パウリーニョ対策と連戦と…試練を乗り越えられるか

 Jリーグゴールデンウィーク連戦中。
 ジェフはその初戦で、磐田と対戦し0-2で敗戦。
 愛媛戦での今季初黒星から2連敗となり、嫌な流れでの連戦スタートとなってしまいました。


 ただ、今後の対戦相手のカードを見てみると、順位だけで考えればそこまで厳しくない組み合わせのようにも見えてしまいます。


4月29日16:00  熊本戦 うまスタ (21位)
5月3日16:00 横浜FC戦 フクアリ (12位)
5月6日13:00  東京V戦 駒沢   (9位)
5月9日16:00  讃岐戦 フクアリ (14位)
 このように、現時点での順位では中位から下位のチームが相手ということになります。


 しかし、現在4位のジェフも勝点差でいえば、9位の東京Vとは「2」、12位の横浜FCとも「4」しか離れていません。
 もしこのままの勝点差で東京V戦まで進めば、その試合の結果次第で東京Vとの順位が入れ替わってしまう状況です。
 今季のJ2も上位から中位までは混戦状態で、ここまで好成績を残してきたジェフも一気に順位を落とす可能性があるということになります。



 また下位のチームが相手となると、前々節の愛媛戦のように極端に守備を固め、明確なジェフ対策をしてくるチームがあるかもしれません。
 特に攻撃においてはC大阪、大宮、磐田といった上位候補のチームとの対戦の方が、対等に戦ってきてくれるため戦いやすかった部分もあったと思います。
 相手が守備を固めてきた時にどう得点を奪うかが、今季も課題となってくる可能性があるのではないでしょうか。


 加えて気温に関しても気になるところで、ここからの4試合は16時キックオフが3試合、東京V戦にいたっては13時キックオフとなっております。
 ナイトゲームが主となる6月に入れば直射日光の影響も減り、試合における体力消耗も一度は軽減されることになるかもしれません。
 これが本格的な夏場になってくれば、湿度も上がりまた厳しくなってくるかもしれませんが。


 こういった体力消耗は1試合だけの問題ではなく、ボディーブローのように選手たちに響いてくるかもしれません。
 特に今季のジェフはフィジカル的にタフなサッカーをしており、運動量と球際の激しさが肝となっているチームですので、コンディション調整は例年以上に重要になってくる可能性があるでしょう。
 その試練がまず、この連戦で降りかかってくるかもしれません。



 2連敗で嫌な流れになりつつあるジェフですが、対戦相手の熊本はさらに苦労している状況です。
 熊本は現在4連敗中。
 しかも、4試合無得点という厳しい状況になっています。


 サッカーに関しては、小野監督が継続したことで、昨年と大きく変わっていないと思います。
 守備においては前に行く場合も、後方で守る場合も、人が密集してボールを奪いに行くスタイル。
 攻撃ではサイドで細かくつなぎつつ、前線が裏抜けを狙う形。


 しかし、前節金沢戦ではボール保持率は高かったものの、金沢の守備を崩せずに終わりました。
 最後の精度に大きな課題があっただけでなく、後方でのパスワークも遅く相手の守備ブロックを揺さぶりきれなかった印象があります。
 サイドでつないでいって前線の選手が間でボールを触る動きなどは、昨年以上に連携が深まっている印象もありましたが、全体的な攻撃の質はもう1つといったところではないでしょうか。



 前節の熊本対金沢戦は試合早々に金沢がセットプレーの流れから得点を決め、その後は熊本が攻め金沢が守る時間帯が続きました。
 その後セットプレーで追加点をあげた金沢が2-0で勝利したわけですが、現在2位の金沢は守備組織が整っているだけでなく攻撃陣に自信を感じるプレーが多かったように思います。
 それがチームに良いムードを与え、結果を出し、さらに良い流れになっていく…という良い循環ができているのかもしれません。


 ジェフも今季初の敗戦から2連敗となってしまったわけですが、心配なのはこれによって迷いが生じることではないでしょうか。
 ここまで好調だったからこそ、一度つまずいて「こんなはずでは…」と焦らないようにしなければならないと思います。
 そのためにも、先週も話した通り、しっかりと自分たちの状況を理解することが重要ではないでしょうか。



 一部選手は「今季は泥臭いサッカーをやっている」ことが結果に結びついているというようなコメントをしていましたが、基本的にはサッカーで勝つことに絶対の正解はないはずで、戦い方が変わったからというだけで結果を伸ばせたわけではないでしょう。
 もし今の戦い方なら成績を出せるというのであれば、世界中のどのチームも同じようなスタイルのサッカーで戦っているでしょうが、実際にはそうではないわけで。
 それよりもやはりパウリーニョを中心とした補強が非常に大きく、それが今のスタイルに合っていた(逆に言えば関塚監督のやりたスタイルに合った補強ができた)ことが重要なのだと思います。


 そして、そのパウリーニョ対策をされ始めてきたことなどによって、苦労し始めてきている…と。
 チームがそういった状況にあるのであれば、今後はパウリーニョ以外の選手たちがより頑張り、チームとしてもパウリーニョ頼りの状況から少しずつでも脱却していかなければいけないように思います。
 そのあたりが見られるかどうか、この連戦で注目していきたいところではないかと思います。


 結果が出せなくなり、パウリーニョ対策も続き、気温が厚くなってくる時期の連戦。
 これらの試練を乗り越えられるかどうかで、今シーズンの流れも大きく変わってくるかもしれませんね。