鈴木隆行の加入が正式発表に
鈴木隆行選手の加入について(ジェフ公式サイト)
ジェフの練習に参加していた鈴木隆行の加入が、正式に決まりました。
ジェフ公式サイトで情報が漏洩してしまっていたため、もはや「ようやく発表になった」といった印象です。
天野の横浜FM復帰も正式発表前にジェフの公式サイトから判明してしまった経緯がありますし、公式サイトがリニューアルされても肝心の中身はあまり変わっていないような印象ですね。
そのうち重大な情報も出してしまうのではないかと、心配になってしまいますが…。
しかし、鈴木隆行加入に関しては、沖縄キャンプに参加した時点で可能性が高いのではないかと思っていました。
他チームの情報ですが、ちょうどジェフが沖縄キャンプを実施している時期に、小針、倉貫、千代反田といった実績あるベテラン選手たちが現役引退を表明しました。
この時期に現役引退を表明したということは、それまでは現役続行の方向で模索していたのではないでしょうか。
鈴木隆行も39歳となる大ベテラン。
昨年ジェフで最年長だった山口智よりも、さらに上の年齢ということになります。
鳥取が獲得に動くという噂もありましたがそちらも立ち消えとなったようですし、そのような選手を数週間も練習に参加させておいて獲得しないという可能性は低いのかなと。
身体的に問題があれば獲得は難しいでしょうが、そういった部分は初めの練習である程度わかると思いますし、選手としての特徴は十分に分かっている選手でしょう。
沖縄キャンプ前に獲得が決まっていなかったのは事実かもしれませんが、ほぼ内定といった状況であった可能性もあるのではないでしょうか。
鈴木隆行の獲得に関する印象は、以前に話した通り。
確かにCFは手薄なポジションであり、鈴木隆行は若手のお手本としても期待できる、尊敬できる選手の1人ではないかと思います。
しかし、今回もまた、外部からリーダーシップを補強する形でいいのか。
経験豊富な選手はCBにこそ必要性を感じますし、CFはレンタルなどで若手選手を補強する形でもいいのではないか。
山口智、山口慶、竹内、兵働などを放出し世代交代を計ったように見えたにも拘らず、大ベテランを獲得する方向性でいいのか。
どこか違和感も感じる補強ではないかと思います。
確かに若手選手のレンタル移籍での補強は、後に完全移籍で獲得した大塚などの成功例はあるものの、近年でも高橋、幸野、山中などの失敗例も多い状況です。
ただ、鈴木隆行の年齢を考えると何年もプレーしてくれる状況ではないでしょうから、大ベテランの補強もまた難しい部分があるのではないでしょうか。
実際、今回のコメントでも引退を考えたということを話していますし、ジェフでもここから長くプレーするということにはなりづらいと現状では思います。
藤田俊哉のケースも思い出させますね。
これが自動昇格を目指すための積極補強、というのならわからなくもないかもしれません。
しかし、現実も見なければならず今季の戦力はかなり厳しい状況で、結果的に昇格を目指すにしても若手・中堅の成長は必須条件となるのではないでしょうか。
そういった中で中途半端にベテランを補強しても、逆効果になりかねないのでは…と思わなくもありません。
そもそもとして世代交代を強く成し遂げる意志があるのかどうかも、新体制発表会の議事録ではわからずじまいでした。
チームの現状を冷静に評価・判断した上で、世代交代を目指しじっくりとチームを作り上げていくのか、それとも是が非でも昇格を目指すのか。
新体制発表会では昇格を目標に掲げていましたが、それなら山口智や山口慶を残すか、その穴を埋める補強が必要だったのではないかと思います。
ジェフがここ数年苦しんでいるのも、クラブの方向性、チーム運営に一貫性がなかったことが非常に大きいと思います。
だからこそ、昨年新体制発表会で「土台作り」を掲げたことに期待しましたし、我慢すべきシーズンだったと思うのですが、ホーム開幕戦でのバス囲みから始まり途中で監督も交代してしまった。
今年は戦力の維持・穴埋めが出来ていないにもかかわらず、昇格を目指すと断言してしまっている…。
結局、これまでの反省は活かせずに、今年もどこかあべこべな運営になっているように感じてしまいます。
よりミクロな視点で考えると、レンタル補強を嫌ったこともあって他に補強できるあてもなく、こういった流れになったのかなとも思わなくもありません。
山村の補強にも失敗したのでしょうし、代わりのCBを補強できていないことも含めて、今オフの補強動向はかなり厳しいものになっている印象です。
FWに関しては昨年関塚監督は一時期2トップで戦っていましたし、FWの得点力が重要なサッカーなので、即戦力となるFWの枚数がどうしても必要なところもあったのかもしれません。
とはいえ、まずはぶれないクラブの方向性や哲学が必要で、その上で現場の意見を聞き、柔軟な対応をすべきでしょう。
そのクラブとしてぶれない部分・譲れない部分がなかなか見えてこないところが、一貫性のなさを感じる大きな要因ではないでしょうか。
もちろん決まったからには、応援したいと思います。
前線で体を張って戦える選手は個人的に好きなタイプの選手ですし、スター性も十分と言えるのでしょう。
そして、以前にはジェフの降格争いを救ってくれたことのある選手でもあります。
キャリア終盤と言えるのでしょうが、決まったからにはジェフでもう一花咲かせてくれることを期待したいと思います。