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前に人数をかけて1点を返すも4試合勝ち星なし

 気温が低く19時キックオフのホームゲームということで、ジェフの選手たちはここ数試合よりは動けていたのではないかと思います。
 それに加えて1試合出場停止で休み明けとなったパウリーニョのコンディション戻ってきたこともあって、守備においては大きな問題が出なかったといえるのではないでしょうか。
 しかし、攻撃においては、相変わらず形が作れない状況でした。
 勝点1が拾えてよかったと感じる試合でしたね。
■押し込むも点が取れず直接FKで失点
 ここ2試合で5失点のジェフは、GKを変えてきました。
 開幕からここまで生GKとしてプレーしてきた高木がベンチに回り、岡本がスタメンに。
 高木は前節群馬戦でも良いセーブを見せていたので可愛そうな気もしますが、GKを変えて流れを変えたいということなのでしょうか…。


 また、谷澤は引き続き欠場となり、前節スタメンだった田中が外れて右SHには水野が。
 そして、森本の出場停止で注目された前線の組み合せですが、ペチュニクが1トップで町田がトップ下に入る形となりました。
 ゴールデンウィーク連戦では3試合にスタメン出場した町田ですが、それ以降は出場機会がなく5月17日の金沢戦からはベンチからも外れていただけに少々意外でした。
 また前節途中出場した佐藤祥はベンチ外になりました。


 札幌は前兄弟が両ウイングバックに。
 古田がトップ下に移って、宮澤がボランチに回りました。
 ベンチには小野が入りましたが、ここまで中盤の怪我人が多かったようで、この日も荒野、堀米、ニウド、中原といった主力候補が欠場となっています。
 それもあって、前兄弟がスタメン出場となったようです。



 立ち上がりから、ジェフが押し込む展開。
 ジェフの選手たちの方が中盤での反応が早く、セカンドボールを拾うことで前に圧力をかけていきます。
 札幌は都倉へのロングボールが多いものの、そのボールが精度を欠きパウリーニョが前で跳ね返すシーンも目立ちました。
 ジェフの守備陣も都倉へのロングボールは、警戒していたように思います。


 しかし、ジェフも決定的なチャンスは作りきれない状況に。
 左サイドでパスをつないで行く展開が続きましたが、そこに関しては札幌守備陣もしっかりと研究してきたように思います。
 ジェフの左サイドでのパスワークは最終的に中村の左足にクロスを蹴らせる展開が多いので、それまではパスをつながせておいて中村の左足につないだらグッと寄せって奪う。
 その結果、ジェフは左サイドからチャンスを作れず、勢いが落ちて行きます。



 立ち上がりが悪かった札幌も調子を上げていき、10分過ぎから流れが変わっていきました。
 この頃からロングボールの使い方に、工夫が見られるようになっていきます。
 単純に都倉に蹴るのではなく、中村のところを狙ってジェフの左サイド奥に合わせてみたり。
 都倉が下がってボールを受けるように見せておいて、2シャドーが前に飛び出しジェフDFライン裏に蹴ってみたり。
 ロングボールが多い状況は変わりませんでしたが、ロングボールの意図はしっかりと感じるビルドアップでした。


 そして、15分。
 ゴール前左寄りの位置で、大岩のハンドによってFKを与えてしまいます。
 これを福森が直接狙い、ゴール右隅に決めて札幌が先制。


 まず大岩があの位置で、ファールを与えてしまったのが残念です。
 また、岡本もFKが蹴られる直前に前にステップを踏んだ分、反応が遅れて触れなかったように見えました。
 もともと直接FKを止めるのは得意なタイプではないのでしょうが、試合勘の問題もあったのかもしれません。



 それ以降、再びジェフがボールを持つ時間帯が増えていきます。
 出場停止明けで動きが戻ってきたパウリーニョが、中盤でどんどんボールを刈っていきます。
 札幌は引いて守ってボールを奪ってもパスがつなげず、押し込まれる状況が続きました。


 しかし、ジェフはなかなか札幌の守備組織の中にボールを入れられない状況に。
 町田が動き出してもそこにボールが入らず、中盤の底とサイドの大外でしか回せないため、効果的なビルドアップが作れない流れに。
 相手にボールを持たされている状況で、セットプレーとロングスローでしかチャンスが作れない時間が続きます。



 35分にはジェフが若干距離のあるFK。
 中村が中央で合わせたように思えるボールが、直接GKク・ソニヨンまで届きク・ソニヨンが弾いてバー直撃。
 これが前半最大のチャンスだったでしょうか。


