木山監督率いる愛媛との対戦
第7節の結果により、首位に浮上したジェフ。
今週末はアウェイで愛媛と対戦します。
愛媛は今季からジェフでも指揮を執ったことのある、木山監督が就任しています。
愛媛は今年1月、過去に粉飾決算が行われていた問題が明るみに出て大きなニュースとなりました。
しかし、Jリーグからはけん責と300万円の制裁金の処分のみで、今季の予算に関しては大きな問題はなかったようです。
そのため今オフではハン・ヒフン、キム・ミンジェ、渡邊一仁など一部の選手が抜けたものの、清水から瀬沼優司、藤田息吹、G大阪から岡崎をそれぞれレンタルで獲得し、松本の山林を獲得するなどしっかりと補強も行っている印象です。
今季の愛媛は、ここまで3勝3敗1分。
前々節の大分戦、前節の熊本戦に勝利し、現在2連勝となっています。
熊本戦では1-0の勝利を収めています。
木山監督らしいサッカーになっている印象で、熊本戦前半ではカウンターから素早くFWにあてて2列目が受けて仕掛ける攻撃を展開。
42分に熊本に退場者が出て、その直後に得たPKを河原が決めたゴールが決勝点となった試合でした。
しかし、後半からは1人少ない熊本が守りを固めて、攻めあぐねる試合展開となっていきました。
そこがジェフ時代にも感じた、木山監督の課題と言えるではないでしょうか。
基本的にカウンター時にもポゼッション時にもFWが高い位置で楔のパスを受けて落として、中盤が拾って前を向いて仕掛ける、あるいはサイドに展開するといった一連の流れをテンポよくやっていくのが、木山監督のサッカーの軸だと思います。
しかし、ポゼッション時に後方から組み立ててFWに楔のパスを出すまでの形をうまく作れないというのが、ジェフ時代にも熊本戦でも感じた大きな問題となっている印象です。
ボランチがDFラインのパスワークにうまく絡んで展開する、あるいはFWや2列目がボールを受けにくる、またサイドチェンジを素早く展開する…。
そういった細かなビルドアップが組織として作れていないため、遅攻時に後方で回していても選手たちが迷ってしまい、棒立ちになってしまうことが多い。
そのような課題があるにもかかわらず、ジェフでは上位チームということもあってかポゼッションにもこだわっていたところがあったため、うまくいかなかったといった印象があります。
最終的には自分でゲームを作れる兵働をトップ下において、ビルドアップを兵働に任せるチームになっていったところがあったと思います。
ビルドアップがうまくいかなかったこともあって、ジェフでの1年だけでパスサッカー、カウンターサッカー、パスサッカーと何度も戦い方が移り変わっていった印象でしたが、可能性を感じたのはカウンターサッカーをやっていた頃だったと思います。
水戸時代に成功したのも、戦力が限られていたこともあってカウンターサッカーに専念するしかなかったところがあったからではないでしょうか。
改めてジェフでのパスサッカーは、背伸びをしていた印象の強いものだったように感じます。
その壁を越えて、後方からのビルドアップを作れるようになっていくのか。
あるいは、あえて細かなビルドアップはあきらめる方向に振り切れるかことができるのか。
それらによって、木山監督のスタイルを明確に作り上げられるかどうかが、今後の大きな壁ということになるのかもしれません。
愛媛の話に戻すと、守備においては3バックが綺麗なラインで中央を守り、少し前にSBが構える5バックのようなスタイル。
前からのプレスも積極的な印象で、守備に関しては昨年までの流れも汲んだものなのかもしれません。
3バックが人につかずフラットに守りSBが3バックの斜め前方に控える形は、岡山も似通ったバックラインでしたし最近のトレンドということなのでしょうか。
ジェフとしてはカウンターに気を付けながら、5バックを攻略する攻撃力が求められることになると思います。
また、ジェフにとってはアウェイゲームとうことになり、コンディショニングも重要になってくるはずです。
これまでの試合でもホームゲームの方がプレスが機能していることが多いですし、アウェイ遠征の影響というのは少なからずあるのでしょう。
また気温も上がってきましたし、その中でどれだけ前への圧力を維持できるかが今後の注目点ということになってくるのではないでしょうか。
状況によっては、夏場にはより賢く戦っていく必要性も出てくるかもしれません。
今季の軸となっているプレス面が真夏に苦しむ可能性も考慮して、今のうちにしっかりと勝ち点を稼いでいきたいところではないでしょうか。