今季優勝候補のC大阪と本日フクアリで対戦

 いつも水曜開催の試合のプレビュー的なものをいつアップすべきか悩んでしまうのですが、火曜日は前節岡山戦のお話をしたかったので試合当日の更新となりました。
 春の連戦、2試合目は本日開催。
 対戦相手はC大阪ということになります。
 ジェフのホームフクアリでの戦いで、ジェフとしては連戦の初め2試合をホームでプレーすることのできる日程となっています。


 J2に降格したC大阪ですが、現在のところ2勝2分と好スタートを切っています。
 今年からC大阪は、アウトゥオリ監督が就任。
 普段Jリーグのサッカーを見慣れている立場としては、特徴的なサッカーをしている印象を受けます。



 負傷者や代表選出の問題もあってメンバーは多少入れ替わっていますが、フォーメーションは4-3-3で戦い方も統一。
 フォルランカカウ、玉田を中心とした3トップは基本的に守備には戻らず、残りの4-3だけで守るという割り切った戦い方をしています。
 3トップに守備の負担を与えない分、4-3の戻りが非常に早く、相手にスペースを与えない守備ブロックを形成。
 前線からのプレスに関してもあまり積極的ではなく、前3人は相手のカウンターを遅らせる程度といった印象です。


 その分、攻撃においては3トップが自由に動きまわて、3人のイマジネーションを中心にチャンスを作っていく。
 カカウが若干下がり気味で受けて展開し、高い位置でフォルランがポイントとなる変化を作り、玉田がそこにスピードやキレなどをプラスしていく。
 全くの自由というわけではなく、縦にあてて戻して大きくサイドに展開という狙いも感じますが(技術力がある選手が多いのでロングパスによる一発での展開も印象的)、基本的には3人が自由にプレーするとった決め事ではないかと思います。
 守備においても攻撃においても、いかに前の3人を攻撃に専念させるかを主眼に置いたチーム作りをしているといえるのではないでしょうか。



 先ほども言ったようにJリーグのサッカーを中心に見ている身としては異質な印象を受けてしまいますが、ブラジル人監督ということもあってブラジルのサッカーの1つと考えればそこまで極端に特別なことをしているわけではないのかもしれません。
 結局フォルランなどは「守れ」といっても「守らない」というよりは「守れない」のでしょうし、それならばチームとして初めから「守らせない」サッカーにした方が逆にリスクは少なくて済む。
 もちろんフォルランなどを外すチーム作りというのも考えられるでしょうが、フォルランの存在や影響力などを考えると使わざるを得ない部分もあるのかもしれません。


 そこがC大阪の悩ましいところも言えるのでしょうが、守備を免除した分攻撃で貢献してくれるというのであれば、当然プラスと考えられる。
 こういったやり方ができずビッグネームを使いこなせなかったことが、昨年のC大阪における失敗の大きな要因ともいえるのかもしれません。
 もちろん今のフォルランが守備での免除分を挽回できるほどに、攻撃面で貢献できるかどうか…といった部分などもあるとは思いますが。



 ただ、理には適っているというか、フォルランを使うならこれしかないのかなとも思わなくもありません。
 このJリーグでは異質にも感じるサッカーでどこまで結果を残せるのか、J2昇格を果たしJ1でも成功できるのかどうか。
 単純な第3者のサッカーファンとして見れば、興味深く感じるところはあります。


 しかし、一方で以前のC大阪のサッカーが好きだったという方にとっては、残念に思うところもあるようです。
 確かに現実的に割り切ったサッカーに感じますが、それは以前のコレクティブに選手たちが動き回るサッカーとは大きく異なるように思わなくもありません。
 このあたりは非常に難しいところですね。



 これは今季大きくサッカーの変わったジェフにも、近いことが言えるのかもしれませんね。
 「今季は鹿島のサッカーのよう」という意見も伺って、なるほどと思いましたが。
 そういえばやっているサッカーはまた違いますが、アウトゥオリ監督も関塚監督も元鹿島ということになりますね。


 どちらも方向は違いますが、今までのチームでやってきたサッカーとは異なる印象があり、割り切った戦い方になっているようにも思います。
 C大阪は3トップに守らせずに攻撃では自由にやらせ、ジェフは細かくタイプの選手ではなくフィジカルで勝る選手を中心にチームを作り。
 どちらもこれまでのスタイルとは違う印象がありますが、ここから新たなチームの歴史が生まれていくということになるのでしょうか…。