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序盤の勢いから2得点も引き分けに終わる

 これまでの試合でもそうでしたが、ジェフは立ち上がりから飛ばしていった印象でした。
 その立ち上がりに2ゴールを奪えたのは、今までにない良い展開ではあったのですが、その後が続かず…。
 梅雨入りしてジメジメとした気温ではありましたが、気温はそこまでではなかったですし、アウェイの福岡が最後まで走れていたことを考えると、そこは言い訳にはならないでしょう。
 試合内容からすれば、前節に続いて引き分けで良かったと思える内容ではなかったかと思います。
■立ち上がりに2得点も1点返される
 ペチュニクが不在のジェフは、出場停止明けの森本がスタメン出場。
 その他のスタメンは、前節札幌戦と同じ顔ぶれとなりました。
 ベンチには負傷明けの谷澤が入り、北爪がメンバーから外れました。


 福岡は前節と同じスタメン。
 古賀、邦本といった前節途中出場したベンチ外で、田村、コ・ジュンイが入りました。
 福岡は先週水曜日にバルセロナBチームと練習試合を行っていますので、その試合でのプレーも加味したものでしょうか。
 開幕戦から出場していた中村北斗は、現在負傷中で戦列を外れているようです。



 開始7分に、早くも試合が動きます。
 ジェフによる後方からの何でもないロングキックに対して、相手CBがクリアミス。
 森本に当たったボールを町田がバイタルエリアで拾い、素早くDF裏へ浮き球のパス。
 森本が抜け出してシュートを放つと、ゴール右隅に決まり先制ゴールとなります。


 森本らしいゴールパターンだったと思います。
 昨シーズンから感じていたことですが、森本は相手の寄せがない状況でのシュートは非常にうまい。
 しかし、昨年終盤から森本へのマークも厳しくなって、フリーで打てる回数が少なくなり得点も減少していった。
 このシーンでは相手のミスからのチャンスメイクだったこともあって、相手が寄せきる前に打ち切ることが出来た。
 相手のクリア時に森本がしっかりつめたことによって、相手のクリアミスを誘ったことも大きかったと思います。


 続く11分にもジェフのゴール。
 ジェフ左サイドのCKが逆サイドに流れ、パウリーニョが右サイドを抜け出してセンタリング。
 このこぼれ球を水野が拾って、そのままミドルシュート
 これが決まって、早くも2-0とします。
 ジェフとしては、相手のこぼれ球から2ゴールをあげたことになりますね。



 立ち上りの福岡は、守備が中途半端な印象を受けました。
 ジェフが開始直後に積極的に前に出ていくことは福岡も分かっていたでしょうから、警戒していたところがあったのではないでしょうか。
 しかし、警戒しすぎた結果、前へのプレスに行けなくなりパスコースが消せず、5バックになる時間が長かった。
 前から守備に行けていないのにDFラインは高く守りがちだったので、ジェフとしては攻め込みやすい状況になっていたと思います。



 25分には福岡がCKからチャンス。
 ゴール前に選手が集まる形から、堤、イ・グァンソン等が押し込みますがゴールならず。
 この時間帯から、徐々に福岡の選手たちにエンジンがかかってきました。


 27分にも福岡の攻撃。
 井出のところに人数をかけてボールを奪い、縦への楔のパスを使いつつ逆サイドに展開。
 左サイドの阿部がフリーな状況でクロスを上げると、こぼれたところを金森が受けシュートを放つもゴールならず。



 そして、33分。
 キムのパスミスを金森が奪って仕掛けたところから、右サイドにつなぎクロス。
 これを福岡がゴール前で拾って、一度戻したところを鈴木惇がワンタッチで繋ぎ、金森が仕掛けます。
 金森のドリブルに健太郎がいなされたところから、シュートを放たれ失点。


