「ジェフは弱いチームであることを理解しなければならない」
先日、2015年Jリーグの順位予想をしましたが、ジェフの順位予想は4位ということにしました。
これに関して、改めてその意図を述べていきたいと思います。
今年の新体制発表会後に選手構成を見ての感想でも述べた通り、今のジェフは戦力的にも予算面でも厳しい状況にあるのではないかと思います。
Jリーグから開示されている強化費は減少傾向にありますし、観客動員数も年々落ち込んでおり、補強面でもここ数年は苦戦気味と言え、クラブはジリ貧状態にあるのではないかと思います。
その後、山形戦で今季のチームを見たことになるわけですが、期待のペチュニクは予想以上に厳しそうでしたし、パウリーニョ、北爪あたりは計算できそうなので何とか戦えるといったレベルでしょうか。
しかし、それでも単純な戦力で見ていけば、C大阪、大宮の次のグループというところに位置するといったところではないでしょうか。
ただ、考えてみれば昨年も磐田が最後に自滅したとはいえ湘南、磐田が戦力的に上にいたわけですし、一昨年もG大阪、神戸の方がジェフよりも戦力は豊富だったのではないでしょうか。
ようするにここ数年、J2で3番手、4番手の立ち位置であることには変わりないということになるのではないかと思います。
J2に降格してからの成績を見ても、2010年が4位、2011年が6位、2012年が5位、2013年が5位、2014年が3位と、極めて安定しているといえるでしょう。
これは上で話した「J2で3番手、4番手の立ち位置」という見方にも、リンクすることになると思います。
監督の責任、TDの問題などといった話も聞かれ、当然そこも無関係ではないはずですが、最終的にはそれらも含めてクラブの力。
これだけ毎年同じような成績で落ち着いているのですから偶然とは言えないはずで、そろそろそれを認めなければいけない。
今のジェフの立ち位置は、J2の自動昇格圏内の少し下付近にいるものだということになるのではないでしょうか。
確かに予算はあるものの、近年のジェフはベテラン選手中心の補強で戦力を固めている状況で、選手育成の面では苦戦しているといっていいでしょう。
自前の選手を育成に成功しているクラブは、その分低予算で戦える傾向にある。
ジェフは育成に失敗してきた分高いお金を払って補強をしてこなければいけないわけで、それを考えるといくら予算規模で上回っていても戦力的には苦しい面が出てくるものだと思います。
しかも、ジェフの場合1年での昇格を目指して即戦力のベテラン選手を補強するも、昇格に失敗してベテラン選手が退団し、またさらにその穴をベテラン選手で埋めるという"負のスパイラル"に陥っている印象です。
そんな中、今オフはケンペス、山口智、山口慶、竹内などが退団。
ようやくこれでその"負のスパイラル"から抜け出せるかと思いきや、それを埋める若手・中堅選手は補強できませんでした。
もともとベテラン重視で若手・中堅が少ない・伸びにくい状況にあったわけで、ベテラン放出で浮いた予算を若手・中堅獲得に充てられれば…と思ったのですが、そう簡単にはいかなかったと。
山村補強にも動いていたのは事実でしょうから狙いとしてはあったものの、うまくいかなかったということなのでしょう。
最終的に鈴木隆行を補強したのも、妥協案的な意味合いもあったのではないでしょうか。
ただ、考えてみれば前年のオフも米倉、高橋、伊藤、深井、櫛野などが退団し、補強で大きく成功したのは中村、高木くらい。
オフの立場で考えても、現在のジェフはそういったポジションにあるということなのでしょう。
降格初年度にミリガン、勇人、茶野、林、慶、倉田などを獲得したり、2012年に智、兵働、健太郎、藤田、荒田、田中、レイナウド、高橋、谷澤、ロボなどを獲得したような「これでもか」といった補強は、もはやできない状況になっているのだと思います。
逆に言えば、自動昇格を狙うならやはりこの2年がチャンスだったとも思うわけですが、それはともかく…。
厳しい状況だからといって、悲観すべきではないでしょう。
むしろジェフの現状を、冷静に判断する大きなチャンスともいえるのかもしれません。
毎年のように戦犯を探したり、ホーム開幕戦からバスを囲むような問題を起こすのではなく、地に足の着いた見方をするべきではないかと思います。
ジェフというクラブの置かれた立場を冷静に判断・評価した上で、ここからさらに成長していけるよう応援していく。
当たり前のことではありますが、それこそが健全な状況であるともいえるのかもしれません。
考えてみれば「勝って当然」というプレッシャーにチームが悩まされていた部分もあったのではないかと思いますし、しっかりと相手チームをリスペクトして戦っていかなければいけない。
それこそが「甘え」や「驕り」を、捨てることにつながるのかもしれません。
それもあって、今季ジェフは4位予想ということになります。
私も例年は期待も込めて自動昇格件に予想することが多かったですけど、それも含めて「甘え」だったのかもしれません。
厳しい状況ではあるけれども、チャレンジャー精神を持って戦っていくことによって、チームも前向きな姿勢で成長していくことができるかもしれない。
そういった真摯な思いこそが、現在のジェフにおいて重要な要素なのかもしれません。
そんなことを考えていたのですが、先日発売されたサッカーキングによると、佐藤勇人がイビチャ・オシム監督から今年に入ってこのようなコメントを受けたとのことです。
「ジェフは弱いチームであるということを理解しなければならない」
まったく同意見ですが、これにすべてを持って行かれた印象で、ちょっと悔しくもあります…(笑)
雑誌内で深い説明はありませんでしたが、過去数年成績が低迷していること、強かった頃のジェフは挑戦者として強い気持ちで戦っていたことなどが書かれていました。
そういった強い気持ちを持って戦うためにも、現状をもう一度再確認してシーズンを迎えたいとったところではないでしょうか。
最終的な結果はどうなるにせよ、自分たちの持っているものをすべて出し切れるかどうか。
そこがまずは、目標となるのかもしれません。
昇格できるかどうかも大事ですが、それを抜きにしても「良いシーズンだった」と言える年にしたいところですね。