精神障害者バスケを支援する会員を募集
これまでにも何度か取り上げてきましたが、私は精神障害者バスケを支援する「日本ドリームバスケットボール協会」に参加させていただいております。
プライベートと絡めた話は極力控えてきたのですが、スポーツ関係でもありますしなるべくこの話を広めていきたいという思いもあって積極手に取り上げさせていただいております。
今回は当協会が正会員、賛助会員を募集する体制が整ったということで、そちらのお知らせも兼ねたエントリーということになります。
2020年に東京五輪・パラリンピックを控えて、改めて「スポーツとは何か」、「スポーツの在り方とは」といったテーマが、問われていくのではないでしょうか。
スポーツの価値が見いだされなければ本当の意味での五輪成功とはいかないでしょうし、それにはお金や結果だけではない要素も大きく作用してくるでしょう。
日本におけるスポーツ文化が変わるかもしれない瞬間に、立ち会っているのかもしれません。
五輪となるとどうしてもメダルや経済的な観点が話題になりますが、国としても地域スポーツ・障害者スポーツに力を入れていくことを掲げています。
実際にどれだけのリソースがこちらまで回ってくるかはわかりませんが、スポーツ庁も設置され自治体やメディアも地域スポーツ・障害者スポーツを積極的に取り上げるようになっています。
特に障害者スポーツは厚労省から文科省への移転や、国をあげての支援の構築などが目標として掲げられ、国の体制も含めて大きく変わろうとしています。
以前にも話しましたが、障害者スポーツの現場を取り巻く前向きな雰囲気というものは、スポーツの在り方の1つとして指標となるものではないかと思います。
障害者を支援する家族やスタッフ、精一杯頑張る選手、そして、それを純粋に応援する観客…。
そういった雰囲気というものは、どうしても結果だけで判断されがちなプロスポーツを応援してるだけでは感じにくい部分ではないかと思います。
毎日新聞にも、このような記事が掲載されています。
指導者として生徒から教わったことも多かった。ある大会の陸上5000メートルで周回遅れとなった教え子が必死にゴールを目指し、総立ちの観客から盛んな拍手が送られた。
「みんなで全力を尽くすことで、一人一人の選手も良い記録を出すことができる」
それまで信じ込んでいた「勝利至上主義」の考えは薄れ、夢は「競技を通じた共生の実現」へと変わった。
障害者スポーツにおける陸上競技のお話ですが、こういったものを直に感じられるのが障害者スポーツの良さの1つではないかと思います。
先ほどは障害者スポーツだからこそ、良い雰囲気の中でスポーツをやることが出来るといった話をしましたが、健常者も障害者も変わらない環境が理想であるという人もいるかもしれません。
どうしても健常者のプロスポーツでは結果を求めるあまり、荒れた雰囲気になってしまうことも珍しくないと思います。
それもスポーツの一端だとは思うものの、あまりにもリスペクトに欠け過ぎた行動はスポーツ文化を貶める可能性すらもあるでしょう。
障害者スポーツを体感することで、どこか学べる部分もあるのではないかと私は思います。
一方で課題もあって、どうしても目立つ競技が話題になりがちな部分もあるように思います。
ろう者サッカー日本代表と知的障がい者サッカー日本代表の試合を取材した、宇都宮徹壱氏もこのように話しています。
一般的な知名度ではブラインドサッカーが抜きん出ており、他の競技団体はあまり知られていないのが実情である。ブラインドサッカーの場合、昨年11月の世界選手権開催でメディア露出が格段に増えたこともあるが、一方で伝える側のメディアも「ビジュアル的にわかりやすい」競技を取り上げる傾向が強いことは留意すべきであろう(最近、アンプティサッカーの露出が増えつつあるのも、そうした理由が背景にあると考える)。
サッカーにかかわらず、車いすバスケや車いすテニス、義足を使用した陸上競技なども注目度が高い障害者スポーツと言えるでしょう。
もちろんそれらの競技が盛り上がっていくことは全く問題ないと思うのですが、それ以外の障害者スポーツも盛り上げていけるかどうか。
これが2020年に向けての課題の1つとも言えるのではないかと思います。
そういった中で精神障害者スポーツは残念ながら、パラリンピックの種目としては認可されていません。
障害者スポーツの中でも、かなりマイナーな分野と言うことになると思います。
しかし、スポーツの在るべき形と言うものを考えると、誰しもがスポーツを楽しめる環境作りというものが極めて重要だと思います。
東京五輪・パラリンピックの開催が、スポーツの在り方を考えるキッカケになるのであれば、精神障害者スポーツにおいても追い風になる可能性は十分にあると思っています。
現在精神障害者スポーツではフットサル、バレーが盛んに行われている状況ですが、その他の競技はあまりメジャーではないようです。
スポーツをやりたいという精神障害者の選択肢を増やすためにも盛り上げていきたい…というのが、この当協会の趣旨ということになります。
バスケは体育館を借りてボールさえあれば実施可能という面が、大きなメリットだと考えます。
加えて、コートに立った誰しもが得点を狙えるという点も大きいですね。
ということで、少しでも興味を引かれた方は、当協会のサイトをチェックしてみてください。
もちろん会員になることだけが支援の形ではないですし、入会案内の拡散や今後情報をおっていただくだけでもメンバーの1人としては嬉しく思います。
せっかくの東京五輪・パラリンピック開催ですし、健常者スポーツや有名競技もいいですが、障害者スポーツの変化も含めて、日本のスポーツにおける変化を楽しんで追いかけてみてはいかがでしょうか。