各チームの新車発表と今年初テスト
F1も新シーズンのスタートが迫り、各チームが新車を発表しています。
昨年は空力のレギュレーションが変わって、ノーズ先端に突起が付くチームが多く、非常に"醜いマシン"と内外で評価されました。
ノーズが高すぎると他車とのクラッシュ時に危険ということでローノーズとなるレギュレーションになったのですが、そのままではマシン下部に流れ込む空気が少なくなってしまうため、先端を細くしてその左右から下部への空気を流すマシンがトレンドとなってしまったということになるようです。
そのため、今季はノーズのレギュレーションを一部変更。
ノーズ先端の断面積を指定するなどして、対策をとることとなりました。
そんな中で注目された新車一発目の発表がウィリアムズだったわけですが、なんと小さな突起は残る形に。
断面積が指定されるよりさらに前を、細くした形となったようですね。
フォース・インディアはカラーリングとノーズだけ新車といった状態で新車を発表しましたが、こちらも先端は細くなっています。
予算の問題で開発が遅れているようで、へレステストにも参加できず、今後の運営が心配されるチームとなっています。
初めの2台が突起付きとなって心配されましたが、ロータスは突起はなく、シンプルなデザインとなりました。
ただ、近代のF1では空力学が進んだこともあって曲線が多いデザインとなっているのですが、非常に直線的担っています。
ロータスも予算不足が言われているので、その影響で開発を煮詰め切れなかったのでしょうか。
続いて、話題のマクラーレンホンダは突起がなく、以前のマクラーレンのようなノーズに戻った印象もあります。
加えてリアの絞り込みが激しい印象があり、排熱処理などが気になるところ。
マクラーレンはホンダエンジンに移ったためメルセデスのシルバーアローをやめ、マクラーレン本来のオレンジかホンダの白赤かペイントも注目されていたのですが、肩透かしのシルバー継続でした。
昨年に続きタイトルスポンサーもなく今後ペイントが変わる可能性もあるそうですが、このままだとちょっと残念ですね。
続くザウバーは青主体に黄色の入ったカラーに大幅変更。
フェリペ・ナスルが持ち込んだブラジル銀行カラーで、色の組み合わせは悪くないと思うのですが、ずいぶんとざっくりとした印象ですね…。
フェラーリも突起はない分、先端を伸ばしてロングノーズとしてきました。
マクラーレンに近いノーズにも感じられますが、非常にかっこよくカラーリングも含めてさすがの見た目ですね。
意外にもフロントのプルロッドは継続となり、リアは昨年熱処理に苦しんだせいか若干絞り込みが緩くなっている印象です。
トロ・ロッソも先端を伸ばし、前方を三角形にしてきました。
レッドブルはまさかのモザイクカラーで新車を発表。
細部を見辛くするためで、市販車やGTカーなどでは見られる手法ですが、F1では珍しいですね。
エイドリアン・ニューエイ最後のデザインと言われる今マシンですが、ローノーズになった印象で先端には小さな突起が付いています。
リアはサイドポンツーン下部の絞り込みがかなり厳しくなっており、攻めたデザインになっているのではないでしょうか。
昨年の王者メルセデスは昨年のマシンの正常進化形といった印象。
ノーズは今年のレギュレーションに合わせて変更してきましたが、全体の印象は変わらず昨年圧勝した余裕を感じさせるマシンです。
先週行われたへレスでの合同テストでは、そのメルセデスが順調に周回をこなし、長い距離を走り込みました。
またタイムではフェラーリが好調で、今年の復活を期待したいところです。
一方でルノーエンジンのレッドブルはなかなか集会を稼げず。
そして、一番苦労したのが新規参戦のホンダエンジンを積むマクラーレンで、トラブルばかりでなかなか長い距離を走れず4日間を終了してしまいました。
ホンダは第3期も参戦直前まで余裕のコメントでビックマウス扱いされてしまいましたが、今回の首脳陣のコメントを読むとそれに近いものを感じてしまいます。
エンジンレギュレーションが大きく変わっての2年目で、1年間ライバルの動向をチェックできたとはいえ、メルセデス以外の他メーカーも1年目は非常に苦労しましたし、ホンダもかなり苦労するのかもしれません。
マクラーレンのロン・デニスはホンダが全く新たな技術を試しているので苦労していると話していますが、F1ではファーストインプレッションが非常に重要と言われていますし、そこで大きく苦しむとそのままずるずると行く可能性があるように思います。
前途多難となったホンダですが、果たしてここからのおおきな挽回はあるのか。
そして、メルセデス、フェラーリ、レッドブルといった上位争いの行方は。
マシンもほぼ出そろってきましたし、F1シーズン開幕も間もなくとなります。