 42分には札幌が中盤でボールを拾って、左サイド前方に展開。
 ボールを受けた内村が縦に仕掛けてシュートまで持ち込みますが、岡本が左足一本でストップ。
 ここは岡本が良く反応してくれました。
■何とか1点を返し1-1の引き分け
 ハーフタイムを挟んで、札幌はより前への姿勢が増していった印象でした。
 50分には水野の蹴ったジェフのCKから、札幌がカウンター。
 中盤で札幌の選手が拾うと、中村が内村に裏を取られて大岩と1対1に。
 逆サイドを走りこんでいった前寛之がパスを受けてシュートを放ちますが、これは大きく枠をそれます。


 52分には井出からのパスを受けたパウリーニョミドルシュートを放つも、GKク・ソンヨンがキャッチ。
 54分にはジェフの中盤の守備が若干ずれたところで、古田が思い切ってシュート。
 ゴール左隅をかすめる、危ないシュートでした。


 56分、今度はジェフの決定機。
 後方でボールを奪ったところから、中村がペチュニクにロングパス。
 ペチュニクが右サイドの水野へ簡単にはたくと、ボールを持ち込み早いタイミングでクロス。
 中央でペチュニクとクロスする動きをしてフリーになった町田がニアに飛び込み、ヘディングで合わせるもゴールならず。
 ジェフにとっては、この試合一番の良い攻撃だったかもしれません。



 しかし、61分にはペチュニクイエローカード
 足の裏を出してのスライディングで、レッドカードではなくてラッキーなプレーだったのですが、ペチュニクは強く抗議していました。
 ペチュニクパウリーニョはうまくいかない試合だと、すぐにイライラしてしまいますね。


 50分あたりからジェフの流れが良くなった…というか、札幌が前に出てきてくれたことによってスペースができ、両チームの打ち合いになりかけていたと思います。
 1点を追うジェフにとっては良い傾向だと思うのですが、この抗議を機にその流れが止まってしまったように思います。
 59分には金井もアフターで相手を蹴っており、イエローカード
 その前に札幌も激しいプレーがありましたしそこでファールを取ってほしかったという面はあったとしても、審判の問題だけではなくジェフのプレーの粗さ、精神的な幼さも目立つ展開だったと思います。



 69分には、水野に代わってオナイウを投入。
 オナイウを前線に起用して、右サイドにペチュニクを回す形でした。
 77分には井出に代わって田中が投入され、そのまま左サイドに入りました。
 基本的にはオナイウの1トップではありましたが、前節群馬戦で4-2-3がうまくいったためかこの時も4-2-1-3に近いような形だったように思います。
 ただ、あの時は前線にフォローがいなかったため大きく変化が生まれましたが、今回はそこまでの変化を感じませんでした。


 77分には札幌のビックチャンス。
 左サイドで都倉が粘ってセンタリングまで持ち込むと、中央の古田が足元でシュート。
 GK岡本を交わしたシュートは、ゴール左隅にそれます。
 その直後のCKの流れから、札幌右サイドからクロス。
 完全に前を取られた形でしたが、オフサイドに終わります。



 82分には中村が、ハーフウェーライン少し先からロングフィード
 ペチュニクがすらして、相手DFが触りあわやオウンゴールといった展開に。
 この時間帯から、ジェフはパワープレーのような状況でした。
 85分には、健太郎に代えて鈴木隆行を投入。
 ボランチを削って、さらに前の人数を増やしていきます。


 そして、89分。
 ジェフが得た長めのFKを中村が蹴り、ペチュニクが合わせて同点ゴール。
 副審はオフサイドフラッグを上げていましたが、対象は別選手でゴールが認められます。


 その後は札幌が攻め込む場面もありましたが、スコアは動かず。
 札幌としては、失点前に都倉を下してナザリトを投入したのも失敗でしたね。
 試合はそのまま1-1で終了となりました。
■どのような攻撃のデザインだったのか
 ジェフとしては強引に圧力で押し切って、勝点1を拾えた試合でした。
 札幌も中日が1日少ない状況でのアウェイゲームということもあってか、全体的に動きが重くミスも目立つ試合だったように思います。
 ジェフの守備をかわせず、ボールを失うシーンが目立っていましたね。


 一方のジェフはボールを持ち続けるも、決定的なチャンスの数は非常に少なかった。
 試合終盤に4トップ1シャドーのような形で攻め込んだのも、結局は組織的な攻撃が作れないために人数をかけて押し切るという選択肢しかなかったからでしょう。
 ジェフが点を取ったのも結局セットプレーによるものでしたし、勝点1をものにできて良かったと感じる試合内容でした。


