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大分戦で勇人、谷澤が怪我から復帰

 先日の大分戦で、怪我から勇人、谷澤がスタメンに復帰。
 これで主力メンバーは、ほぼ戻ってきたことになるのではないでしょうか。
 今季のジェフは比較的、怪我人は少ない状況と言えるのかなと思います。


 大分戦での勇人はさすがのバランス感覚で、上下動することでうまくパウリーニョのサポートをしていたと思います。
 オシム監督に「勇人だけにバランスを取らせるな」と言われるほど、以前からバランス感覚に優れた選手だと言えるのでしょう。
 逆にパウリーニョは自分の間合いで行ける時にはどんどん行くタイプで、全体のバランスという意味では危うくなることが多い。
 

 そこをうまく勇人が細かいポジション修正でうまくカバーしつつ、状況によっては前に出ていったり後ろに下がってスペースを消したりといった仕事ができていた印象です。
 パウリーニョがフリーダムに上下動するタイプの選手だからこそ、上下に動くことでバランスの取れる勇人との相性が良いということが言えるのかもしれません。
 勇人は怪我明けではありましたが、試合勘の問題もなさそうでコンディションもよさそうに見えましたね。


 そういった意味での活躍はしていたと思うのですが、町田のいうような「前への圧力」はそこまで感じなかったように思います。
 勇人が入ったからといって全体のプレスが改善されたわけでもなかったですし、セカンドボールの拾い合いも大きく改善された印象はありませんでした。
 やはり勇人はあくまでも黒子的な立ち位置で、確かにチームにはそういった選手も重要だとは思います。
 しかし、現在の苦しいチーム状況は、そういった選手の復帰だけで根本的に解決できるわけではないように思います。



 一方、怪我から復帰して前々節の福岡戦で途中出場し、前節大分戦でスタメンに復帰した谷澤も68分に中村のクロスを演出するなどらしさを見せていました。
 谷澤らしいタメからの展開で、うまく中村を活かしたシーンだったと思います。
 ただ、試合を通じてチーム全体が劣勢だったこともあって、谷澤が活きる場面は少なかったと言えるでしょう。


 福岡戦でも、74分から出場しましたがあまり目立たず。
 谷澤に関しては、コンディションもまだもう少しなのかなとも感じました。
 もっとも谷澤の場合は好不調の波が激しいところがありますから、出来の良くない試合が続いても急に活躍して調子を取り戻すことも多いように思います。
 また、どちらかと言えば、シーズン終盤の方が調子が良い年が多い印象もある選手です。



 しかし、今季の谷澤は怪我をする前から、そこまで目立った活躍を見せてはいません。
 谷澤はここまで16試合に出場していますが、依然ノーゴール。
 計測の仕方が様々ですがアシストに関しても、スーパーサッカーのサイトによると今のところなし(あるいは1以下?)となっているようです(Football Labでも2つ)。
 攻撃のアクセントになっている試合もありますが、直接ゴールには関与できていることは少ないということになります。


 負傷中は井出が代わりに左SHに入ったわけですが、井出もまずまずの動きを見せていたと思います。
 谷澤のようなタメは作れないものの、シンプルなパスワークで中村をサポートしようという意思を感じました。
 井出にはタメがない分スピードがありますし、守備への貢献も谷澤より期待できる選手と言えるでしょう。
 上記の通り今季の谷澤は直接ゴールに関わっていないだけに、谷澤の穴を大きく感じさせない状況だったと思います。



 しかし、その井出も左SHからのカットインやラストパスは少なかった印象です。
 左SHが直接ゴールに関われていないのは選手の問題ではなく、今季のチーム構造の問題によるものではないかと感じる部分があります。
 そして、それが攻撃のバリエーションが少なくなっている、大きな要因ではないかとも思えます。


 今季はフィジカルを前面に押し出すチーム作りから始めたことによって、中村のクロスに頼る傾向が強くなったこと。
 ボランチの組合せが変わって、ボランチによる縦への意志が強くなりサイドへのフォローが少なくなったこと。
 そして、中村が無理に抉らず、早いタイミングでクロスを上げきるという選択肢が増えたこと。

 

 これらによって左SHが仕掛ける、カットインするといった形にまで至らない状況が増えているように感じます。
 サイドでのパスワークに関しては、鈴木監督の遺産という面もあって徐々にテンポの良いパスワークができなくなっている印象もあります。
 結果的に谷澤は中村のサポート役という色が強くなってしまい、自身による仕掛けからのゴール、アシストといった場面が減ってしまったように思います。
 昨年終盤は谷澤個人での打開力に救われた試合も多かっただけに、これは大きな変化と言えるのかもしれません。



 チームとしては、右サイドからのチャンスメイクを増やしたいのかなと感じるところがあります。
 それが金井や水野の右SHとしてのテストだったり、大分戦のように町田が右サイドに流れるプレーだったりするのでしょうが、確固たる形というのはなかなか作れていない印象です。
 谷澤もシーズン序盤のチームの戦い方がはまっている状況の中であれば変化を作れる選手としての立場があったと思うのですが、現状だとその戦い方のベースそのものが苦しい状況になっている。
 今後もしフィジカル主体、プレッシング主体のサッカーをもう一度作り直すということになった場合、スピードと運動量のない谷澤はそのスタイルに合い難い部分がありますから谷澤にとって正念場となるかもしれませんね。