山形戦後の大岩、パウリーニョのインタビュー

 22日に行われた山形戦はあくまでも公開練習試合ということで、ジェフの公式サイトではスタッツやコメントも公開されませんでしたが、J SPORTSのブログに大岩とパウリーニョの長めのコメントが掲載されましたのでご紹介を。
 まずは大岩のコメントを見ていきたいと思います。

Q、やろうとしていた守備のコンセプトというのは?
A、まあまあまあ。言ったらイカンかもしれないので止めときますけど(笑)
みんなでやろうとしていることはありますし、少しはできてきているかなと思います。

 沖縄キャンプでの練習試合でもメンバーは非公開でしたし、意外と関塚監督は秘密主義なところがあるのかもしれませんね。
 もちろんそちらの方がやりやすい、隠した方がチームにとって良いだろうという考えなのであれば、そちらを優先すべきだと思いますが。
 そのあたりは監督の考え方次第ですからね。


 大岩は「みんなでやろうとしていることはあります」とのことですが、それはどのチームにも当然あるものだと思いますし、問題はそれをピッチの上でしっかりと形に出来るかどうか。
 そして、それが結果に結びつくかどうかということになると思います。

Q、逆に課題というのはどのあたりでしょう?
A、僕個人だったらビルドアップの所で時間を創ったり、もっとうまく繋いだりしないといけないですし、もっとラインコントロールしないといけないなと思いますし、ビデオを見て修正したいなと思います。

 ビルドアップに関して、大岩は無難にこなせる選手といった印象があります。
 山口智のように個人技でサイドにライナー性の鋭いボールを蹴るようなプレーができるわけではないですが、ああいった能力のある選手は稀だと思いますし、そこまで期待すべきではないでしょう。
 しかし、チームとしてコンスタントにうまくビルドアップをやっていくためには、個人技ではなく組織として作っていかなければいけない面が大きいと思いますので、それに関しては山形戦でも見られた1つの課題だったのではないかと思います。
 特に前半は相手のプレスもあって、スムーズにパスが回せずにいました。


 ラインコントローに関しては、大岩にとって大きな課題なのかもしれませんね。
 基本的にはマンマーカータイプの選手だと思いますし、それもあってかどうしてもポジショニングが不安定な印象があるので、今季改善していきたい要素となるのかもしれませんね。
 ライコントロールやパス出しの面では田代の方が期待できるのかもしれませんが、強さやスタミナ面などにおいて大岩の方が評価されているということでしょうか。

Q、右サイドを崩されていたのが気になりましたが、中ではどう修正しようと話していましたか?
A、言ってはいたんですけどなかなかうまくいかなくて。
もっとみんなで選手で試合中に修正できるようにやっていきたいなと思います。

 山形戦での守備に関して、一番気になったのはやはり右サイドの守備に関してだと思います。
 昨年から続く課題で、どうしても右サイドにスペースができてしまう。
 対戦相手のキム・ボムヨンが良いプレーをしていたこと、ペチュニクの動きが重かったことを差し引いたとしても、全体が中央左寄りな状況は昨年と変わらず、相手にスペースを与えすぎていたと思います。
 昨年から見られた課題だけに今年はシーズン序盤から右サイドを狙われるかもしれませんし、今年も悩ましいポイントとなるのかもしれません。



 続いてパウリーニョのインタビューに関してですが。

Q、判断という部分で攻撃の形でフィニッシュまで持ち込む所が課題だと思うんですけど、それはパウリーニョ選手がどうやってコントロールしていきたいと思っていますか?
A、その部分は自分が大きな責任を担っていると思いますけど、自分としても前半はそれがうまくできずにいましたから。
でも、後半はそれがしっかりとできました。
まだそれ以外にもミスは全体としてあるんですけど、後半は我々としては本当に良いゲームができたと思います。

 うまく質問をかわしたという印象もありますね。
 このあたりの返し方はブラジル人選手はうまい印象で、大岩のように「言ったらいかん」とは素直に言いませんでした(笑)
 素直な返答もそれはそれで面白くていいと思うのですが、パウリーニョの返答は"大人"な印象を受けますね。


 「攻撃の形でフィニッシュまで持ち込む所が課題」という質問は、かなり核心をついているのではないかと思います。
 先日の山形戦だけではなく、昨年終盤から続くジェフの極めて大きな課題といっていいでしょう。
 月曜のエントリーでも話した通り、山形戦でもサイドの高い位置まではボールを持ちこめても、そこからの攻撃の意図が見えてこなかったということになると思います。
 これが今季のチームの最大のテーマとなってくるのかもしれません。
 


 このインタビューをされたのであろう土屋氏は試合のレポートもアップされています。
 いつもながら非常に細かい内容になっていますね。
 毎回試合で細部までメモを取られているんでしょうか。
 メモを取りながら試合を見るのは意外と大変だと思うのですけど、素早く状況を把握できれば可能ということなのでしょうか。
(追記・コメントによると、この質問は赤沼圭子氏の質問だったようです。)


 基本的には前半は山形、後半はジェフという流れだったとは思うのですが、90分を通してやりたいサッカーができていたのは山形の方だったのではないかと個人的には思います。
 報知山形新聞の二紙に同じように「山形が決定力を欠く」と書かれていましたが、実際山形のフィニッシュの精度に助けられた面は大きかったでしょう。
 とはいえ、それでも最後はゴールを決めて勝利したということで、このパターンを今年もやっていけるのかどうかという点は気になるところです。


 昨年終盤も"試合終盤の帳尻合わせ"で勝点を拾った試合は多かったですが、安定して結果を残すためにはそこに期待するだけでは心許ないと思います。
 実際プレーオフ決勝では、試合終盤の巻き返しが発動せずに無得点で終わったわけで、その辛い経験も忘れてはいけないでしょう。
 今季はケンペスがおらずあのレベルのジョーカー役がチームに生まれるかどうかも分かりませんし、やはりまずは90分間良い戦いをできることを目指していきたいですね。
 そのためにも「攻撃でフィニッシュまで持ち込む形」を、しっかりとチームとして作っていくところが求められるのではないでしょうか。