ジェフ戦でゴールを決めた金森「中盤にスペースがあった」

最終ラインの位置と中盤、前線の距離感が良く、千葉に決定的な場面をほとんど作らせなかった。得点は42分。中盤に顔を出した左サイドの金森健志が、右の城後寿に展開し、ゴール正面で再びパスを受けて放ったシュートがゴールネットを揺らした。「得意な形だった」と金森。「中盤にスペースがあったので、外に開きすぎないように意識していた。あそこに顔を出したことが得点につながって良かった」と振り返った。(九州 J-PARK

 九州J-PARKは、J'sGAOLなどで記事を書いていた九州クラブのライターが集まって結成したサイトですね。
 今後はライターさんたちも、自分たちで積極的に情報を出していかなければいけない時代になっていくのでしょうか。


 こちらは先週、ジェフが福岡に2-6で敗れた試合のレポート。
 引用させていただいた部分は、1本目の内容ということになります。
 細かいことは試合を見なければわからないとはいえ、守備における中盤のスペース問題は昨年終盤も見られた課題なだけに、ちょっと気になるところですね。



 今年に入ってからジェフは、4-1-4-1を試しているようです。
 福岡戦でもこのレポートを読むと2本目から「トップ下に選手を入れた」と書かれていますので、それまでは4-1-4-1だったのではないかと思われます。
 昨年関塚監督は何度か4-1-4-1を試してきましたが、試合中に4-1-4-1に変更したもののうまくいかず元に戻した試合もありました。
 福岡戦でもトップ下を入れてからはジェフが押し込む時間も作れたようですし、4-1-4-1がスペースができてしまった要因の1つなのではないか…と想像できなくもありません。


 昨年うまくいかなかったにもかかわらず、なぜ4-1-4-1にこだわるのかを考えると、昨年関塚監督も話していたようにサイドの守備を改善したいという狙いがあるのではないでしょうか。
 J2のチームはサイドに人数をかけてショートパスを回すところが多いですが、関塚監督はCBをドンとゴール前に構えることを基本としており、メンバーが変わってもその基本は大きく変わらないでしょう。
 ゴール前は厚くなる分、サイドが数的不利になりがちになってしまう。
 そこでSHとSBのところにインサイドハーフもサポートに行かせて、対処しようということではないでしょうか。



 しかし、アギーレ監督の日本代表でもそうでしたが、4-1-4-1だと押し込まれる時の対応に悩むことが多い。
 押し込まれた時の対応に関しては課題を残した球アギーレ体制は終わってしまったわけですが、それでもアギーレ監督が指揮した日本代表は攻守の切り替えが極めて速いく、中盤の「4」でプレスをかけられるという大きなメリットがありました。
 けれども、少なくとも昨年のジェフはCBが深く守ることもあって、ハイプレスで戦うスタイルといった感じではなかったと思います。
 その分、どうしても守備時に押し込まれる時間が増えて、4-1-4-1の課題のほうが目立ってしまったということではないでしょうか。


 近年の4-1-4-1というとブリュックナー監督のチェコ代表から始まってモウリーニョ監督なども使用している印象ですが、基本的には組織的でコンパクトな守備というのが求められるのではないでしょうか。
 単純に考えてもDFラインの「4」と中盤の「4」の間を埋めるのが「1」だけになるわけで、コンパクトに戦えないとどうしてもその間に広大なスペースができやすい。
 それに加えてジェフの場合は関塚監督の狙いからして、インサイドハーフがサイドの守備に回るため、どうしても中央のスペースが開いてしまう問題がありました。


 中央のスペースが空くと1ボランチ脇を狙われやすくなってしまうので、そこの対処がうまくいかず相手にやられてしまうことが多かった印象です。
 1ボランチで戦う場合、押し込まれた時は逆サイドのSHやインサイドハーフによるボランチ脇を埋める動きがどうしても必要になってくるのではないかと思うのですが、その対応に関する時間を作るためにも連動したプレスというものが重要で、昨年はそこがうまくできていなかった印象があります。
 これまでのところ中盤はパウリーニョをアンカーに前2人を健太郎と勇人にしてかなり守備的な人選になっている印象ですが、昨年の印象からすると中盤の人選だけで解決できる問題ではないようにも思います。



 昨年の内容から考えると個人的には断念せざるを得なくなる可能性も高いと思うフォーメーションですが、今のうちに4-1-4-1を納得いくまで試しておくというのもシーズンを考えれば重要なことではないかと思います。
 その分時間がかかってしまうかもしれないし、遠回りになる可能性も十分あり得るでしょうが、シーズン中にバタバタするよりは良いのではないでしょうか。
 もちろん4-1-4-1のフォーメーションが今後うまくはまれば、新たな可能性も見えてくるかもしれません。
 どちらにせよ、そろそろ開幕に向けてチームを固めなければいけない時期になってくるでしょうから、今季のフォーメーションやスタイル、メンバーなども気になってくるところですね。