 冒頭でも述べた通り気温が涼しくホームだったためコンディションが良く、それによって群馬戦のような守備の問題は出なかったのだと思います。
 前節も言ったように個人技でボールを奪えることを前提としたチームになっているだけに、コンディションの変化は非常に大きいのでしょう。
 しかし、攻撃においては、何をしたいのかわからないような状況でした。
 特にあのスタメンで、何を狙っていったのか…。
 どういった形で攻撃を作りたいのか、そのデザインが見えてこない試合だったのではないでしょうか。



 今までに何度も話してきたように、町田を使うと中央が活性化がしやすいというメリットがあると思います。
 しかし、ジェフの武器であるクロス攻撃においては、中央の高さを失うことになるため、町田の起用は悩ましいところがあります。
 加えて、右サイドにはサイドアタッカーの水野起用。
 こちらもサイドを縦に突破してクロスという形が得意な選手ではありますが、さらに2列目からクロスに飛び込める選手は少なくなるわけで、クロスのターゲットはペチュニク1人しかいない状況になってしまいました。


 町田の動き出しは相変わらず良かったし、水野の動きも決して悪くなかったと思うのですが、2人を活かすことはできなかった。
 中央で町田が良い形で受けるといった展開は、ほとんどなかったと思います。
 唯一良い展開が見られたのが、56分に見られた水野のクロスから町田が頭で合わせる展開でしたが、あれも町田の良さを生かした展開だったのかというと疑問が残ります。


 町田を起用するメリットの1つとして、ペチュニクが1トップでプレーできることがあると思います。
 初めて町田とコンビを組んだ熊本戦でも2人でチャンスを作る形が見られたので、そこを期待しているのかと思ったのですが、残念ながらそういった展開も作れなかった。
 ペチュニクはイライラしてくると、ボールを触りたがってサイドなどに流れる印象があって、町田が中央で孤立してしまう時間帯もありました。



 ペチュニクパウリーニョのイライラ癖は、チーム全体にとってもよくないことだと思います。
 自分で全てをこなしたがるだけでなく、審判にもあたってしまう。
 その怒りを味方選手の鼓舞などに使えればまだいいと思うのですが、審判にあたると今回のように流れを止めてしまう可能性も出てくる。
 ちょうど全仏テニスもやっていましたが、テニスでは審判を気にしすぎると試合に集中できなくなる。
 そこからプレーに迷いが生じることがあるわけで、これはサッカーにも同様のことが言えるでしょう。


 だからこそ、審判との信頼関係が重要になってくるわけで、審判をリスペクトしなければいけないはずだと思うわけですが、それが今のジェフにできているのかどうか…。
 これがこの試合だけならばいいのですが、特に2人に関しては毎試合のように見られますから、どうにか変えていかなければいけないのではないかと思います。
 スタジアムの雰囲気も影響する可能性があるかもしれませんから、サポーターも我慢する必要があるかもしれません。
 もちろん審判にもミスはあると思いますが、それは選手も同じこと。
 特にボール奪取のところでアフターで行ってしまうようなプレーは、その選手の守備が下手だからという部分も大きいと思いますし、試合が荒れるのは審判だけの問題とはいえないでしょう。




 まぁ、しかしそれよりも、問題なのはチーム全体の戦い方。
 理想通りの戦い方ができれば2人のフラストレーションも収まるのでしょうし、まずは何よりもそちらが重要でしょう。
 シーズン序盤の好調な時期は、二人もそこまで荒れていなかったわけですからね。


 これで4試合勝ちなしではありますが、コンディションは良くなった印象があります。
 選手たちが動ける分、ボール奪取も期待できるため、守備の穴も減った印象です。
 そして、その守備陣が1失点で抑えたために、攻撃が拙くても何とか勝点1を拾えた試合とも言えるのではないでしょうか。



 しかし、コンディションが回復したのも、この日からナイトゲームが始まったのと無関係ではないかもしれません。
 これから梅雨にはいれば湿度が上がってくるし、本格的な夏に向けて気温も当然高くなってくる。
 ナイトゲームでもコンディション的により厳しい試合になっていくでしょうから、頼りのボール奪取もまた効かなくなってくるかもしれません。


 そのため、ジェフとしてはまだそこまで気候が厳しくない今のうちに、チームとして攻守の形を明確に作っていきたい。
 それがゴールデンウィーク連戦中の攻撃のバリエーション作りに失敗したように、またモタモタするようであれば夏場以降も苦しくなるかもしれませんね…。