期待していたのではないかと思うのですが、ここまで3ゴールとゴールに絡む回数が少ない印象はありました。


 逆に松浦は縦へのスピードや鋭いドリブルなどが売りの選手で、直接的に得点面に絡めるタイプの選手と言えるのではないでしょうか。
 前節栃木戦もジェイの落としを受けてDFラインの裏を取り、そのまま右足で先制ゴール。
 2ゴール目もジェイが空中戦での強さを発揮しクロスから頭でゴールを決めており、ジェフとしては2人のコンビに注意したいところではないでしょうか。


 試合は前半のうちに2ゴールを奪った磐田が、そのまま逃げ切った試合でしたが後半は失速。
 運動量が落ちて、栃木に攻め込まれる時間帯も増ていきました。
 2-0での勝利ではありましたが課題も見え、後半10分にはアダイウトンが負傷退場するなど、今後に不安も感じた試合だったと言えるのではないでしょうか。



 対するジェフの注目点は、ここ2試合SBを極端に押し上げるサッカーをしてきたため、これを継続するかどうか。
 金沢はもともとブロックをつって待ち構える戦術なので、問題はなかった。
 群馬も相手の順位が下でジェフのホームゲームだったこともあって、前に出て行って押し込めるだろうと判断したのではないでしょうか。


 しかし、アウェイゲームとなる磐田戦で、このかなり前掛かりな戦術を実施できるかどうか。
 実際に群馬戦でもその裏を取られてやられてしまっているだけに、かなりリスクは大きいと思います。
 とはいえ、それまでのジェフはなかなか形となるものが作れず、特に攻撃面では試合中の手探り状態が続いていただけに、悩ましいところだと思います。



 富澤、安とタレントが増えたところで、もう一度戦い方を考え直すのか。
 それともここ2試合の戦い方を続けるのか。
 シーズン後半に向けて、悩み多き状態となっている印象です。


 磐田戦が終われば、水戸戦、群馬戦と連戦になるだけに、どういったスタイルを模索するのか、早期に決めていかなければいけないように思います。
 まずはそこが連戦の初戦となる磐田戦で見えてくるか、注目ですね。


 連戦ですので、次の更新は日曜日。
 来週水曜日はお休みの予定とさせていただきます。