 キムのパスミスからの失点ですが、福岡からするとこの時間帯までなかなか高い位置で守備に行けていませんでした。
 福岡としてはようやく目が覚めてきて、前でボールを奪えるようになっていった状況だったと思います。
 その後も福岡が斜めのパスを使いながら、攻め込む時間帯が増えていきます。
■動きが落ち2失点目を許す
 福岡優勢で進みながらも、試合は2-1で折り返します。
 50分、福岡のビックチャンス。
 中盤でボールを拾ったところから、速いカウンター。
 城後が右サイドで仕掛けて素早くアーリークロス
 金森にピンポイントであいますが、GK岡本が何とかセーブ。


 51分にはジェフの攻撃。
 左サイド奥から中央の町田へ繋ぎます。
 町田は森本との1-2で前に出ていって、シュートを放つも相手DFに当たってゴールならず。



 55分頃から、試合はやや均衡状態に。
 両チーム運動量が落ち、前へのプレスも落ち着いていきました。
 特に前への勢いの失ったジェフは、苦しい状況になっていった印象です。


 福岡は高いラインを維持するので、ジェフとすれば1つ抜けさえすればチャンスになりそうな状況ではありました。
 しかし、しっかりと福岡もラインをコントロールしていたため、簡単には裏を取れない。
 逆にジェフは裏狙いばかりになって、単発の攻撃が増えてしまいました。
 一方の福岡はじっくりとパスをつないでいくため、勢いはなくとも攻撃に厚みを感じる状況に。



 60分には福岡の攻撃。
 堤の楔のパスから、FWがポストプレーでサイドの阿部へ展開。
 阿部の素早いグラウンダーのクロスでチャンスを作ります。
 ゴールにはなりませんでしたが、これが福岡の狙いだったと思います。
 楔のパスを使って中央を攻め、相手を中に引きつけておいて、サイドを開けてクロス。
 逆にジェフからすれば相手のサイドにつられれば中央が空くし…と、つかみにくい攻撃だったように思います


 63分にはジェフのミスから福岡のチャンス。
 GK岡本が相手のチェイシングからキックミスし、中盤で相手にボールを拾われるとそこから早く中央に合わせられ、金森が裏を取ります。
 金森が中原に戻してシュートを放ちますが、これは枠外でジェフはピンチを脱します。


 71分、福岡は城後に代えて酒井宣福を投入。
 前線にターゲットを増やしていきました。
 そして、73分。
 右サイドで酒井が粘ったところからクロス。
 このこぼれ球を福岡が拾い、今度は左サイドからクロス。
 これを大岩と競り合った中原がヘディングで競り勝ち、同点ゴールをあげます。


 中原のゴール前での強さも目立つシーンでしたが、ジェフとしては阿部への寄せが甘かったですね。
 金井と森本が対応したのですが、福岡はもう1人サイドへ走りこんだこともあって、対応が甘くなってしまいました。
 阿部のクロスはこの日に限らず、何度も苦労させられている印象がありますが、この日も止めきれなかったですね。



 74分、ジェフが水野に代わって谷澤を投入。
 75分には福岡の金森に代わって坂田を投入。
 80分には森本に代えてオナイウを起用します。


 2-2になってから、ジェフはボールを奪っても前に人数をかけられない状況に。
 福岡の方が攻撃に人数をかけることができており、福岡が押し込む時間帯が続いていきます。
 85分、ジェフは健太郎に代えて田代を投入。


 健太郎は1失点目もそうでしたが、福岡のバイタルエリアでの仕掛けに苦労しているところがありました。
 1対1での守備力に長けた選手ではないので、苦しいところがあったのかもしれません。
 ただ、ここで攻撃的なカードを切らなかったのは、全体的に劣勢だったからというところも大きかったのではないでしょうか。
 この時点で引き分ければ御の字と、考えていたのかなとも思います。


