横浜FC戦、注目の攻撃陣の組み合わせは

 ジェフは4-0で大勝した熊本戦から、中3日で横浜FCと対戦します。
 ホームフクアリでの開催。
 対戦相手の横浜FCはアウェイ2連戦となるのですね。


 今シーズンから横浜FCは、ミロシュ・ルス監督が指揮を執っています。
 97年にはブランコ・エルスナー監督が就任したブランメル仙台のGkコーチを務め、シーズン途中からは監督の辞任により監督に昇格しています。
 エルスナー監督は元ジェフのベルデニック監督や祖母井GMのお知り合いで、ジェフ監督就任の噂もあった方です。
 当時ジェフとブランメルは、間接的に関係の多い間柄でしたしね。


 日本での指導経験もあるせいか、今季横浜FCのサッカーはそこまで極端な欧州風のサッカーにはなっていない印象もあります。
 山口監督のサッカーを継続させている部分も、多いのかもしれません。
 攻撃においては長いボールが増えた印象があるものの、サイドではショートパスを使う展開も珍しくなく。
 そこからSBなどがタッチライン際を走って、センタリングを狙う形がメイン攻撃といった感じでしょうか。
 守備においてはポジショニングを大事にしつつ、そこから前に出ていって潰しに行く形。
 比較的攻守にワイドに戦う印象がありますが、それも今までの横浜FCで見られた光景ではないかと思います。
 

 外国人監督の中には若手選手を積極的に使う指導者も多いですが、今季は三浦和良が開幕からスタメン出場。
 レギュラー選手として活躍していました。
 しかし、先日の徳島戦で負傷交代し、今週末の試合も欠場となるようです。
 加えて野崎、安英学、飯尾なども負傷をしているようで、怪我人の多い状況のようですね。


 現在、横浜FCは9位。
 前節東京V戦では後半に直接FKを決めて、1-0で勝利しています。
 スコアは1-0ではありましたが、サイドからの攻撃で相手を押し込み優勢に戦う時間の長い試合だったのではないでしょうか。



 対して熊本に4-0で大勝したジェフは、2列目から前の組み合わせが気になるところです。
 スタメン出場した町田は、あれだけスペースがあればゲームを組み立てることのできる選手だと思います。
 本人の調子もよさそうに見えました。


 しかし、やはり最後の精度は課題で、熊本戦でもシュートを放つシーンはありましたが、ゴールには結びつきませんでした。
 またフィジカルも強くないため、プレスに行っても潰しきれない、サイドからのクロスのターゲットになれないといった問題があり、今季の目指すサッカーからすると方向性が大きく違うようにも感じてしまいました。
 それもあって、後半早い時間に交代となってしまったのではないでしょうか。



 となれば、森本が怪我から復帰すれば町田はスタメンから外れるのか…ということになるかといったところですが、森本も攻撃面では物足りなさがある。
 守備においても、熊本の巻を見るとやはり森本とはレベルが違う印象でした。
 巻の守備を見てしまうと、ボールの追い方やボール奪取能力、守備範囲などにおいて差があります。
 タッチライン際に相手を追い込むシーンがありましたが、普通の選手ならロングボールを蹴らせれば成功という場面でも、巻だとそこでスローインにしてしまう。
 それに比べると、森本はあくまでも"ストライカーが守備を頑張っている"といったレベルだと思います。


 もちろん巻と比べるのは可愛そうな部分もあると思いますし、しっかりと求められた守備タスクはこなしていると言えるのでしょうが、肝心のストライカーとしての仕事ができていないだけに、物足りなさを感じるということになるのだと思います。
 ある程度の守備だけなら森本でなくてもいいということになってしまうかもしれないし、得点が期待できないのであれば周りを活かすプレーに関してももっと期待したいところではないかと思います。



 一方で磐田戦でスタメン出場したオナイウに関しては、もともと攻撃での一発の破壊力は期待できるものの、守備やポストプレーなど細かなプレーが苦手なために、その点で大いに課題の残るプレー内容となってしまいました。
 守備においてもリアクションが遅いため、前からプレスがかけきれずリトリートせざるを得なくなってしまったり。
 攻撃でも細かなつなぎの部分でミスが目立ったり。
 それでも一発が見せられれば…といったところではあったのでしょうが、残念ながらゴールも決めきれずに終わってしまいました。


 オナイウがうまくいかなかったのもあって、熊本戦ではペチュニクの1トップとなったのでしょう。
 ペチュニクも守備でサボらない選手ではありますが、チェイシングのスピードや守備範囲には課題があるため、町田がトップ下に入ってそこをサポートする形になったのではないかと思います。
 単純なチェイシングにおいては井出よりも町田の方が計算できるでしょうし。
 そして、町田を使うのであれば、右サイドにはゴール前に飛び出せる選手がほしいということで田中がスタメンだったのではないかと思います。


 今シーズンのジェフは特にフィジカルやサイズを重要視しているだけに、町田と井出を2列目に同時に並べることはしなかったのかなとも思わなくもありません。
 考えてみれば、去年も関塚監督は町田と井出を同時にスタメン起用した試合はほとんどなかったですし、2人を同時起用する形は関塚監督の好みからはあわないのかもしれませんね。
 レンタル元のFC東京に復帰した幸野はベンチ入りすらできていないようですが、今後どうするのでしょうね。
 もう一度ジェフに…という流れがあっていいようにも思いますが。
 無論その場合は完全移籍を念頭に置いて。



 町田のボールを引き出す動き、ゲームを作る仕事は中央からの攻撃が作れていないジェフにおいては、重要なピースになる可能性もあるかもしれません。
 町田がいることによって、ペチュニクが前を向いてプレーをしやすくなる可能性も感じました。
 しかし、熊本戦はあまりにも相手の守備が軽率だっただけに、相手次第では中央でボールを触れなくなる可能性もある。
 加えて2列目には井出のようなキレのあるアタッカーもいた方が、攻撃の勢いは増してくるのではないでしょうか。


 けれども、2人の同時起用というのは現行のチームの流れからは離れるようにも思いますし、悩ましいところですね。
 連戦中は様々な形を試すかもしれませんし、けが人などの状況によっても変わることでしょう。
 しかし、最終的にチームとしての形をしっかりと作り上げることが大事だと思いますし、どういった形に収まるのか注目ですね。