 後半アディショナルタイム、福岡のビックチャンス。
 ハーフウェイライン付近からのFKで、一度左サイドに回してクロスを上げると、逆サイドの中原が完全にフリーに。
 そのままシュートを放ちますが、中央の坂田に当たりゴールならず。
 そのまま試合は終了。
 ジェフとしては何とか2-2で終わった試合といえたのではないでしょうか。
■序盤の勢いでゴールをあげられたものの
 立ち上がりはジェフが猛攻を仕掛け、福岡のエンジンがかかりきらず押し込んだ展開。
 これまでの試合では序盤の猛攻時に点を奪えなかったジェフですが、この日は11分までに早くも2ゴール。
 前半途中までは、ジェフペースだったと思います。


 しかし、その後は福岡が調子を上げていき、2ゴールを返した展開。
 そう考えると引き分けでも妥当といえなくもないですが、全体的には福岡の方が優勢だったように思います。
 シュート数も福岡は16本だったのに対し、ジェフは4本だったそうです。
 特に試合終盤は、福岡の決定力に救われた印象もありました。



 森本、町田、水野といった攻撃のメンバーになると、速い攻撃を仕掛けることが出来る。
 それは勢いのある状態では強く、特に福岡は積極的にラインを上げてきたので、相性も良かったのではないでしょうか。
 速い攻撃を仕掛けられれば、森本もゴールシーンのように素早くシュートまで持ち込め、"森本の形"で攻め切れるかもしれません。


 しかし、この速い攻撃を目指していくのなら、ペチュニクは合わないかもしれない。
 ペチュニクはボールを触りたがって受けに来てしまうためそこでひと手間かかってしまうし、何より本人にスピードがない。
 けれども、攻撃の変化や最後の質を考えると、やはりペチュニクは必要な選手でしょう。


 加えてこの日のメンバーだとスピードはあってもサイズはないので、クロスからのターゲットがどうしても少なくなるという問題もある。
 今回の福岡もパスワークで中央にジェフの選手たちを引き付け、サイドからクロスでチャンスを作っていましたが、対するジェフはクロスからのチャンスをほとんど作れませんでした。
 ここまでのジェフはクロスからの展開でチャンスを作ってきただけに、それが失われたのは大きな痛手だったのではないかと思います。


 日本人だけのメンバーの方がストレスなく、スムーズなサッカーが見られる。
 しかし、そこに"異物"である外国人選手をいかに組み込むか。
 これがJリーグにおいては非常に重要になってくると思うのですが、まだペチュニクは組み込み切れていないのではないかと改めて感じてしまいました。


 結局は攻撃の形をどのように考えていくのか。
 誰がどのようなタスクを担って、チームとしてどうやってシュートまで持っていくのか…。
 速い攻撃もいいしクロスからの展開でもいいとは思うのですが、チームとしての明確な形ができていないためメンバーが変わると攻撃の狙いが変わってしまうし、結果的にどちらか一方の攻撃になってしまう。
 福岡は中に外にと複数の攻撃の意図を感じただけに、なおさらジェフの課題が目立ってしまったように思います。


 逆に守備においては、ボールに人が集中する守り方だからこそ、そこを交わされると弱さがある。
 1失点目も一度ゴール前に集中したところを後ろに戻され仕掛けられてやられた形ですし、2失点目もゴール前に集まったところでサイドに隙ができてしまった。
 前節はコンディションが良かったから潰し切れたけれど、今節は飛ばし過ぎたのか途中からコンディションが落ちて苦しんでしまいましたね…。



 開始から11分で2点リードした状況だからこそ、その後ほとんどチャンスも作れず引き分けに終わってしまったのは非常に残念です。
 しかし、苦しい試合だったからこそ、引き分けで終われたのは救いだったのかもしれません。
 これで逆転されて負けていたらショックは大きいものだったでしょうし、そのままずるずると崩れていく可能性もあったのではないでしょうか


 次節大分戦ではペチュニクが復帰するので、攻撃をどのように作っていくか。
 ここまでの宿題を継続して、次に進むことになるのではないかと思います。
 命拾いした試合とも言えるのではないかと思いますし、その運をものにするためにも次以降が大事になってくるのではないでしょうか。